関東大会ファイナル、夢の大舞台へと
突き進め! ミュージカル『テニスの
王子様』4thシーズン 青学(せいがく
)vs立海 ゲネプロレポート

2024年1月13日(土)東京・TACHIKAWA STAGE GARDENにて、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs立海 が開幕! 初日公演に先駆け行われたゲネプロは、またまた心湧き上がる、熱い青春がぎっしりと詰まっていた。

物語は関東大会ファイナル。ここまでの戦いを振り返りながら越前リョーマの心情をなぞっていくプロローグ〜立海全員登場時のハーモニーの圧、そして青学(せいがく)全員が“絶対王者”立海へと立ち向かっていく闘志を全面に押し出した雄叫びを上げる滑り出しの流れはスポ根感満載!! そこから清々しくも凛々しいテニス少年たちが勢揃いで繋ぐビッグナンバーは耳にも嬉しいパッションに満ち、早くもミュージカルとしての完成度の高さを存分に感じさせる。
1幕は青学(せいがく)・越前リョーマ(今牧輝琉)と立海・切原赤也(木村聖哉)の“野良テニス”、九州でリハビリに励む青学(せいがく)・手塚国光(山田健登)とテニス少女・千歳ミユキ(山下愛乃/渡部遥玲 Wキャスト)の交流、病気療養中の立海部長・幸村精市(潮見洸太)と部員たちの勝利への誓いといったエピソードを挟みつつ、まずはダブルス2の青学(せいがく)・桃城 武(寶珠山 駿)&海堂 薫(岩崎悠雅)vs立海・丸井ブン太(白金倫太郎)&ジャッカル桑原(大村征弥)と、ダブルス1の青学(せいがく)・大石秀一郎(原 貴和)&菊丸英二(富本惣昭)vs立海・仁王雅治(蒼井嵐樹)&柳生比呂士(中山清太郎)の2戦から。ライバル同士張り合いつつ互いの良さを引き出したり、それぞれのテクニックを信じて任せ合ったり、信頼感を持ってギミックを生かしたりと、ペアの在り方も様々。どちらもダブルスの多様性と無限の可能性をカラフルに魅せてくれるゲーム展開となった。
2幕は夢の大舞台へと挑んでいく期待に満ちたナンバーから始まり、シングルス3戦へと突入。青学(せいがく)・乾 貞治(塩田一期)vs立海・柳 蓮二(梶山武雅)のシングルス3は幼馴染の再会というバックストーリーも胸熱なデータマン対決。シングルス2は青学(せいがく)・不二周助(持田悠生)vs立海・切原赤也。“天才”不二と暴れ馬のような切原のヒリヒリとした一戦だ。そして、全ての対決に決着をつけるのは最終試合、シングルス1の青学(せいがく)・越前リョーマvs立海・真田弦一郎(速川大弥)。その圧倒的強さから“皇帝”と称される真田の必殺「風林火山」に対し、無我の境地を意思を持ってコントロールしていくリョーマの攻めのテニスが粘りに粘る。格上に真っ向から挑み、試合が進むほどにテンションがぐんぐんと上がっていくリョーマの底なし感は原作でも凄まじいのだが、演じる今牧のギアの入り方もまさにリョーマそのもののボルテージ! 歌もダンスもラリーもキレッキレ、力強いラケットの振りや跳躍の高さ、声や視線にまで込められた闘志……全てが頼もしく全てが絶好調の全開オブ全開。ここまでカンパニーの仲間が繋いできた思いを一身に背負い先だけを見て突き進むその姿は、これぞ『テニスの王子様』である。『テニミュ』4thシーズンをここまで積み上げてきた座長の爆発力とカリスマ性は本物だ。
青学(せいがく)メンバーももちろん一作ごとに身につけてきた自信と経験をしっかりと結実させ、キャラクターとしての成長を場面場面で印象深く刻み込む。のびのびと力強いパフォーマンスの躍動、迷いのない歌声。それら一つひとつに乗せられた思いは、会場の隅々にまで確実に届いていた。
固い友情を胸に“常勝”ポーズで結束を深める立海の愚直なまでの真っ直ぐさ、これまで青学(せいがく)と対戦してきた相手校の面々の応援、青学(せいがく)メンバーのさらなる変化・成長・進化……と見どころは多岐に渡り、心を掴まれる名台詞も多くとにかく細部に至るまでじっくりと楽しみたい立海戦ゆえ、体感的にはスピーディーな展開ながら3時間超えも納得の大作。毎度のことながら「ミュージカル『テニスの王子様』でしか得られないワクワクがある!」と実感する観劇体験だ。会場ごとのサービスナンバーを含むカーテンコールでは、ぜひその感動の余韻をコール&レスポンスの声に乗せ、舞台上へと届けて欲しい。

