誕生から8周年…『ウマ娘』の歩みを
迫力のライブで振り返る!『ウマ娘
プリティーダービー 5th EVENT AREN
A TOUR GO BEYOND -YELL-』2DAYSレポ
ート【後編】

■若きウマ娘達のメモリアルがここに…TVアニメ第3期プレイバック!
5th EVENT恒例となった、イベントテーマにまつわるウマ娘達の想いが語られるスペシャルコーナーを経て、ライブは両日共にクライマックスへ。
DAY1では、昨年末に本放送を終えたTVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の軌跡を名場面PVと歌で振り返った。
TVアニメ第3期の名場面と共に、キタサンブラックやサトノダイヤモンドらのレースへの思いが語られ、そうして始まった一曲目はEDテーマ「アコガレChallenge Dash!!」。これまでの主人公であるスペシャルウィーク&トウカイテイオーと共にキタサンブラック&サトノダイヤモンドが明るく熱唱し、チーム<スピカ>の走りに憧れた幼い日々を超えて、レースの世界へと足を踏み入れていくプロローグをステージで描いてみせた。
だが、キタサンブラックはかつてのトウカイテイオーを彷彿とさせる強敵ドゥラメンテの前に連敗し、自分がテイオーのようにはなれないと思い知らされてしまう。そんな彼女の絶望を描いたPVを受けての二曲目は、放送時にも大きな反響を呼んだキタサンブラックのソロナンバー「ロストシャイン」。暗闇に包まれたステージにスポットライトのみというステージ上で、キタサンブラックの抱えた絶望・挫折・悲しみを矢野妃菜喜が全身全霊を込めて唄い上げていく。ボーカルはもちろん、振り付けや表情にまで気持ちが込められ、さながら1人芝居のような迫力に場内も息を呑むように圧巻のパフォーマンスに釘付けとなっていた。
DAY1 (c)Cygames, Inc.
続いてはもう一人の主役・サトノダイヤモンド。G1レースに勝てないというサトノ家のジンクスを乗り越えて、失意のうちに去ったサトノの先輩達に応えようと足掻く彼女の思いがアニメの名場面と共に描かれ、ついにジンクスを打ち破り涙する姿からソロナンバー「夢のこたえ」がスタート。悲願をえて輝く自分をみんなに見てほしいという彼女の思いを、立花日菜が静かなメロディに乗せて情感あふれるボーカルで唄い紡いでいく。そんな彼女の思いを祝福するように、場内はイメージカラーのグリーンの輝きに包まれ、最後は万雷の拍手が場内に響き渡った。
続けてダイヤと共にサトノ家の悲願を背負ったサトノクラウンが登場。唄うのは先日視聴動画が公開されたばかりのソロナンバー「Confident」で、この日がフルバージョン&ライブ初公開となった。自分の力を示してクラウンのように輝きたいという彼女の気持ちを、鈴代紗弓が元気に力強く唄いあげてファンには嬉しいサプライズとなった。
次に登場したのは、劣等感を抱えながら懸命にがんばる姿が人気のシュヴァルグラン。アニメ放映時にも大反響を呼んだ彼女のキタサンブラックへの思いを叫ぶPVから、劇中歌として流れたソロナンバー「光の後ろ姿」へとなだれ込む。キタサンブラックのまばゆい輝きから目をそらせず心惹かれていった想いを、夏吉ゆうこが切なさと力強さが同居した歌声で熱唱。最後は1人ステージに残されて、ターフを去ってしまったキタサンブラックを探す不安げな様子から、僕は絶対忘れないよというつぶやきで、彼女の成長というアニメの続きをファンに見せてくれた。
DAY1 (c)Cygames, Inc.
