泉 彩世子『脳内ジュークボックス』
- 第17回 「カモメ」
野狐禅 -
私の心にひっかかって、揺らしていく、そんな唄たち。リンクする想いや情景を絵にしてお送りします。
朝が来ない。夜も来ない。隙間がない。区切りがない。
走り続けてブレーキが壊れた。ヌルヌルとラインを越えて滑っていく。
膜がかかっていろんなものが見えなくなった。
そんなときにくぐもったような音で耳の奥のから小さく、
だんだん大きく聞こえてくるのは。
「カモメ」/野狐禅
ほんまに自分を見失うと、見失うことへの恐怖なんてなくなるんやな。
「死に方の本」っていうものが目に入った。
あ、心配しないで、私は全く死にたくない。ゴリゴリ生きたい。
本当にたまたま目に入っただけ。
そのときにさ「死に方を考えるってことは生き方を考えるってことやなあ」
って強く思ったのを覚えてる。
たとえば、
ステージで魂のこもった一曲を熱唱した後そのまま倒れて死にたい。
大好きなこの人が死んだ次の日に眠るように死にたい。
なんでもいいから今すぐここから飛び降りて死んでしまいたい。
いろんな想いがあると思う。
ちなみに私はあったかい高機能な腰の痛くならないベッドで大勢の家族に囲まれて、
最後に笑顔で「大往生~~~~!!!」って叫んで死にたい。
ベタです。ベタな幸せがほしいです。ベタに生きてきたし、平凡な人間なので。
やっぱりそれが一番の幸せやと思う。
そのためにはアレをやらないと。これを叶えないと。こんな風に生きないと。
ってそんなのがありすぎたんかな。
理想が積み上がっていった。
毎日笑ってることとか。誰かに愛してもらうこととか。
誰かを助ける余裕をもっていられること。
時には泣いて「もう無理です!」って訴えること。
そしてそれを誰かに受け止めてもらえること。
平凡な幸せってすごく難しいことなんやな。
ある日、"ヌルッ"としてん。
滑ったんや。
なんか息継ぎができなくなった。日々を区切れなくなった。
痛いとか悲しいとか考えるところが麻痺した。
そしたらなんにも怖くなくなった。
恐れるのは守りたいからやし、悔しいのは進みたいからやねんな。
死にたいのは生きてるからやな。
叩き壊した。自己嫌悪する部分に自ら飛び込んでた。
ゲラゲラ笑った。息継ぎもせずに喋った。眠らずに歩いた。
膜の中で動くことも出来ずにコントロールのきかない自分を見ているようやった。
すっごい、疲れたんやとおもう。
この【カモメ】の歌詞、無骨なギターの音。
限界をいつのまにか過ぎてしまった人に聴いてもらいたいなって思う。
背中を押す唄も、とんでもなく悲しい唄も平気でシャットアウトしちゃう。
っていうか流れてることに気付けない。なんっにも聴きたくなかった。
優しい言葉も、抱きしめてくれる腕も、見えなかった。
目の前でポロッて落ちていくように全部忘れた。忘れた。
ほんまにね、「ダンボール箱の中にとじこもったんだよ。」
走り続けてブレーキが壊れた。ヌルヌルとラインを越えて滑っていく。
膜がかかっていろんなものが見えなくなった。
そんなときにくぐもったような音で耳の奥のから小さく、
だんだん大きく聞こえてくるのは。
「カモメ」/野狐禅
ほんまに自分を見失うと、見失うことへの恐怖なんてなくなるんやな。
「死に方の本」っていうものが目に入った。
あ、心配しないで、私は全く死にたくない。ゴリゴリ生きたい。
本当にたまたま目に入っただけ。
そのときにさ「死に方を考えるってことは生き方を考えるってことやなあ」
って強く思ったのを覚えてる。
たとえば、
ステージで魂のこもった一曲を熱唱した後そのまま倒れて死にたい。
大好きなこの人が死んだ次の日に眠るように死にたい。
なんでもいいから今すぐここから飛び降りて死んでしまいたい。
いろんな想いがあると思う。
ちなみに私はあったかい高機能な腰の痛くならないベッドで大勢の家族に囲まれて、
最後に笑顔で「大往生~~~~!!!」って叫んで死にたい。
ベタです。ベタな幸せがほしいです。ベタに生きてきたし、平凡な人間なので。
やっぱりそれが一番の幸せやと思う。
そのためにはアレをやらないと。これを叶えないと。こんな風に生きないと。
ってそんなのがありすぎたんかな。
理想が積み上がっていった。
毎日笑ってることとか。誰かに愛してもらうこととか。
誰かを助ける余裕をもっていられること。
時には泣いて「もう無理です!」って訴えること。
そしてそれを誰かに受け止めてもらえること。
平凡な幸せってすごく難しいことなんやな。
ある日、"ヌルッ"としてん。
滑ったんや。
なんか息継ぎができなくなった。日々を区切れなくなった。
痛いとか悲しいとか考えるところが麻痺した。
そしたらなんにも怖くなくなった。
恐れるのは守りたいからやし、悔しいのは進みたいからやねんな。
死にたいのは生きてるからやな。
叩き壊した。自己嫌悪する部分に自ら飛び込んでた。
ゲラゲラ笑った。息継ぎもせずに喋った。眠らずに歩いた。
膜の中で動くことも出来ずにコントロールのきかない自分を見ているようやった。
すっごい、疲れたんやとおもう。
この【カモメ】の歌詞、無骨なギターの音。
限界をいつのまにか過ぎてしまった人に聴いてもらいたいなって思う。
背中を押す唄も、とんでもなく悲しい唄も平気でシャットアウトしちゃう。
っていうか流れてることに気付けない。なんっにも聴きたくなかった。
優しい言葉も、抱きしめてくれる腕も、見えなかった。
目の前でポロッて落ちていくように全部忘れた。忘れた。
ほんまにね、「ダンボール箱の中にとじこもったんだよ。」
なんやったんやろう。
あの数週間ってなんやったんやろう。
振り返ると一瞬やったけど。
あ、もうなんか壊れたなって生まれて初めて思った。
と、そんな瞬間が何故かあったなー。
びっくりしたわ!!!
