音声ガイド初挑戦の瀬戸康史も登壇、
『生誕60周年記念 くまのパディント
ン™展』オープニングイベントレポー

2018年4月28日(土)~ 2018年6月25日(月)まで、Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区)で開催される『生誕60周年記念 くまのパディントン™展』。4月27日(金)に行われたオープニングイベントには、本展で音声ガイドナビゲーターを務める俳優・瀬戸康史と、本展監修者で児童書「パディントン」シリーズの翻訳者でもある松岡享子が登壇した。

松岡享子

——松岡先生が考える、『くまのパディントン』の魅力を教えてください。
松岡:この作品の魅力は、主人公の魅力だと思います。パディントンは子どもらしい無邪気さと天真爛漫さ、好奇心の強さ、独特の正義感や価値基準を持っています。一度「こうだ」と思ったことは、まっすぐそのまま行動に移すという性質もあって、そのたびにいろんなトラブルを起こすんですけどね(笑)。まわりがそれをあたたかく包んでくれるので、大事に至らずにすんでいて、ほほえましいという点がパディントンの一番の魅力だと思います。どれだけまわりに迷惑をかけても、なんだか憎めないんです。
——瀬戸さんと『くまのパディントン』の出会いや思い出を教えてください。
瀬戸:僕は、ペギー・フォートナムが挿絵を描いた絵本が出会いです。小学校低学年くらいの頃、「読書感想文」ならぬ「読書感想画」というものがありまして、それでパディントンを描いたのを覚えています。なので、今回こうやって音声ガイドをやらせていただけて幸せです。
——瀬戸さんは、今回初となる音声ガイドを務められた感想はいかがでしたか?
瀬戸:正直、最初は「見てくださる方の邪魔をしちゃいけないな」と難しく考えていたんですけど、録っていくうちにどんどん楽しくなっていって、“素の瀬戸康史”といいますか、ガイドなんですけど、横に寄り添って一緒に歩いているような気持ちで収録しました。
——実際に展覧会を見て、いかがでしたか?
瀬戸:ずっと見ていられますね! 見飽きないし、何度も同じところをまわってしまうくらい魅力たっぷりで、このオープニングイベントが終わった後にももう一回見ようかなと思っています。
松岡:私は、こんなに大勢の方がパディントンの絵を描いてらっしゃると、実は知らなかったんです。パディントンといえばペギー・フォートナムの挿絵がぴったりなものですから。でも、パディントンのいろんな特徴がそれぞれの画家によって出てきていて、とても面白く拝見しました。
——本展で、特に印象に残っている作品を教えてください。
瀬戸:僕は、ちょうどこの後ろのコーナーにある4コマ漫画ですね。パディントンの4コマ漫画があるのを知らなかったので、4つの絵と文字にパディントンの魅力が凝縮されていて、人柄……というかクマ柄(笑)が本当によくわかる、素敵な作品だと思います。音声ガイド中でも読ませていただいたので、それもぜひ聞いていただきたいなと思います。
松岡:作品ではないのですが、ボンドさんのタイプライターです。このタイプライターでお話を打ってらしたんだなと思うと、見ていてうれしかったです。
——松岡先生は、くまのパディントンを翻訳される時にどんなことにこだわっていますか?
松岡:あんまりこだわらないんです。パディントンの本を読んでいると、パディントンが動いているのが目に見えてくるし、声が聞こえてくるんです。翻訳する時にはそれを字に書いていくというプロセスなので、どちらかというと一緒にお話を楽しんでいるようなものです。こだわるとか、難しく考えて工夫するということではなく仕事をしていました。
——瀬戸さんは、ドラマでは英語を流暢に話される役が多く、プライベートでも「洋画を字幕なしで見たい」と思ったことがきっかけで英会話を習うようになったそうですね。瀬戸さんから松岡先生に、翻訳について何か聞いてみたいことはありますか?
瀬戸:英語って、すごく簡単に書かれていることでもいろんな受け止め方があるじゃないですか。言葉選びはその人のセンスによると思うのですが、児童文学の場合は特に子どもたちに伝わりやすい言葉を選ばないといけないわけですよね。僕だったら頭がパンクしそうになるかと思うんですけど、その点先生はいかがですか?
松岡:私は『くまのパディントン』以外の作品も訳していますが、やはり絵本の場合は読み手が小さい子だということをものすごくよく考えます。ですが、『くまのパディントン』に関しては読者の年齢のことをあんまり考えませんでした。自分の頭に思い浮かんだ言葉を、そのまま、とっても自由に翻訳させてもらいました。
——最後に『生誕60周年記念 くまのパディントン™展』に来場される方へのメッセージをお願いします。
松岡:この展覧会を観て楽しんでいただけたら、ぜひ本も読んでいただきたいと思います。そうしたら、パディントンともっと仲良く、もっと親しくなれると思います。
瀬戸:パディントンの、失敗を恐れずにいろんなことに挑戦する姿が僕は好きなのですが、それは役者にも通じるところがあって、すごく勇気をもらいました。この展覧会では、絵本を読んでいるかのような、物語を読み進めてるかのような感覚でいろんな展示をご覧いただけますし、“かわいい”だけではないパディントンの魅力がこの空間には詰まっています。ぜひたくさんの方がいらしていただけるとうれしいです。

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着