【ヨースケコースケ インタビュー】
ツアーの旅先で生まれた曲が
詰まったアルバム
シンガーソングライター・サカノウエヨースケ×俳優・米原幸佑のデュオ、ヨースケコースケが4thアルバム『アルビレオ』を発売する。ふたりは浅倉大介つながりで実は10代から先輩と後輩の関係。兄貴分のヨースケが語る、ふたりが生む音楽の魅力とは?
まずはヨースケコースケについてうかがいます。サカノウエヨースケさんはシンガーソングライターとして、米原幸佑さんは舞台を中心に俳優としても活躍しているわけですが、そんなふたりで音楽を一緒に作る面白さや発見というのは?
お互いソロとして2マンライヴをしているうちに自然な流れで今のかたちになっていったんですけど、幸佑は音楽に対してのピュア感度がすごく高くて、カッコ良いと思ったものを真っ白な気持ちで曲にしてくるから、とんでもない音階やとんでもない言葉を放り込んでくるんです(笑)。自分の好きなものや感動したものを詰め込んでくるので、“これを曲にしたら面白いだろうな”と思ったのが始まりであり、発見ですね。自分にないものを持っていると思ったし、逆に僕が持っているスキルを彼が身に付けてくれたらいいし…そういう相乗効果があって一緒にやることになりました。
2015年から活動をスタートさせて、今では毎年かなりの数のライヴを行なっているんですよね。
はい。僕は叩き上げで10代の頃から音楽活動をしてきたので、まずは下地を作りたくて、いろんな街に車で行って、カフェや小さなライヴハウスでふたりで歌ってきたんです。共感してくれる人がいて、1年に1回帰られる場所を全国に作りたいと思って回っていたら、90本ぐらいになっていたんです。
ヨースケさんと幸佑さんは性格も全然違うんですか?
正反対ですね。幸佑はひとつのことが終わったらスイッチが次に切り替わるので、基本的に塩対応(笑)。僕は逆です。
砂糖対応?
ははは。そうそう。甘い感じかもしれないですね。幸佑はライヴ中や制作をしている時は熱いんですよ。逆に僕はそういう時には引いて見ていて、“こうしたらもっと良くなるかもしれない”とか考えているんです。でも、幸佑はひと段落したら、すぐに“お疲れ様です!”みたいな(笑)。
そのバランスが面白いですね。ニューアルバム『アルビレオ』はアコースティックな曲、ロックな曲、ヒップホップテイストのダンスナンバーなどバラエティーに富んでいますが、ライヴで育ててきた曲が収録されているのですか?
半分は書き下ろしで、今までと違うところは曲をPCで制作するのではなく、打ち込み素材を極力使わずに、一緒にやっているバックバンドのメンバーとスタジオで生録音したことなんです。昨年、アコースティックアルバム(『ACOUSIC SELECTION』)を発売して、シンプルに曲を届けたライヴの評判が良かったので“次は生で録音したいね”って話して、ツアーの移動中や楽屋、ホテルで曲を作っていきました。そういう曲が今回のアルバムに収録されています。
そのアルバムのタイトルを“アルビレオ”にした理由は?
僕と幸佑の共通点は星や天体が好きなことなんです。「セドナの軌道」や「オールトの雲」という曲も過去に発表しているんですが、「アルビレオ」は幸佑が『銀河鉄道の夜』を題材にした朗読劇に出演していたこともあって生まれた曲で。作品の中にアルビレオの観測所という場所が出てくるので、“そういう感じの曲を作ってみませんか?”って松山のライヴハウスの楽屋で幸佑に言われたんです。ちょうど音楽スタジオが楽屋だったから、“じゃあ、今やってみようか”って作り始めたら“これ、リード曲になりそうだね”ってなりました。
なるほど。全体に旅感があるアルバムですものね。
きっと、僕らが実際に旅をしながら作ってるからですね。「冬花火」は長野でのライヴ後に歌詞ができたんですよ。ちょうど長野の町中でお祭りをやっていて、どうやら冬に花火を上げる風習があって、その花火を見て幸佑が“ちょっと歌詞を仕上げます”って(笑)。出来上がった歌詞を見て、「冬花火」はピアノバラードにしようっていうことになったんです。
お母様への感謝を歌った「ベストマザー」はどんな時に作ったのでしょうか?
幸佑はお母さんと仲が良くて、友達みたいな関係なんですよ。それで家族へのラブソングというか、母へのプレゼント代わりになる楽曲を作ってみようっていう話から始まって今のかたちになりましたね。
MVはふたりで向かい合って演奏して歌うシンプルな映像で、逆にインパクトがありますね。
はい。これだけを観ると弾き語りアルバムだと思われるのかもしれないので、リード曲の「アルビレオ」のミュージックビデオはドローンを使って砂丘で撮影したんですけど、惑星の雰囲気が出ている映像になると思います。
共作曲も多いですが、ヨースケさんが作詞作曲を手掛けた「ASIAN FUTURE」や「WE LOVE MUSIC」はライヴで盛り上がりそうな踊れる曲ですよね。
さっき1年に1回帰られる場所を作りたいっていう話をしたんですが、僕は以前にアメリカやアジアのいろんなライヴハウスでも活動を行なっていた時期があって、帰られる場所の規模を海外まで広げていきたいなって思っているんです。去年はヨースケコースケでも台湾でライヴをしたんですけど、海外に行っても一発でコミュニケーションをとれる楽曲が欲しくて。「WE LOVE MUSIC」は一緒にサビを歌えるし、「ASIAN FUTURE」もコール&レスポンスできる曲なので。
そういう意味でも“旅”はキーワードですね。
そうですね。僕らはライヴアーティストだと思っていて、どこに行っても“今度の作品良かったよ”って会いに来てくれる人がいるのがすごく嬉しいんです。このアルバムを通じてもっともっと横のつながりを広げていきたいですね。
取材:山本弘子
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アルバム『アルビレオ』2018年5月2日発売
YK Records
5/20(日) 東京・代官山 UNIT ※バンドセット
5/24(木) 福岡・TAGSTÅ
5/26(土) 広島・ヲルガン座
5/27(日) 岡山・城下公会堂
5/31(木) 東京・下北沢 風知空知
6/02(土) 京都・紫明会館
6/03(日) 大阪・cafe Room
6/07(木) 長野・ロズベリーカフェ
6/09(土) 東京・新宿 MARZ ※バンドセット
6/10(日) 東京・下北沢 風知空知 ※追加公演
ヨースケコースケ:浅倉大介プロデュースでシンガーソングライターとアイドルとして別々にデビューしたふたりが、2013年、サカノウエヨースケ主催の『サカフェス』での共演をきっかけに意気投合し、楽曲制作を開始。そして、ヨースケコースケとしてツアーを敢行すると、瞬く間にチケットは全カ所ソールドアウト! 15年1月28日に1st アルバム『IT'S MY WORLD』をリリース。その後も精力的なリリースやライヴ活動を重ね、18年5月2日に4枚目のアルバム『アルビレオ』を発表する。ヨースケコースケ オフィシャルHP
「アルビレオ」MV
「ベストマザー」MV