【miwa】音楽でやっていくという決意
が詰まっているんです
原点と未来が同居した 面白いアルバム
になりました
それにしても、アルバム曲はサウンドも歌詞もすごく遊び心の多い曲が並びますね。中で「My Best Friend」はとてもナチュラルで驚きました。
この曲は18歳の時に、友達のために作った楽曲なんです。高校生の時は進学校だったこともあって、私が音楽活動をしていることを誰にも言っていなかったんですよね。でも、卒業する時に、大切な友達にこの音源をCD に焼いて、音楽活動をしていることを打ち明けたんです。実は、この音源はその時のアコギと歌声をそのまま使っているんですよ。
その時点でもうすでに完成されていたんですね。
そうですね。この時の状況も環境も全部、アコギと歌声に反映されているんです。なので、今歌い直したらまったく違う曲になったと思うんですよね。それでは意味がないので、バンジョーをちょっとだけ付け加えたアレンジにして収録しました。
どうして、今のタイミングでこの原点ともなるべき曲を収録しようとしたのですか?
実は最初はこの曲を入れるはずではなかったんですよ。でも、武道館公演と翌日の下北沢LOFTのライヴに、この音源を渡した友達が観に来てくれたんです。その彼女がこの曲を今でもすごく大事にしているというのを聴いて、すごく嬉しかったんですよね。そう思った時に、このアルバムに原点ともなるべきこの曲と、新しく未来が見えた「ヒカリへ」が入ったらすごく面白いなって思ったんです。
確かに、すごくキー曲になっていますよね。
本当に、びっくりするほどハマってくれたんです。最後には、この曲が入って本当に良かったなって思いました。
この曲の他に書いていて楽しかった曲はありますか?
「321」かな。この歌詞は今までにないくらい言葉遊びのような面白い言葉が詰め込めたんです。“一発命中”とかも、語呂がいいけど普段は使わないですよね。この感覚が面白くて、作っていてすごく印象的でした。
サウンドもライヴですごく盛り上がりそうですね。
そこはすごく意識しました。ライヴで盛り上がるメジャーアップな曲が欲しいと思って作ったんです。今からライヴで演奏するのがすごく楽しみなんですよね。
あとは、個人的にmiwaさんの深層心理が描かれている のが「Sparrow」だと思ったのですが。すごく強い意志を感じました。これはいつ頃作られたのですか?
だいぶ前に作った曲ですね。作った時には、新しい扉を開きたい、新しいステップにいきたいという思いが強かったんです。でも、自分の物差しと他人の物差しって違っていて、誰かにとっての正しさって人それぞれで、ひとつの基準では図り切れないものがあるなって思ったことを歌詞にしたんです。
アルバムを作ってから少し時間が経って、考え方が大人になったなって思うことはありますか?
う~ん…。波があるかな。そう思う時もあるし、他人の目は気にしないって思う時もあるし。その波の上で曲が生まれているんだなって思うことは増えましたね。
となると、曲作りのスランプはあまりない?
ないんですよね。今回はNaoki-Tさんと共同で楽曲制作をやらせてもらったんですが、これがすごく楽しかったんです。もともと曲作りは好きなので、違う曲調を同時進行で作ることに関しては悩みませんでしたね。
共同で作ると、今までにない刺激があると思うのですが。
そうですね。Naoki-Tさんは、私がデビューの頃から一緒にやっているからこそ、何も言わなくても鳴らしたい音楽のツボが分かり合えるんです。それに、今までマスタリングやアレンジの場に全部立ち会ってきたからこそ、できることやできないことも分かってきて、自分でも“こうしたいああしたい”ということが具体的に言えるようになってきたんですよね。そうなると、曲がどんどん理想に近付いてくれるので、すごく楽しいんです。
そんな素敵な環境で生まれたアルバムのタイトルが“Delight”。これはタイトル曲が先に生まれたのですか?