絶望に囚われていたキタサンブラックだったが、チーム<スピカ>の先輩達やミホノブルボン&ライスシャワーに支えられながら「私はキタサンブラックだ!」と自分らしい走りに目覚めて勝利を掴む……そんな彼女の姿を描いたPVから、第4話のEDテーマとなったソロナンバー「空のほほえみ方」がスタート。「ロストシャイン」とは対照的に輝きに満ちたステージに現れたキタサンブラック役・矢野がまとっていたのは、アニメ最終回と同じ特別な勝負服「結願のしまい華」で、思わぬサプライズに場内はどよめくような歓声に包まれた。そして自分の走りがみんなの笑顔になる夢を叶えたキタサンブラックの気持ちを矢野妃菜喜は「ロストシャイン」の時と同様に感情豊かな表情とボーカルで熱唱。そして柔らかな光に包まれながら笑顔を見せて締めくくった。
そしてラストを飾るのは、オリジナルメンバーによるTVアニメ第3期OPテーマ「ソシテミンナノ」。尊敬するトウカイテイオーや共に競ったライバル達への想いを重ね、みんなが熱狂するお祭りのような風景を自分の勝利で生み出したいと願うキタサンブラック。そしてラストランとなった有マ記念の激走と最終回のラストシーンからライブは、6人それぞれの想いの乗った力強い歌声にファンもコール&レスポンスで声を重ねて共に想いを重ねていく。そして間奏では再びキタサンブラックの有マ記念の激走がスクリーンに映し出され、その走りを表現するかのような矢野の力強いソロダンスと明坂の生実況での「これがスターの引き際だーっ!」の叫びに、その日最高の盛り上がりが有明アリーナを震わせた。
■『ウマ娘』の歴史を刻んだ歴代コンテンツの歩みがここに!
初めて『ウマ娘 プリティーダービー』が世に出てから数えて今年で8年目。その歴史を飾ったコンテンツをそれぞれの名場面とライブで振り返るのがDAY2のクライマックスだ。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
今の『ウマ娘』のスタイルを確立させたTVアニメ第1期OPテーマ「Make debut!」は、スペシャルウィーク/エルコンドルパサー/キングヘイローら、劇中でシノギを削った黄金世代の3人が熱唱。
トウカイテイオーとメジロマックイーンの不屈の物語が熱狂を呼んだTVアニメ第2期のOPテーマ「ユメヲカケル!」は、トウカイテイオーと共に物語とレースを盛り上げたミホノブルボン/ライスシャワー/ナイスネイチャの4人が熱く爽やかに唄った。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
そして2021年2月24日…満を持してリリースされたゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の主題歌「GIRLS' LEGEND U」は、その後に実装された新たなウマ娘であるサクラローレル/ヴィルシーナ/ジャングルポケット/サウンズオブアース/ロイスアンドロイス/ドゥラメンテら新世代メンバーが勇壮に力強く唄い上げた。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
続いては舞台という空間で『ウマ娘』の世界を見事に描いてみせた舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters Story~から、テーマソング「Overrunner!」を実際に出演したダイタクヘリオス/ヤマニンゼファーに、モデル馬が短距離&マイルで活躍したエルコンドルパサー/アストンマーチャンの2人が加わって披露。舞台版の特徴でもあったタップダンスでの走りも振り付けに織り込んで、場内からは歓声が沸いた。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
1999年のクラシック戦線をモチーフにテイエムオペラオー/アドマイヤベガ/ナリタトップロードの激闘を描いて話題を読んだアニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』のOPテーマ「Glorious Moment!」は、オリジナルメンバーの3人が息の合った力強いボーカル&ハーモニーで激しく競り合うレースシーンをバックに熱唱。冒頭や間奏では沖田トレーナーのナリタトップロードへのゲキを、解説席の土田大が生で演じ、それに応えるナリタトップロードの叫びが盛り上がりに拍車を掛けた。
そして最後を飾るのは、DAY1と同じくTVアニメ第3期OPテーマ「ソシテミンナノ」だが、この日は劇中の序盤でキタサンブラックに引き際を見せる重要な役割を果たしたゴールドシップが加わっての7人バージョンに。さらにアニメ放映時に話題となったジュヴァルグランの「負けない」の再現や、最後の有マ記念でのトレーナー&トウカイテイオーの叫びを解説席の沖野とMachicoが生で重ねるなどDAY1にない演出で両日見ているファンにはたまらない演出でライブのシメを熱く盛り上げてみせた。
■DAY2はいつもと違うアンコールに? そして予想外の新発表も!
DAY1 (c)Cygames, Inc.
