ハロプロOGも登場!笑顔と涙溢れる「
Berryz工房祭り」2日目レポート

 稲場愛香の甘い歌声がかわいらしいカントリー・ガールズの『恋泥棒』、「サヴァ サヴァ」や「ダーバダ ダーバダ」のフレーズがクセになるJuice=Juiceの『Ça va? Ça va?』、ホラー映画のような世界感が楽しいアンジュルムの『乙女の逆襲』と続き、ハロプロ楽曲の幅広さを感じる。

 モーニング娘。’15は『One・Two・Three』、℃-uteは新曲『The Middle Management~女性中間管理職~』をパフォーマンス。OL風の衣装を着た℃-uteのメンバーが大人な魅力を見せてくれたところで、1部が終了。

 2部ではBerryz工房のメンバーがこれまでに参加したユニットが再結成、さらにハロプログループがBerryz工房の楽曲をカバーしていく。まずはBerryz工房と℃-uteで『超HAPPY SONG』。Berryz工房と℃-uteの曲が合体してできたこの曲は、それぞれのグループの魅力や、長い時間をともにしてきた彼女たちの仲の良さを感じられる1曲だ。

 ベリキューでのMCでは、この日の天気が話題となる。ハロプロ最強の雨女・矢島舞美が「謝ったほうがいいんじゃない?」と振られ、お決まりのアレが繰り出されると思いきや、「ごめんなさいね~」とカントリー・ガールズの『愛おしくってごめんね』の1フレーズをかわいらしく披露。それに対して「そっちか~」と嗣永が残念がっていた。

 そこからBerryz工房のメンバーがこれまで参加した、ZYX(清水・嗣永・矢島)『白いTOKYO』、あぁ!(夏焼・鈴木愛理)『正夢』、DIY♡(夏焼・徳永・矢島・中島・飯窪)『フォレフォレ ~Forest For Rest~』、ガーディアンズ4(熊井・菅井・中島)『PARTY TIME』、High-King(清水・矢島)『記憶の迷路』と一気にパフォーマンス。

 卒業したメンバーの代わりに他のメンバーが入ることがなかったので、これまでは歌っていなかったパートを聞くことが出来る、貴重な機会だった。特に『記憶の迷路』は、高橋愛田中れいなの印象が強い曲だったが、今回清水と矢島の2人でのパフォーマンスは素晴らしく、会場もかなり盛り上がっていた。

 このあとのMCでは、「キャプテン(清水)のダンスがキレキレだった!」と、徳永が清水の真似(本人はしているつもり)をする。そんな謎のダンスのあとは、ハロプログループによる、Berryz工房楽曲のカバー。この2日間の楽曲はBerryz工房がそれぞれのグループに決めたものだったよう。1日目はクールな曲が多かったが、2日目は盛り上がる楽曲が続いた。

 まずはカントリー・ガールズの『ハピネス~幸福歓迎!~』。イントロが流れた瞬間、会場が一気に沸き立つ。この1曲で天国にいるかのような幸せを味わってしまった。Juice=Juiceの『TODAY IS MY BIRTHDAY』では、スタンドマイクを持つ高木紗友希がベテラン歌手のような貫禄。ショートカットが定着してきた宮本佳林も安定のパフォーマンスを見せていた。

 続いて℃-uteの『Loving you Too much』。昨日の『もっとずっと一緒に居たかった』で見せた大人な表情とは違う、笑顔溢れるハッピーな雰囲気の楽曲だ。こぶしファクトリーとハロプロ研修生は、Berryz工房3枚目のシングル『ピリリと行こう!』を、フレッシュなパフォーマンスで見せてくれた。

 アンジュルムの『ギャグ100回分愛してください』では、かわいらしい楽曲ということもあって、福田花音や和田彩花の初期のスマイレージを思い出させるような歌声を聴くことができた。最後にモーニング娘。’15が『ジンギスカン』で会場を盛り上げる。この曲ではソロパートの鈴木香音と佐藤優樹の力強さに驚かされた。

 2部の最後は嗣永・夏焼・鈴木愛理によるユニット・Buono!が登場。1日目と同様に、『ロッタラロッタラ』『恋愛ライダー』など6曲を披露。立て続けに歌い「息切れするね」と鈴木が話すと、「特にね」と夏焼がBuono!最年長・嗣永の肩を叩く。とはいえ、嗣永と夏焼は同い年。「同じじゃん!」と嗣永が言うと、夏焼が「一緒にされたくない!」といつもの調子で拒否する姿に、会場に笑いが起きていた。

