L→R KOHKI(Gu)、RONZI(Dr)、TOSHI-LOW(Vo)、MAKOTO(Ba)

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【BRAHMAN】異端という名の王道を駆
け抜けた20年間の軌跡

異端なものになったと思っていたら 実
はどストレートなことをやっていた

DISC 1の“THE EARLY 10 YEARS”を聴いていて、古いとか懐かしいとか、そういう感情は一切沸かなかったんですよ。なぜかと言うと、ライヴで今もやっている曲ばかりだから。

そうですね。

全部生きてる曲だなというのが、僕の感想です。歌えない曲とかないでしょ?

どういうこと?

今聴くと、歌詞が恥ずかしいとか。

恥ずかしいのも自分だからね。中学生の時の自分をなかったことにして、人生を再構築できないでしょう。でも、恥ずかしくならないように作ってきたと思うよ。その都度その都度、流行りというものがいっぱいあって、それを横目で見てれば、流行りに乗った人がポーンと売れていくから、うらやましかったですよ、それは。でも、流行りに乗ってしまうことのほうが、むしろ恥ずかしいでしょう。そういう人たちは今、いないですからね。

ですね。

一番カッコ良いとか、一番新しいものって、次の瞬間、一番ダサいものになるじゃないですか。最近思うのは…逆に、自分たちで狙ったダサさって、カッコ良いなと思うんですよ。“ダサい”という言葉はおかしいかもしれないけど、俺らで言うところの、泥臭さや、汗っぽかったりする部分は、突き詰めていけば、カッコ良いところなんじゃないかな?と思うところもあって。

はい。

でも、一番初めにカッコ付けてしまうと、一番ダサくなる。実は一番新しいものが一番古いものを含んでいたり、裏も表も全部混在してるわけじゃないですか。それと一緒で、作られたカッコ良いものは、一番カッコ悪いと思っちゃう。だとすれば、それを全部ひっくるめて、ダサいところも味にするみたいな感じにすれば、料理としての完成度も上がるわけだし。ただ甘いとか、ただ辛いとかじゃなくて、その背後にあるものを全部ひっくるめて、初めから自分たちでやっているという意識はあります。スタジオで“これ、ダサっ!”とか、よく言ったりするし。

あはは。そうなんですか?

でも、そこらへんにグッときたりするから。自分たちでも分からないですよ。今作ってる曲があるんだけど、すごいベタベタの8ビートなんですよ。ただズンズン言ってるだけ。超カッコ悪いですよ(笑)。でも、グッとくるんですよ。それをうまく使って、自分たちのものにできたらいいなと。

「其限」のシャッフルのビートもダサいとは言わないけど、ベタといえばベタですよね。でも、今のBRAHMANがやるとものすごくカッコ良い。

ああいう使い方ですよね。「賽の河原」を作った時に、最初に俺が“こんなリズムがいい”と言って提案したんだけど、“超ダサい”“嫌だよこんなの”って言われたからね(笑)。

あのイントロですね。だんだん速くなるやつ。

あれだけ聴いたら、確かにダサい(笑)。でも、なんか、グッとくるものがあるんですよ。たぶんそれが一番ハイブリッドだった時代があって、そこにずっとキラキラしてるものを感じちゃうんでしょうね。それを懐古趣味じゃなく、今の俺たちがやったらどうなるだろう?って。

分かります。例えば、DISC1のラストに入ってる「THE SAME」とか、あのスカパンクっぽいビートはダサいと言えばダサイけど、今聴いてもカッコ良いですよ。

この曲なんか、当時からダサいと言ってたから(笑)。“何、このポルカみたいなリズム”って(笑)。そこから一気にガシャン!ってなる展開も、無理矢理だねとか言われたけど。

そういう再発見、結構あったんですよ。DISC 2の“THE LAST 10 YEARS”の「A WHITE DEEP MORNING」のシャッフルのビートを聴いて、「其限」の前にもこの曲があったのかと思ったし。

そうなんですよ。実はずーっとつながってるというか、いろんなことをやってたんだなというのは、自分たちでもすごく感じますね。自分たちで、ものすごく異端なもの、異形なものになってしまったなと思っていたら、意外にすごくベーシックなことをやっていて、“あれっ?”と思った。意外にどストレートなことをやってたんだなって。

そういうことが分かる意味でも、今この“まとめアルバム”を出すのはすごい価値があると思います。

俺たちの曲の、ほとんど半分だしね。

そうなんですよね。何せ20年でフルアルバム6枚のバンドなんで(笑)。インディーズの再録音盤も入れて。

でも、これぐらいで良かったなと思いますよ。これ以上無理矢理作ってたら、こうはならなかったんだろうな。これが何倍にも薄められて、ダサいということすら薄められて。ちょっとダサいって、一番ダサいじゃないですか。ちょっとだけチェック柄みたいな。折り返したらチェックが見えるとか、超ダサい(笑)。だったらチェックにしろよって。

ですね(笑)。

インパクトが残るぐらいにダサいほうが、次の何かにつながりますからね。それこそ最近のKjの髪型ですよ。

何ですかそれ。

俺が5〜6年ぐらい前に髪を半剃りにした時に、ダサいってさんざん言われたんですよ。でも、最近似たような髪型してる奴がいっぱいいて。Kjとか。だから、そういうことですよ(笑)。

そして、今後のライヴですけど、スケジュール見てびっくりしましたよ。8月9日の下北沢SHELTERから、下北沢CLUB 251、新宿ANTIKNOCKって。今ここでやりますか?

BRAHMANが始まった日ですからね。まさに20年前のこの日、この会場ですよ。たまたま手帳が残ってて、俺らのライヴの99パーセントぐらいはデータがあるんだけど、それを見たスタッフが“やらない?”って言い出して。“マジで?”って思ったけど、やってもいいかなと思ったんですよ。どうせなら対バンも当時と同じにしようって、声をかけてるんだけど。姿形も変わっちゃったバンドもいるけど、20年前に一緒に声を出した人たちと、できればやりたいなと。

それが実現したら、すごいですよ。さすがに感慨深いものになると思います。

変わんないんじゃないですか? そんなに。だって、今もツアーで、同じようなところでやってるから。

確かに。そして9~10月の大型ライヴハウスツアーを経て、ラストが“~尽未来祭~”と題した、11月14日と15日の幕張メッセ。ここも、ゲストをたくさん呼ぶんですよね。

呼びます。祭りにしますよ。絶対来てください。
『尽未来際』2015年08月12日発売TOY’S FACTORY
    • 【初回限定盤 A(20th Anniversary Edition)】
    • TFCC-86528 12000円
    • ※プレミアムBOX、2CD、2DVD、写真集、DEMO TAPE
    • 【初回限定盤 B】
    • TFCC-86529 4500円
    • ※2CD、2DVD
    • 【通常盤】
    • TFCC-86530 3000円
    • ※2CD
BRAHMAN プロフィール

ブラフマン:1995年、都内を中心にライヴ活動をスタート。96年に『grope our way』を発表(現在廃盤)。1stアルバム『A MAN OF THE WORLD』がインディーズ史上、異例の60万枚以上のロングセールスを記録。シングル「deep/arrival time」でメジャーデビューを果たす。徹底した激しいライヴスタイルとその存在感は他の追随を許さないバンドとして、熱狂的にオーディエンスやバンドから支持されている。21年Zepp ツアー『Tour 2021 -Slow Dance-』と連動したコンセプチュアルな作品「Slow Dance」を9月22日にリリースする。BRAHMAN オフィシャルHP

OKMusic編集部

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