両日共にライブの最後を飾ったのは、これから『ウマ娘』とファンが進む希望の未来を旅に例えた「DRAMATIC JOURNEY」。最高の盛り上がりから、まだまだイベントが終わってほしくないファンからの「アンコール!」が場内に鳴り響く。DAY1ではこれまでのように『ウマ娘』最新情報告知からのアンコールステージで終わったのだが、DAY2では異変が。
DAY2でのアンコールの声に応えるように始まったのは、情報コーナーではなく何とテイエムオペラオー/アドマイヤベガ/ナリタトップロードによる「イチバン星が駆ける空」! アニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』の最終回で、ウイニングライブ後のアンコールに応える形で3人がステージに立つ展開をライブで再現してみせたのだ。
それだけでは終わらず、引き続いてTVアニメ第1期EDテーマ「グロウアップ・シャイン!」、第2期EDテーマ「木漏れ日のエール」、そしてこの日出演のチーム<スピカ>全員とサトノダイヤモンドによる第3期EDテーマ「アコガレChallenge Dash!!」と、『ウマ娘』の歴史をエンディングで辿るというスペシャルステージが繰り広げられたのだ。
アンコールというにはボリューム満点なステージを終えてのMCでは、最高のステージだったとみんなが盛り上がったり、最新作となる劇場版の主人公・ジャングルポケットも含めてDAY2は歴代主人公勢ぞろいのステージになったことなどが語られ、ここからさらに10年続くコンテンツにしたいという決意も語られた。
さらに最新情報がここで公開となったが、何とメインキャラ4人がすべて新ウマ娘というゲームのメインストーリー第2部の発表に場内は驚きの歓声が。

ラインクラフト/シーザリオ/デアリングハート/エアメサイアら、2005年の牝馬三冠路線を沸かせた名馬をモチーフにしたウマ娘達が、トリプルティアラを巡ってどんなストーリーを繰り広げるのか今後に注目しよう。さらに今回発表された新ウマ娘の面々は、3月22~23日に大阪で開催の5th EVENT 第4公演にも出演予定とのことなので、そこでの新情報とライブパフォーマンスにも期待大だ。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
こうして感動と驚きに満ちた盛り上がりとなった5th EVENT 第3公演もいよいよラスト。キャラクタービジュアルを交えてのキャスト紹介が始まり、最後を締めるのはすべての始まりとなったスペシャルウィークとサイレンススズカ。すべてのウマ娘からの感謝の言葉と、これからも一緒に夢を見ましょうという和氣のメッセージで感動的に終わる……と思ったところからの「トレセン音頭」がスタート! DAY1以上の温度差に笑いも起きる中で、合間にキャラ同士の絡みを交えながらの出走者紹介も挟んで、数回近くループしながらお祭り騒ぎのようなステージが繰り広げられた。
DAY2 (c)Cygames, Inc.
そして最後のシメはもちろん「うまびょい伝説」だ。新型コロナ禍の規制の中で行われた4th EVENTで「また声を出して「俺の愛バが!」と叫べる日が来るからがんばろう」とファンにエールを送ったトレーナー役・沖野がついに念願の「俺の愛バが!」を叫んだところでは、大きな声援も沸き上がり、ファンもキャストも最後の力を出し切るように盛り上がり、2日間に渡る祭りもエンディングに。
最後は会場メイキングのムービーとキャストサイン、そしてウマ娘達からの感謝のメッセージが添えられたエンドロールが映し出される。
そしてNEW GATEへ
また、新しい景色へ
キミとなら、どこまでも
最後にロゴタイトルが5th EVENTのラストとなる「-NEW GATE-」に書き換わり、5th EVENT第3公演は大団円を迎えた。
盛りだくさんの内容と熱い盛り上がりに満ちた公演となった「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -YELL-」。初の大阪公演となる「-NEW GATE-」は、そのタイトル通り『ウマ娘』の新たなる姿を見ることができるのか? ぜひ2月17~18日まで視聴可能な今回の配信を見ながら、期待を高めてほしい。
DAY1 (c)Cygames, Inc.
DAY2 (c)Cygames, Inc.
【前編レポートURLは欄外に記載】
取材・文:斉藤直樹

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