 「これから旅立つBerryz工房へ贈る歌」として最後に歌われた『タビダチの歌』では鈴木が泣いてしまい、2人が両側から優しく励ます。2番の歌いだしでは、鈴木が泣いて歌えなくなりそうなところで、マイクをしっかり持たせ、優しく「歌って」と促す嗣永の姿がとても印象的だった。

 2007年から活動してきたBuono!も、3人にとってBerryz工房や℃-uteとはまた違う、あたたかな居場所だったんだろうなと思った。


次ページは、ハロプロOGがBerryz工房との思い出を語るBerryz工房のキャプテンと℃-uteのリーダーの熱い抱擁に、大きな拍手が送られる

 2部はそんな感動的なシーンで幕を閉じ、いよいよ3部。Berryz工房のライブが始まる。まずはDJ miyaが盛り上げる『アジアン セレブレイション』、そして一気に会場が熱くなる『HAPPY!Stand Up』を披露。 Berryz工房の挨拶のあと、次の曲に行くと思いきや、ここでゲストのモーニング娘。OGの飯田香織・吉澤ひとみ・石川梨華が登場。飯田はキャプテンの清水へ大きな花束を渡し、さらに彼女たちへお手紙のプレゼントが贈られた。

 ハロー!プロジェクトキッズに合格した彼女たちとの出会いからから語られ、最後にはハロプロを支えてくれてありがとう、という感謝のメッセージが語られる。途中ではテレビ番組のクイズに答えられず、ご褒美を食べられずに須藤が泣いてしまった、というかわいらしいエピソードを交えながら、これから新たなステージへ向かう彼女たちへ優しい言葉をかけていた。

 石川からは、2002年公開の『仔犬ダンの物語』の撮影で、当時小学生の嗣永のお昼寝タイムがあったというかわいい暴露が飛び出す。さらに「小指キャラはわたしのものだったのに、桃ちゃんに取られた」と話すと、飯田も「長身キャラも取られた!」と隣に並ぶ熊井を見上げていた。

 吉澤は、「Berryz工房は誰もガッタスに来なかった」と愚痴をこぼす。実は須藤をキーパーとして引き抜きたかった、とのこと。しかし最後には、「ストレスもいっぱいあったと思うけど、これからは自由にやってね」と先輩らしく話していた。

 先輩に続いて、現ハロプロメンバーを代表し℃-ute矢島舞美がBerryz工房に手紙を読むことに。手紙を見るだけで目が潤み、なかなか読み始めることが出来ない。言葉に詰まりながらも、Berryz工房に対して「常に前を走ってる存在だった」「悔しさや頑張ることを教えてくれた」と振り返る。

 そして「もっと大人になったときに、ベリキューで集まってそれぞれの人生を語り合えたら嬉しい」と、これから先も、Berryz工房と℃-uteの関係が続くことを感じさせてくれる手紙だった。涙を止めることのできない矢島のもとに清水が駆け寄って抱きしめ、笑顔で頷き合う姿は、微笑ましいけれど、今は少し切なくなってしまう。

 しかし、まだまだライブは序盤。清水が「まだまだ盛り上がっていくよ!」とファンに声をかけ、初期の楽曲『恋はひっぱりだこ』『安心感』『サヨナラ 激しき恋』や、恋する女の子のウキウキを歌う『世界で一番大好きな人』をパフォーマンス。『安心感』では、ソロでもこの曲を歌っていた熊井が涙ぐんでいた。

 ここでメンバーが他のメンバーの印象を語るVTRが流れる。まずは菅谷から熊井へ、熊井から夏焼へ、夏焼から須藤へのメッセージ。熊井は、「些細なことでメールをくれて、それがわたしにとってはすごく大きなことだった」とお姉ちゃん的存在の夏焼へ、感謝を伝えていた。

 VTR明け、ピンクの衣装で表れた7人は、『Be 元気<成せば成るっ!>』『コイセヨ!』『ヒーロー現る!』をハードな楽曲を立て続けに歌う。こういった楽曲での彼女たちは、他のグループには出せない迫力がある。


