【GRANRODEO】GRANRODEOと関わって、
これからの人生バラ色じゃん！

今回は2曲新曲を入れるのは決まっていたし、それで出てきたのがアッパーとバラードだったから、2曲とも歌詞のテーマは“ディケイド”（10年紀）にしようと。GRANRODEOのこれまでの10年と、これからの10年にしようと思いました。例えばファンとか、今まで一緒にやってきた仲間…自分らも含めて、そういうみんなの“これから”というものが、ちょっとでも出ればいいなと思って。それと普段は滅多に感謝の気持ちなんか言葉にはしないんだけど、今回はいい機会だと思ったから、そういうメッセージも込めていますね。それは2曲ともそうなんだけど。バラードの「今より先を」のほうは曲調がシリアスだから、いつもの言葉遊びを封印するというルールを自分の中で設けて書いたんです。やっぱりそれなりのいいことを言いたいし、ちゃんと真摯に言葉を紡いでいこうと。そういう責任みたいなものを、勝手に自分で感じてしまって。だから、結構難産ではありましたね。

まぁ、そうですかね…。それにシンプルに書いていくと、どんどんありきたりになってしまうんですよね。すでにあるような言葉になってしまいがちだったんで、そうならないようにするのに苦労したわけですよ。だいたいどんなアーティストさんでも、何周年とかのタイミングでこういうテーマの曲を作っているから、そうするとどれも似通ってしまいがちなんですよね。そういうのは嫌だなと思いながら、自分の中で何とか工夫しながら書き上げた感じです。なので、一応自分が思っていることは、ちゃんと書けたと思ってる。10周年の一個のくさびとして、こういう曲があるというのもいいんじゃないかと。何年かしてから、“そういえば10周年の時に「今より先を」って歌ってたね”って言ってもらえるものになればいいかなと。

そうなっていればいいですけどね。バラードなので、とにかく情緒豊かに歌えばいいだろうっていう感じでした。本当なら“歌いながらいろんな想いが込み上げてきました”と言えば美しいんでしょうけど、それを言うと嘘になってしまうので（笑）。

そうですよ。突然ウッとなって、泣いてるかもしれないですし（笑）。

前にMV集を出した時に、「Beautiful world」という曲でツアーを全部追うみたいなMVを作ったんですけど、それみたいな感じです。最初のライヴをはじめ、全部のツアーからライヴ映像を使っているという。8年前のデビューライヴの映像なんか、すごく貴重だと思います。

懐かしいですよね、単純に。e-ZUKAさんが若いとか。最近のファンにとっては、こんな時期もあったんだ〜って、結構面白いんじゃないかな。

あと、これも言っておかないといけないんだけど、「慟哭ノ雨」という曲だけは、ヴォーカルを再録しています。

気分です（笑）。8年前の声ですし、僕の中ではたどたどしさを感じてしまったので、デビューから10年経って40歳になったKISHOWの今の声で、「慟哭ノ雨」をレコーディングしたらどうなるかな？という単純な興味があったんですよ。そういう曲は他にもあるけど、端から全部録り直してもしょうがないので。とりあえず「慟哭ノ雨」は初期からみんなに愛されていて、ライヴでも人気だし、歌い方も決まってきていたので、今バツッと密封したいと思って、僕たっての希望で録り直しました。

オケはそのままですけどね。ミックスは若干変更しましたけど。表記的に何とかバージョンとか特に明記してあるわけじゃないから、これも気付くかどうか分からないと思うので言っておきました（笑）。

アルバムバージョンですね。そういう意味で言うと、「変幻自在のマジカルスター」もアルバムバージョンです。だから、シングルを持っていてアルバムを持っていない人は、ぜひ聴いていただきたいです。

実は「慟哭ノ雨」にするか、「delight song」にするか迷ったんです。「delight」は歌詞に《10年先》というワードが入っているので、意味合いが強いんです。だから、相応しいなと思って、今回のベストには絶対入れようと。それにあたって「delight」を歌い直そうという案もあったんだけど、1曲選ぶとなるとどうしても「慟哭ノ雨」になっちゃいました。「delight song」は、伊藤真澄さんのアルバム『Heart of Magic Garden2』の中で、伊藤さんのアコースティックアレンジで歌い直していて、“一度やってるから、まぁいっか”と。

いやいや、あまりやってもカッコ悪いんでね（笑）。