L→R 対馬祥太郎(Dr)、坂倉心悟(Ba)、古村大介(Gu)、光村龍哉(Vo&Gu)

L→R 対馬祥太郎(Dr)、坂倉心悟(Ba)、古村大介(Gu)、光村龍哉(Vo&Gu)

【NICO Touches the Walls】バンド名
に“壁”って言葉が入っていることを
初めて意識した

“壁”は見方を変えれば めちゃめちゃ
ポジティブなもの

今までにない要素というポイントで、他に印象深い曲はありますか?

対馬
俺も今までにない挑戦としては、歌詞を書いてみたりっていうのが今回はあって。メンバー個人個人、それぞれの“壁”みたいなものとずっと闘ってたりはしたんですけど、俺はその中でも思いっ切り“壁”を破ってみたというか。

「紅い爪」ですね。この歌詞は確かに“壁”を破った感じで…。《煌びやかなドレス ハイヒールの足音》なんていうフレーズが、まさか初作詞の作品で出てくるとは(笑)。

対馬
(笑)。こういう言葉をみっちゃんが歌ってるのにも、すごく新鮮さを感じたり。自分の世界をみっちゃんが歌うことで生まれる新しい反応は、良い経験になりました。
光村
うん。こんなに繊細な女心は今の俺には描けないなって。しかも、作詞初挑戦にもかかわらず、このまとまりようはすごいなと思ったり。あの独特な色気は、まるでフランス映画を観ているような気持ちで歌ってましたけど(笑)。
古村
そういう自分たちの中での流行りとか、その時の熱量とか…“今の自分たち”を詰め込めた実感はすごくありますね。なおかつ、“叫び”とか“壁”っていうテーマはバンド名にリンクしているところがあったんで、曲を作りながらそういうものがどんどん塊になっていく感覚はありました。

今の話の“叫び”、そしてバンド名にもある“壁”っていう重要なキーワードを、今あえてタイトルにした理由は?

光村
それは、自分たちのバンド名の中に“壁”っていう言葉が入っていることを初めて意識したからなんですよね。自分たちにしか作れないロックって何だろうなってずっと探してた中で、今まではバンド名として背負ってるのに“壁”っていうキーワードをきちんと描いてなかったなって改めて意識したというか。というのがきっかけで、今回の歌詞はどの曲も“狭間”っていうものをテーマに書いたんです。

何かと何かの“狭間”で“叫ぶ”。それこそ自分の前に立ちはだかってる“壁”に向かって“叫ぶ”ような…。

光村
そう。今までの曲も、そういう“狭間”でもがいている姿を描く曲がすごく多くて。その自分たちがずっとやってきたことと、これからやっていくことの理由が、この一枚のアルバムを作ろうとした時に改めて見付かったからこそ挑んでみたかったテーマだったんですよ、“壁”は。

その“壁”は「夢1号」でも歌っていたんですよね。《立ちは だかったのは 蒼く高い壁》って。何かの“壁”を超えようともがくことは、誰の人生にもきっとあるものですよね。

光村
そうですね。このバンド名を付けた時も、壁にぶち当たるっていうネガティブな意味での壁っていうよりも、壁が自分を外のいろんなものから守ってくれたり、疲れた時に寄りかかれたり、見方を変えればめちゃめちゃポジティブなものなんじゃないかっていうのが、このバンド名を付けた由来のひとつだったんで。そういうものをきちんと音楽で表現したことなかったのは、自分たちでも不思議だったんですけど。5枚目にしてちょっと遅いですけど(笑)、やってみるべきじゃないかと思ったんです。

そして、初回生産限定盤はすごいボリューム! メンバーが“壁”にペイントしたカラーリングもフィーチャーしたアートブック仕様、見応えありますね。

坂倉
アルバムジャケットのイメージを話してる時から、こういういろんな色が混ざり合ってるようなイメージがあったんです。それをみんながいざ描いてみて、アルバムのイメージを体現できたんじゃないかと思いますね。で、実はこれ、顔なんですよ。表紙は一枚の絵としては顔を描いていて、これはその顔の左目の部分なんです。絵の具はあんまり触ったことなかったんで、右目の部分を描いてみて“ちょっと違うかな…”と思って、“じゃあ、左目をもっとこんな感じに…”って描いたのをそのまま採用してもらったっていう。

へぇーっ! そのイメージ、現物をじっくり見て再確認させてもらいたいです。

光村
イメージ、僕も今、初めて聞きました(笑)。
坂倉
(笑)。打ち合わせしてる時、それ、言ってたよ。
光村・古村・対馬
そうなんだ!?
光村
全然聞いてなかった(笑)。でも、力強い絵だなと思ってた。中身にも他の3人が描いた絵とか…。本当に落書きみたいなのも含めて(笑)、全部で64ページ、今までで一番楽しいブックレットになったと思います。

で、その初回盤のDVDには、前アルバム『HUMANIA』に続いてアコースティックセッション『アコタッチと呼んでみて☆』を収録。

光村
おまけDVDとして楽しんでもらいたいので前回と同じことをやるんじゃ面白くないよねっていうことで、僕たちが普段使ってたスタジオで、真夜中、誰もいなくなってから好きなとこで録っちゃおうっていう。しかも、今回はタイトルが“Shout to the Walls!”だし、そのスタジオが結構カッコ良い“壁”がいっぱいあったんで、いろんな“壁”の前で演奏しちゃうって楽しそうだよね、なんて言いながらやってたんですけどね。エレベーターの中で歌ってたり、結構あり得ないシュールな感じの映像もあるんですけど(笑)。

4人での演奏の「April」あり、そして、光村くんひとりの弾き語りでの「夢1号」もありと。今回のアルバムは本当に自由な音色がありますけど、それを裸にすると、どれもこういう綺麗なメロディーが軸になっているんだなって改めて感じました。NICO Touches the Wallsの骨格の部分が見えるような。

光村
あぁーっ。そうですね、うん。歌モノっていう部分はずっと一貫して持ち続けているものなんで、それを軸に、もう本当に何をやっても良いなっていう思いもあるし。さっきも話しましたけど、自分たちの中に“壁”がある限り、それをちゃんと音楽に変換して演奏し続けられるようなバンドでいたいって気付くきっかけになった一枚だと思うんです。このアルバムで“NICO、ちゃんと始まったな!”っていうか…5枚目にして言うのも何なんですけど(笑)、そういう実感が、なんか初めて持てた気がするかもしれないです。
『Shout to the Walls!』2013年04月24日発売Ki/oon Music
    • 初回生産限定盤(DVD 付)
    • KSCL-2223〜4 3500円
    • アートブック仕様(64P)illustrated by NICO Touches the Walls NICO Touches the Walls Acoustic Sessions 「アコタッチと呼んでみて☆vol.2~真夜中のスタジオ編~」
    • 通常初回仕様限定盤
    • KSCL-2225 2800円
    • ※紙ジャケット仕様
NICO Touches the Walls プロフィール

ニコ・タッチズ・ザ・ウォールズ: 2004年結成。07年11月にミニアルバム『How are you?』でメジャーデビュー。09年11月には2ndアルバム『オーロラ』を発表。同作リリースツアーの追加公演で、翌年3月にバンド史上初の日本武道館公演を行なう。その後も精力的に活動を続け、14年8月に“リベンジ”を掲げて2度目となる日本武道館でのライヴを敢行し、見事即日完売を果たし大成功を収めた。NICO Touches the Walls オフィシャルHP
NICO Touches the Walls オフィシャルHP
Ki/oon Music

OKMusic編集部

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