ダンス新時代 〜職業「プロダンサー
」として生きる〜 SEPTENI RAPTURES
「MiYU」

4年目を迎えた世界最高峰のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE」。その中で活躍するDリーガー達の激闘の日々や苦悩、そして思考や価値観に迫る“ダンス新時代 〜職業「プロダンサー」として生きる〜” をDewsが独占取材。D.LEAGUE 23-24 SEASONを駆け抜ける全13チーム26名にフォーカスします。今回は初年度からチームのアイコンとなり持ち前の明るさでチームを牽引してきた若干20歳のMiYU氏に迫る。

まずはじめに、ダンスのキャリアについて教えてください。

姉がダンスを習っていて、私はその影響で3歳の時にダンスを習い始めました。8歳でヒップホップを始めてから周りの人の影響で他ジャンルも習うようになり、その新しい発見みたいなのが楽しくて気が付いたら小学生の時にはほぼ全部のジャンルを習っていました。スキルを磨こうとはあまり思っていなかったのですが、私の師匠から「全ジャンルをレベル3まで上げろ！」と教えがあったので、まずはそれを目標に様々なジャンルを楽しんで踊るようになりました。

あんまりイメージがないかもしれないですが、私はポップやブレイキンも経験があります。キッズ時代にバトルに出るようになり、キッズバトルだとオールジャンルの曲が流れるので、どの曲にも対応しないといけないという環境にいたことも大きいですね。“ダンスで生きていく”と思い始めたのは小学校4年生の時だったみたいで、父にそう言っていたらしいです。

Dリーガーとして4年目を迎え、ダンスの向き合い方は変わりましたか？

Dリーガーになる前は、ひたすらコンテストやバトルに出ていました。Dリーガーになったら“プロダンサー ”と肩書きが明確にできて、メディアなど表に出る事がさらに増えました。パフォーマンス能力も上げていく必要があるので、その為のボディメンテナンスも意識するようになり、食生活や見た目についても“プロの視点”というものを考えるようになりました。

Dリーガーになりメンバーと話す中で色々な練習方法や考え方があって、ダンスや自分との向き合い方に関してとても刺激があり変化がありました。例えば踊り方についてですが、ディレクターのAKIHITOさんのおかげで進化することができたんです。それまで私は踊る際に腰の高さを低く取りたいと勉強していたのですが、なかなか上手くいきませんでした。それが、AKIHITOさんの強化レッスンで足腰を鍛え、その時にやっと腰の低さからくる見せ方を習得した気がします。これもDリーガーになって、この環境の巡り合わせがあり、得られたものだと感謝しています。

D.LEAGUE で最も印象深い作品やシーンについて教えてください。

全部と言えば全部…なのですが、SEPTENI RAPTURESとしてチーム力が上がりチーム全員で戦えているなと、23-24 SEASONに入ってから更に感じています。全員で優勝を目指して毎日努力をしている実感がとてもあり、23-24 SEASON開幕戦の作品は特に思い入れがありました。あとは、22-23SEASONのROUND.9のMONsterという作品が印象深いです。それまで負けがずっと続いていたのですが初めて勝てた作品でした。耐える時間が長かった分、勝利が身に沁みる凄く嬉しい瞬間でした。

作品はどのように作られていますか？

基本的にはディレクターのAKIHITOさんに作っていただいています。それらを私たちに落とし込んでもらい、チームメンバーたちが整えていくという感じです。一緒に作っている感覚ではあるのですが結局AKIHITOさんが凄いので、どんどん良い作品に仕上げてくれるんですよね。とにかく幅が広いんです。ジャンルもそうですし発想もネタが切れないので、私たちのチームはディレクターが中心になり、それらを表現するためにどうすれば良いかを選手たちが考えて消化させていくスタイルで作っています。

成績が停滞していた時期があったと思います。どのようにしてモチベーションを保ったり、チームの士気を高めていたのでしょうか？

私個人の話をすると“落ち込まないキャラ”なんですよね（笑）。負けたらとても悔しいし反省をするのですが、1日寝たら「またやってやるぞ！」って気持ちになる。引き摺らずにここまで戦ってこれたことは大きかったかもしれないです。ディレクターやメンバーのことをとても信頼しているので、すぐに切り替えて“勝つ”ということに意識を持って戦い続けることができました。他のメンバーもそんな感じだったと思います。「これだけ成績が下がったらあとは上がるだけやん！」って、そんなマインドで全く諦めずに戦っていました。

D.LEAGUEではベストドレッサー賞を受賞されているMiYUさんですが、ファッションなど拘りについて教えてください。

キッズ時代は親に与えられた服を着ているだけだったのですが、踊っている中で「こういう服を着たらかっこいいかな。」とだんだん思うようになり、ファッションからもスタイルを考えるようになりました。自分の身長の低さにはコンプレックスを持っていましたし、人よりも手足が短いのでどうしたら大きく見せられるかとずっと考えていました。自分の体のバランスがめっちゃ嫌いでした。だけど、そういうのも“ファッションで解決する”という考えに繋がっていきました。

オーバーサイズのパーカーを着て体を大きく見せようと思ったり、厚底靴を履いて身長を高く見せようと思ったり。海外のダンサーの方を見ていても、身長はそこまで大きくなくても、手足が長いだけでとてもダイナミックに見えるし躍動感のあるダンスを踊る事ができるんですよね。ファッションやヘアスタイルは自分のコンプレックスを打開できる武器だと思うので、今ではとても大切に考えています。

AKIHITOさんはSEPTENI RAPTURESのディレクターとしてお声がかかった時、チームの中心であったMiYUさんが受け入れてくれるかがとても重要だったと言っていました。MiYUさんの心境はいかがでしたか？

AKIHITOさんにディレクターになっていただけるとしたら更に強くなったSEPTENI RAPTURESで戦えると思ったので、即ディレクターをお願いしたいと返答をしました。お互い存在は知っていたのですが、SEPTENI RAPTURESを通じて初めてお会いしました。AKIHITOさんなら、私の能力をもっと引き出してくれるんじゃないかと信頼がありましたし、今いるメンバーとも更に高みを目指して戦っていけるんじゃないかと思いました。

もしAKIHITOさんにディレクターのお話がなかったら、私は22-23 SEASONを持ってDリーガーを辞めようと思っていたんです。それが、AKIHITOさんや（SEPTENI RAPTURESを運営している）会社の方達とも話す機会があり「このまま終わったらアカン！」という気持ちになりました。23-24 SEASONに入り結果にも結びついているし、辞めずについてきて良かったなと心から思っています。

最後にD.LEAGUEを応援してくださる方々に一言お願いします。

いつも応援ありがとうございます！ここまで来れたのも、チームのみんなのおかげであり応援してくださるファンの方々や関係者の方々のおかげです。23-24 SEASONになり、更にチーム力が上がったSEPTENI RAPTURESにぜひ注目していただけると嬉しいです！「やったるで」精神で頑張ります！