「大奥」1巻・表紙 よしながふみ/白泉社

「大奥」1巻・表紙 よしながふみ/白泉社
最近は、アニメ化されるマンガが多くなってきていますね。
そんな中、読み応えがある長編マンガを5つ、ご紹介します!

ゆっくり、じっくり読み進めてみて下さい!

産婦人科の悲喜を描く「コウノドリ」

表の顔は産婦人科医、裏の顔は名ピアニスト「ベイビー」である、鴻鳥(こうのとり)サクラ。

産婦人科や出産を扱うマンガであるにもかかわらず、男性誌で連載されていることが話題になりましたね。

出産にまつわるさまざまなケース(逆子・帝王切開・死産・不妊など)を、ノンフィクションか!というほど、リアルに描いており、読み応え十分です。

命が生まれ、時に消えゆく産婦人科の日常は淡々としているのに、とてもドラマチック。

自分が無事に産まれたことが、奇跡のように感じられます。
綾野剛さん主演で、ドラマ化もされた原作をぜひチェックしてみてください。

男女逆転「大奥」は映画化後も面白い!
 

2010年に最初の実写化が行われた、よしながふみの「大奥」。

男性のみが発症する奇病・赤面疱瘡のため、男性の数が女性の4分の1にまで減ってしまった日本で、女性が将軍として君臨する江戸幕府を描いた、架空の歴史マンガです。

えええ!?という設定ですが、案外違和感はありません。
本当に入れ替わっていたのかもしれないなと思えるほど、史実と矛盾しないよう、緻密に描かれています。

と同時に、教科書でしか見たことのなかった人物が悩み、恋をし、成長(あるいは堕落)して、歴史に名を残すまでの人間らしい過程を読めるという、歴史ものならではの醍醐味も味わえます。

最新巻では、いよいよ赤面疱瘡の種痘が開始。
黒船も来航し、まもなく江戸時代が終わります。

「大奥」が、どのような結末を迎えるのか、これからも目が離せません。

「宇宙兄弟」シリアスだけが骨太漫画じ
ゃない!

読むと元気が出るマンガ「宇宙兄弟」。

幼い頃に見たUFOがきっかけで、宇宙飛行士を目指した南波六太(ムッタ)・日々人兄弟が、紆余曲折を経て宇宙飛行士となり、奮闘する姿を描いています。

笑える要素が各所にあり、家以外の場所で読むと危険なレベルで、面白いマンガなのですが、皆さんお気づきでしょうか。

このマンガに出てくる人たちは、みな夢や目標があり、それぞれのペースで、着実に前進しているということに。

現状を変えられないと嘆くのではなく、時につまづきながらも壁をぶち破っていく、彼らの強さからは勇気をもらえます。

また、かなり個性的なJAXAやNASAの面々を見ていると、自分ももっと自然体でいいのかも?と、落ち込んでいた気持ちも吹っ切れます。

疲れたとき、誰かに背中を押してもらいたいときにおすすめです。

羽海野チカ「3月のライオン」は骨太だ
けど、腹も減る。

将棋が題材の「3月のライオン」。
将棋に関して何の知識も無くても読めるように描かれています。

幼い頃に両親を事故で亡くした後、わずか15歳でプロ棋士となった天才・桐山零(れい)が、近所で和菓子屋を営む川本家や、高校の友人との交流から、心の傷を癒し、人間として、棋士として成長してゆく姿を描いたヒューマンドラマ。

「ハチミツとクローバー」で知られる、羽海野チカさんの作品です。

変人(というより他人とはちょっと違う人)の心情を描かせたら、右に出る者はいない彼女の作品だけあって、凡人の目からは見えない世界を楽しませてくれます。

途中、いじめも題材として扱っており、特に5巻の「だって 私のしたことはぜったい、間違ってなんかない!!」という叫びには、読者も雷に打たれたような気持ちになります。

余談ですが、山盛りの唐揚げやポテトサラダ、きつねと天ぷらが両方入った「甘やかしうどん」、あんみつアイス白玉トッピングなど、作中に登場する食べ物は、どれもとても美味しそう。

満腹の時に読まないと、食欲が…。

あのマンガ家が作者!?「ヒストリエ」は
隠れた名作

紀元前4世紀、アレクサンドロス大王が東征を行っていた時代のマケドニア王国で、王に仕えるエウメネスの一生を描く大作「ヒストリエ」。

2003年から連載が開始され、当時から異彩を放つ面白さで、2012年には手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しました。同じく岩明均作である「寄生獣」が大ヒットしたことで、再度注目を浴びています。

古代オリエントはギリシアの名家で育ち、裏切りに遭って一度は奴隷となるも、ある事件を経て、他国マケドニアの書記官となるエウメネス。

彼の最大の武器は知略。常に物事を俯瞰し、誰にも思いつかないような視点や発想で相手を翻弄しまくります。

絶対に敵にしたくないけど、歴史の波を飄々と乗りこなしてゆく姿が、とにかくかっこいい!次はどんなことを思いつくの?と、その雄姿がもっと見たくて、きっとあなたも一気読みしてしまうはず。

伏線も多いので一度読み終わったらもう一度読みたくなります。
読めば読むほど味が出る、するめのようなマンガです。
マンガだからと言って侮るべからず。
大人でも十分に楽しめる、濃いマンガがこんなにもあるのです。

実写化されているマンガも、原作を読んでみると新たな発見が、あるかもしれませんよ。
「大奥」1巻・表紙 よしながふみ/白泉社

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