いつかのあの日、あの時めちゃくちゃ怖かったことを認めよう。
悲しかったことを無理にプラスに考えるのんやめよう。
ショックを受けるより怒って次いくタイプ!! なんて勘違いやった。
あんなことされたくなかった。あんなもの見たくなかった。嫌やった。
こんな自分になりたくなかった。
上手なやり方はよくわかりません。
ちゃんと傷になってた。小さいのから大きいのまで全部。
特に唄をはじめた14歳からの12年間。
うたうためにいろいろ押し殺した。自分で勝手に。
自分の中でルールも作ったのが増えすぎてあかんかった。
26年ぽっちって思い続けてきたけど26年も歩いてきたんや。
長くはないけど、今の私にとっての一生やったんやな。
そう思ったら、たった数週間だけで、生まれ変わったみたいな朝を迎えられたことは
なんてラッキーやったんやろうと思う。
確実にひとつ固まりなおした。
潔癖なところがあって正論ばっかりぶつけてたけど、そうもいかんよな。
一生懸命走れば走るほど意味不明な方向に進んでることってあるよな。
全てに理由と意思が付属してるわけじゃないし、どうしてもわからないときがあるよな。
自分が誰かに向けて言った言葉、あんなん言ってごめんって思った。
もう少しの我慢! まだ大丈夫! 頑張ればなんとかなる!って押さえつけた14歳の自分に申し訳なかったねって思った。
なんかようわからん文でごめんや。
なにはともあれ、いつになく晴れ晴れしい。肩が軽い。
よかったーーー!!!
今、ここに、いられて。
あの数週間ってなんやったんやろう。
振り返ると一瞬やったけど。
あ、もうなんか壊れたなって生まれて初めて思った。
と、そんな瞬間が何故かあったなー。
びっくりしたわ!!!
いつかのあの日、あの時めちゃくちゃ怖かったことを認めよう。
悲しかったことを無理にプラスに考えるのんやめよう。
ショックを受けるより怒って次いくタイプ!! なんて勘違いやった。
あんなことされたくなかった。あんなもの見たくなかった。嫌やった。
こんな自分になりたくなかった。
上手なやり方はよくわかりません。
ちゃんと傷になってた。小さいのから大きいのまで全部。
特に唄をはじめた14歳からの12年間。
うたうためにいろいろ押し殺した。自分で勝手に。
自分の中でルールも作ったのが増えすぎてあかんかった。
26年ぽっちって思い続けてきたけど26年も歩いてきたんや。
長くはないけど、今の私にとっての一生やったんやな。
そう思ったら、たった数週間だけで、生まれ変わったみたいな朝を迎えられたことは
なんてラッキーやったんやろうと思う。
確実にひとつ固まりなおした。
潔癖なところがあって正論ばっかりぶつけてたけど、そうもいかんよな。
一生懸命走れば走るほど意味不明な方向に進んでることってあるよな。
全てに理由と意思が付属してるわけじゃないし、どうしてもわからないときがあるよな。
自分が誰かに向けて言った言葉、あんなん言ってごめんって思った。
もう少しの我慢! まだ大丈夫! 頑張ればなんとかなる!って押さえつけた14歳の自分に申し訳なかったねって思った。
なんかようわからん文でごめんや。
なにはともあれ、いつになく晴れ晴れしい。肩が軽い。
よかったーーー!!!
今、ここに、いられて。