次ページは、徳永が歌う人気のあのフレーズをなんとアカペラで披露!
嗣永の素直な想いに、メンバーもファンも感動

 MCでは、2部で後輩たちがカバーした楽曲に触れる。カントリー・ガールズがカバーした『ハピネス~幸福歓迎!~』の「あなたに出会えた」の歌詞を、そのパートを歌う小関舞の名前にかえて「小関に出会えた」と、ファンがコールしていたのが聞こえたと嗣永が話す。そこから「うちには本家がいますからね!」と須藤がアカペラで歌うことに。ファンが全力の「茉麻に出会えた」とコールをすると、メンバーも大喜び!

 「どこの合唱団より揃ってた!」と感激する徳永に、嗣永が「まーちゃん(須藤)の気持ち味わってみたい?」と素晴らしいパスを投げる。アンジュルムが歌った『ギャグ100回分愛してください』で印象的な「のにゅ のにゅ」のパートを歌うことに。嫌がる徳永は「のにゅって何なの?」と10年越しの疑問を叫ぶが、須藤が「それはつんくパパに聞かないと」とクールに返す。恥ずかしがりながらも徳永が見せてくれたアカペラでの「のにゅ」には、ファンも大喜びだった。

 ここからは聞かせる曲が続く。これからやってくる春を歌った『桜→入学式』、ファンによる投票で歌ってほしいシングル曲1位になったいた『VERY BEAUTY』、そしてBerryz工房らしいおふざけが見れた『ありがとう!おともだち。』。楽しいからこそ、とても寂しいという気持ちがわき上がってくる。

 メンバーへのメッセージを語るVTRでは、続いて須藤から徳永へ、徳永から嗣永へ、嗣永から清水へ、そして清水から菅谷へと語られる。徳永は嗣永の第一印象について「苦手なタイプだ!」と思ったとはっきり話し、ファンからも笑いが起こる。このVTRの最中、清水の部分で映像トラブルが起こると、ファンから「おぱょ」コールが起こっていた。

 VTRが終わると、『恋の呪縛』『胸さわぎスカーレット』『愛の弾丸』『ヒロインになろうか!』でBerryz工房のかっこよさを見せつける。ここから一気にラストスパートへ。『抱きしめて 抱きしめて』『雄叫びボーイ WAO!』、そして『友情 純情 oh 青春』では、1曲1曲を噛み締めるように、ファンがコールでも振り付けでも全力で彼女たちのパフォーマンスに応えているのを感じた。

 ファンからの大きな「Berryz行くべ!」コールから、アンコール1曲目は『友達は友達なんだ!』。7人がただ笑顔で並んでいてくれることが、幸せだなと感じる。

 アンコールの挨拶では、嗣永が「3月は、ももちの大好きなものが2つ、誕生日を迎えるんです。ひとつはBerryz工房、もうひとつはかわいいももち。親に誕生日プレゼントに何がほしい?と聞かれて、マッサージ機かな?、金券かな?といろいろ考えたけれど、今一番欲しいのは“Berryz工房としての時間”だった」と話す。バラエティなど、グループを飛び出してさまざまな活動をしてきた彼女が、活動停止を誰よりも悲しんでいるのかもしれないと思った。

 そして最後に、『そのすべての愛に』で、Berryz工房祭りは幕を閉じる。

 140ほどあるBerryz工房の楽曲それぞれに、メンバーにもファンにも思い出がある。きっとこの有明で最後だった曲もあるだろう。熊井が「もうカラオケでしか歌えなくなるのかな」と考えながら歌っていたと話したのには笑ってしまったけれど、やっぱりこのメンバーが歌うからこそBerryz工房の楽曲は素晴らしいのだと改めて感じる。彼女たちじゃなきゃ歌えない曲ばかりだ。

 2日間の有明公演も、とっくま(徳永・熊井)の「BZS1422」も終わってしまい、いよいよ残すは2日のBerryz工房祭り後夜祭と、3日の武道館ライブのみ。7人をもっともっと見ていたい、というわがままな気持ちがどんどん湧き出てくる。笑顔で見送ろうと思っても、彼女たちの時間が楽しすぎるからこそ、さびしいです。東海林その子 アイドルが大好きです。アイドル、ファッションなどに関するライターをやっています。

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