【NICO Touches the Walls】新たな輝
きを放つ不滅のナンバー
もっともっと攻めていきたい そういう
意思表示でもあります
「手をたたけ」とか「THE BUNGY」は、お客さんに手拍子で参加してもらうライヴの画が浮かびますね。
光村
「手をたたけ」はトリプルドラムで、僕はアコギを弾いて歌っているから、ライヴでやるとすると誰も手を叩けない状態なんです。
坂倉
メンバーはみんな、手がふさがっていますからね。ドラムは3人も叩いている状態なんですけど。
光村
必然的にライヴでは手拍子をお客さんに任せることになると思います。トリプルドラムというのも今回大きかったですね。レコーディングとプリプロ期間中の8割方、この人たち(古村、坂倉、対馬)はドラムの練習をしていましたから。
光村
町のスタジオを予約して、3時間とか練習したり。
対馬
スタジオの店員さんに、“スネアとスタンドをふたつずつ貸してください”とか頼んで。そんなの普通はないですよね。よく対応してくれたなと。
光村
対馬くんはフルセットのドラム。ふたり(古村と坂倉)はスネアとタム。3人で叩いているのが、僕から見ると猿山のボス猿と子猿に見えるんですよね。
対馬
“このマメをつぶそうか迷ってる”って言われて、“甘い! マメをつぶしながら叩いて、またマメを作るんだ!”と。
古村
“そうすると血マメになるから”と言ってました(笑)。
(笑)。新鮮な編成もいろいろ試みたんですね。
光村
そういうことになります。「ホログラム」なんて、ベースが入っていないですし。
対馬
真剣な目で僕を見ながら叩いていましたよ(笑)。やっぱりぬるくやっても楽しくない。ちょっと難しいくらいのことをしないと面白みがないんです。
どの曲もすごくいい演奏ですよ。「天地ガエシ」や「夢1号」や「芽」とかグッときました。
光村
僕、裏声が苦手なんですけど、歌に関してもいろいろチャレンジをしました。やっていく中で身になったものもたくさんあります。
ハーモニカも活躍していますね。
光村
「THE BUNGY」と「天地ガエシ」と「Diver」。フルくん、レコーディングで頑張って吹いていましたよ。
古村
あんなに肺を使ったの初めてかも。酸欠みたいな感じになりましたけど(笑)。
(笑)。アコースティックのアレンジは、各々の曲の良さを改めて噛み締められる楽しさもありました。
光村
この企画をやりながら“アレンジを変えると、また違った聴こえ方になるんだな”っていうのを自分でも感じました。特に「芽」はリベンジ感みたいなのがありますね。どうしてもこのアルバムに入れたくて。“もっと評価されていいはず”っていう想いがずっとあったので。「ホログラム」も今回みたいにテンポを落とすと、メロディーにこだわって作っていることがより伝わると思います。
「Broken Youth」のアコースティックアレンジ、ものすごくハマっていますね。
光村
僕も気に入っています。こっちのバージョンをやると、もともとのバージョンに戻れない気がするくらい(笑)。ライヴのセットリストでいつか「Broken Youth」が2回出てくる時があるかもと思うくらいですよ。
「バイシクル」に関しては、いかがですか?
光村
この曲は去年の武道館でもこういうアレンジで、途中からバンドが入ってくる感じだったんですよね。今、ひとりで歌っていて一番気持ち良い曲なんです。ある日の夜中にひとりでこっそり録りました。でも…録る前日の夜中に、ハーモニカを初めて分解して掃除をしてみたんです。そこでハーモニカのリードで指を切っちゃって。「バイシクル」はスリーフィンガー(3本の指でギターを爪弾く奏法)だから困りましたよ。確か、2番のBメロでGコードをジャランと弾いた瞬間に人差し指の傷口がパックリ開いて(笑)。そこの部分を聴く度に、人差し指の古傷が痛みます。
今回の制作エピソード、血マメとか酸欠とか傷口パックリとか、涙ぐましい話がいろいろ出てきますが(笑)。
光村
ほんと、ドラマはいっぱいありました。バンドとしてようやくそういうドラマをリアルに作品として出せるようになったのかなと。そんなことも思っています。今のこのバンド、弾けた感じがあるので、この感じでもっともっと攻めていきたいなと。そういう意思表示としても、このアルバムは究極の武器ですね。今の僕ら、猿山からめちゃくちゃ狼煙が上がっていますよ(笑)。
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『Howdy!! We are ACO Touches the Walls』2015年02月04日発売Ki/oon Music
- 【初回生産限定盤(DVD付)】
- KSCL-2543~4 3960円
- 【完全生産限定盤(アナログ)】
- KSJL-6178 3960円