あらき 10年間の歩みを歌と魂に込め
、過去最多本数となる全国ツアー『A
RAKI LIVE ARK !0 Attention』完遂

ARAKI LIVE ARK !0 Attention

2023.10.9 Zepp Haneda(TOKYO)​
2023年8月で活動10周年を迎えたシンガーのあらきが、8月から10月にかけて過去最多本数となる全国ツアー『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』を開催。ファンからのリクエストも反映された10年の集大成は、タイトルそのままにこの先もあらきから目を離すわけにはいかない、と心底思わせるものだった。ここでは、10月9日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)にて行われた最終公演の模様をお伝えする。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
先にそれぞれの持ち場に就いていたバンドメンバーが音を鳴らす中、悠然とステージに現れたあらき。「泣いても笑ってもファイナル。最初から声出していこうぜ!」と雄叫びを上げて「テオ」へ。<僕ら>でフロアを指さしながら歌うあらき。あらきのイメージカラーである赤のペンライトを振りながら<クラクラ>を全力コールするオーディエンス。壮観だ。続けざま、白煙が勢いよく噴き上がり、リズムに合わせてオーディエンスが激しく身体を折りたたんだ「スーサイドパレヱド」。あらき、バンドメンバー、オーディエンスがみんなで飛び跳ねて会場が揺れた「Midnight Effect」。出だしから、とんでもない一体感が生まれている。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
「今日は髪色も10周年仕様(赤や紫など)となっておりますが、この髪型(ハーフアップ)が崩れるくらい楽しんでいきます!」と宣言して、巻き舌&ラップが冴え渡る「A New Voice」へ。多彩な声色を自在に操る「脱法ロック」。2023年7月に動画投稿した、あらき作詞のクセ強ナンバー「有頂天」。美しくて儚い歌声が涙腺を刺激する「8.32」。あらきがギターを弾きながら歌った、ほぼ英詞の「About me」、あらきがパッドを叩いたりシェイカーを振ったり、即興的な音遊びでも楽しませた「化け猫」。あらきの歌声でドラマ性がますます高まる「転生林檎」。どんな曲調もどんな世界観も、鮮やかなあらき色に染められていく。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
後半戦の起爆剤となったのは「Freefall」だ。轟音奏でるバンドメンバー、「すごいギターソロを弾いてくれるそうです!」という前振りからの超絶ギターソロ、ここにきてロングトーンもハイトーンもますます絶好調なあらき。クラップしたりヘドバンしたりジャンプしたり、オーディエンスの熱狂も天井知らずだ。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
「ブリキノダンス」では「この速いノリについてこられるかな?」と挑発したあらきだが、常に高音でリズムキープも息継ぎも難しいナンバーをライブで完璧に歌ってしまうあらき、やはり只者ではない。バンドメンバーとすれ違いざまに軽くハグする姿には余裕さえ感じられて、ほとほと驚きである。
「今日もブっ放していくぞ!」と気合い入れしてスラップベースに歌声を絡ませた「イスカノサイ」では、オーディエンスが大合唱。その後のMCで「(コロナ禍だった)去年のツアーではみんなの声聴けなかったんだよな。こういう声があればいくらでも復活できる」とあらきが言ったが、ステージと客席との熱いやり取りがあってこそライブだ、とあらためて思う。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
「先日3000万回再生突破しました。すごい数字ですよね。この曲とともに10年間歩んできた、と言っても過言ではありません。この曲にもみなさんにも、感謝の気持ちを込めて超絶フルパワーで歌わせてもらいます」
そう、ここで放たれたのは「ヒバナ」だ。あらきとオーディエンスの息ぴったりなコール&レスポンスも、お立ち台に乗って光を浴びて歌うあらきの姿も、曲終わりに巻き起こったオーディエンスの大拍手も、その後の「Fiction」でのオーディエンスの大合唱にしても然り、なんだかもう尊い。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
「今日も魂削ってますわ! その欠片でもみなさんに届いているといいなと思います。ここまでは、この10年の自分にとって馴染みのある曲を選んできました。ここからは、これから5年先10年先、一緒に連れて歩いていきたい曲、みんなと育てていきたい曲を歌います。違う場所でも、違う髪色や体型になっても、あらきはあらきとしてステージに立つ。そういう約束の歌です」
そんな言葉が導いたのは、2023年8月に動画投稿した「会言葉」だ。ブルージーなギター、ひとりひとりに語りかけるようなソウルを感じる歌声。これは間違いなく、同じ時代に出会い共鳴する<僕ら>の歌だ。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
「赤裸々な話をすると、今回のツアー、10年目にして自分の存在意義を問うというか……なんのために歌っているのかを考えながら、悩みながらの日々でもありました。そして、このファイナルで無理矢理答えに辿り着いたんですよ。曲を聴きながら自分が主人公になったような気分になること、あるじゃないですか。そういう歌を、俺は歌うようになりたい。みなさんが頑張れるように、顔が晴れるように、夢も希望も不安も一緒くたに歌っていく。そういう気持ちを込めて、最後に歌います」
本編ラストに届けてくれたのは、「encore」。<君>のために<まだまだ 歌っていたい>という強い意志に満ちた歌声は、とてもポジティブで圧倒的だった。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
オーディエンスが心から求める“アンコール”に呼ばれて、再びステージに登場したあらき。「みなさんの本気を感じる“アンコール”、すごく元気になるし力が湧いてきます。このもらった力を還元して、みなさんが明日からまた頑張れるようにしないといけないですね。ということで、みなさんの顔が晴れる曲を持ってきました!」
笑顔でタイトルコールしたのは「平面説」だ。赤いマイクスタンドを持って歌うその姿は実にロックでサマになる。7年前に発表された「サイレーション」の育ちっぷりもたくましいし、本当にあらきのライブは最強だ。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
「過去最多18公演。初日のZepp DiverCity公演に始まり、また東京に戻って参りました。コロナ禍直前に生まれた「Ark」は、みなさんの歌が入って完成する曲。力いっぱい歌っていただけたら、初日とはまた違う「Ark」の姿が見えるんじゃないかなと思います」
光に包まれる会場に響いた、命の賛歌。美しく重なったあらきとオーディエンスの歌声、それはとても神々しかった。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
「15周年、20周年を目指して歩んでいく自分に注目しておけよ、ひとつでも気づきを得て帰ってほしいな、そういう2つの願いを今回のツアータイトルには込めました。みなさんも大切な仲間のひとり。自信を持って大きな声で歌ってください!」
そう呼びかけたのは、2023年7月に動画投稿した「Attention to me-s」だ。コロナ禍も喉の手術も乗り越え、<いつだって><挑戦者であれ><冒険者であれ>、そういう生き方をしてきたあらきだからこその説得力がそこにあった。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​
そして。ツアーを振り返る映像が流れ、ひとつの旅が終わった……としみじみしていたら、なんと「イスカノサイ」が始まったではないか。まさかのおかわりに歓喜するオーディエンス。ファイナルだからって真面目に終わらせないところも、彼らしい。これまでも、これからも。あらきはなににも縛られず、真っ正直に表現に向き合っていくに違いない。
『ARAKI LIVE ARK !0 Attention』Zepp Haneda(TOKYO)​

文=杉江優花
撮影=Kazuya Imada (ELENORE)

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