キャスト コメント
■越前リョーマ役:今牧輝琉
長くて濃密な稽古で、最高のクリスマスと年末年始を(テニミュカンパニーで)過ごすことができて本当に楽しかったです。毎日汗水流して頑張ってきたので、これからどんな舞台になっていくのか、今日から初日の幕が開くのが楽しみです。
リョーマのシーンは全部を観ていただきたいですが、越前リョーマがさらに成長する物語がこの関東大会立海戦だと思っています。リョーマの内なるものが解放されて“無我の境地”に至り、さらに進化するサムライの姿を目の当たりにしてほしいなと思います。
テニミュ4thシーズンの卒業が決まったときはものすごく寂しかったですが、いつかは来るものだと思っていました。でも、僕らが今まで積み上げてきた不動峰・聖ルドルフ・山吹・氷帝・緑山・六角、これまでのすべての公演を自分の中にインプットし直して立海戦に向き合いたいと思っています。寂しい気持ちは一旦置いておいて、まずは懸命に目の前の敵を倒していきたいと思います。
今日から「テニミュ4thシーズン 青学(せいがく)vs立海」公演が開幕します。すべてのキャストやスタッフさんを含めたカンパニー全員、そして観に来てくれるお客さま全員で最後まで楽しかった! と笑顔でゴールテープを切れるように頑張りたいと思います。
■手塚国光役:山田健登
昨年からみんなと一緒に時間をかけて準備をしてきたので、やっと届けられるなという嬉しさがあります。部長が不在だからこそ団結力が増してレベルを上げた青学(せいがく)を観てほしいなと思います。
卒業はやっぱり寂しいですが、ここまで積み上げてきたものをすべて出し切って完走できたらいいなと思っていますので、初心に戻って最後まで油断せずに走りきります。
また今日から新たな旅が始まったわけですが、キャスト、スタッフ、そしてお客さま、全員で最後まで「油断せずに行こう!」。
■幸村精市役:潮見洸太
初日を迎えてとてもワクワクしています。僕は今回が初舞台なのですが、全身全霊でぶつかっていけるように頑張りたいと思っています。テニミュ4thシーズンの立海は、とてもフレッシュで、これまで見たことがないような立海になっていると思います。この関東大会立海戦では幸村は試合がありませんが、チームのみんなと心をひとつにして進んでいけたらいいなと思います。
今回の「テニミュ4thシーズン 青学(せいがく)vs立海」公演は、僕ら立海メンバーで“最強のチーム”を作りあげられたと思っているので、楽しみにしてください。
■真田弦一郎役:速川大弥
長いようで、体感としては短い稽古期間だったと思います。初日だからといって、なにか特別なことをしようするのではなく、一公演一公演皆さまに丁寧にお届けできるように頑張ります。
真田としては、S(シングルス)1のリョーマとの対決をキャスト・スタッフ一丸となって熱く作ってきました。そして立海としては、特に幸村との約束を交わすシーンを丁寧に作り上げていますので、その心情をしっかり観ていただきたいです。
本当に全試合が熱くてカッコいいので、瞬きせずに観てください!
取材・文=横澤由香

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