何も無い場所で生きるあなたへ-『ここにしか咲かない花』で歌われる場所

何も無い場所で生きるあなたへ-『ここにしか咲かない花』で歌われる場所

何も無い場所で生きるあなたへ-『こ
こにしか咲かない花』で歌われる場所

コブクロ / ここにしか咲かない花

『ここにしか咲かない花』が歌っているのは過去への追憶と未来へのまなざしという普遍的なテーマだ。この曲が収録されたアルバム『NAMELESS WORLD』でコブクロは初のオリコンチャートナンバー1を記録。路上パフォーマンスからはじまったコブクロの人気を決定づけた曲といっても過言ではない。
ドラマの主題歌にもなった『ここにしか咲かない花』は小渕がドラマの舞台である沖縄県の鳩間島を訪れて受けた印象を描いた曲と言われている。目指していたナンバー1という場所にたどり着いた2人が訪れた「何も無い場所」。そこから見えたのはどんな風景だったのだろうか?
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沖縄県の鳩間島を訪れて受けた印象を描いた

人口わずか50人程度、海に囲まれた100メートル四方の鳩間島。波の音と浜辺に咲いた一輪の花が静かな小島を世界にひとつだけの場所に変える。傷心の主人公が胸に抱くのは遠く離れたあの人のおもかげだ。「何も無い場所」が過ぎ去った光景をよみがえらせ、記憶が遠い過去へと運ばれていく。
「同じ数の出会いと別れ」はひとつひとつが大切な思い出

1998年、セールスマンのかたわら路上ライブをしていた小渕とストリートミュージシャンだった黒田が出会ったことからコブクロはスタート。翌年、小渕が会社を辞めインディーズからアルバムをリリース。転がりはじめた運命は勢いを増して2001年3月にメジャーデビューを果たす。
順調そうに見える足跡だが、頂上へ歩む中で目にしたのは光だけではなかった。夢と希望で彩られた表現の世界。その舞台裏にはたくさんの絶望や悲しみが存在する。光と影をくぐり抜ける中で得た「同じ数の出会いと別れ」はひとつひとつが大切な思い出になっていった。

20周年を迎えた2人の心境
そして訪れた「何も無い場所」。景色こそ全く違うが、それはコブクロがはじまったあの路上を思い起こさせる場所だったに違いない。過ぎ去りし日々をふりかえって感じる「今ここに生きている証を刻む」という思い。この場所から再び歩みはじめること。それは20周年を迎えた2人の心境そのものだろう。
タイトルに込められた強い意志
『ここにしか咲かない花』というタイトルには「ここで咲く」という強い意思が込められている。それは「何も無い場所」で今日も生きるあなたへのメッセージでもあるのだ。
TEXT:石河コウヘイ

アーティスト

UtaTen

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