はい。このアルバム制作期間に入って、最初にできた曲が「Delight」なんです。その時に、「ヒカリへ」よりも新しく、先にいくような曲を作りたいと思っていたんですよね。
もっと挑戦したい、と。
はい。最初に言ったように「ヒカリへ」を受け入れてくれたことに背中を押されて、もっとやってみたいことを具体化しても大丈夫だと思えたんです。でも、作っていくうちにすごいスケールの大きな曲になったので、歌詞に対するプレッシャーは大きかったですね。最初の3音に何をはめ込むかで、この曲が決まるなって思ったんです。
歌詞はとても強い言葉が並びますよね。
この曲は他のどの曲よりも言葉を慎重に選びながら、丁寧に作りました。そうやって作っていくうちに、この新しくできた曲の中で、もう一度しっかり決意表明をするような曲を作る時なんだなって思ったんです。
大学を卒業して最初のアルバムになりますからね。
そうなんです。大学を卒業して、友達もさまざまなところに就職をして、新たなスタートを切った今、私自身は改めて“音楽をやっていくんだよな”って覚悟を決めたというか。その思いをそのまましっかり詰め込んだ曲になりました。
では、タイトルである“Delight”の意味を教えてもらえますか?
この“Delight”って“歓喜”や“人を喜ばせる”という意味を持っているんです。このアルバムが届いた人に喜びを与えられるものだったらいいなって思ったし、さらにその喜びが広がるものだったら素敵だなって思って付けました。
音楽性もすごく広がりましたしね。
今までのやりたかったことが全て爆発したような感じなんです。とはいえ、この曲たちをライヴでやるのは相当大変だなと思うのでそこだけが心配ですね(笑)。
楽しみにしています(笑)。さて、miwaさん自身の新生活はどんな感じですごしていますか?
それが、スタートとなる4月は、このアルバム制作で本当に忙しくて…(苦笑)。
まったく新生活を味わえてない!?
はい(笑)。でも、友達の話をメールなどで聞いていると、研修期間の子が多いんです。それが辛かったり、暇だったりするっていう話を聞くと、今まで同じ枠にいたのに、まったく違う生活をしているんだなと感じます。
まぁ、miwaさんは新社会人とはちょっと違いますよね。
そうみたいです(笑)。友達にも“私も新社会人なのに!”って言ったら“あなたはもう4年目でしょう!”って言われちゃって(笑)。
(笑)。少し落ち着いたのなら、今は何をしたいですか?
いっぱいあったんですけど、あまりに忙しいと忘れてきちゃうんです(笑)。でも、ライヴにはちゃんといきたいですね。そこで受けた影響を、さらに曲に反映させていけたらなって思うんです。
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『Delight』2013年05月22日発売Sony Music Records
- 初回生産限定盤(DVD 付)
- SRCL-8297 3800円
1990年6月15日生まれ、東京都出身の女性シンガーソングライター。音楽好きな父親の影響でいつも音楽が身近にある環境で育ち、15歳から曲を書くようになる。2010年に1stシングル「don't cry anymore」でメジャーデビュー。同年4月にニッポン放送『miwaのオールナイトニッポンR』がスタートし、8月にカバー曲「僕が僕であるために」(原曲:尾崎豊)、「青空」(原曲:THE BLUE HEARTS)をデジタル・リリースした。11年1月、『第25回日本ゴールドディスク大賞』にてザ・ベスト5ニュー・アーティストを受賞。2月発表した5thシングル「春になったら」は、期間限定でJR東日本山手線原宿駅の発車メロディに起用された。同年4月にニッポン放送『miwaのオールナイトニッポン』が放送開始。同月に発売した1stアルバム『guitarissimo』はオリコン週間チャート1位にランクインした。12年3月に『COTTON USA』のイメージ・キャラクターに抜擢され、8月にシングル「ヒカリへ」をリリース。13年1月に発表した10thシングル「ホイッスル~君と過ごした日々~」は『第91回全国高等学校サッカー選手権大会』の応援歌に決定。3月に自身初となる武道館公演『miwa live at 武道館 ~卒業式~』を実施し、12月に『NHK紅白歌合戦』初出場を果たした。14年2月に13枚目となるシングル「Faith」を発表。3月に『miwa spring concert 2014 "渋谷物語~完~"』と題し、国立代々木競技場第一体育館にて2日間連続単独公演を実施した。miwa オフィシャルHP