中島裕翔「この役で何か見つけられる
ものがあるんじゃないかと思う」~P
ARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ひ
げよ、さらば』が開幕

2023年9月9日(土)PARCO劇場にて、PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ひげよ、さらば』が開幕した。初日公演に先駆けて行われた公開ゲネプロより舞台写真と出演者、脚本・演出の蓬莱竜太のコメントが届いたので紹介する。
本公演は、1983年に第23回日本児童文学者協会賞を受賞、1984年から1985年にかけてNHKで人形劇が放送された人気作、上野瞭の「ひげよ、さらば」(初版1982年理論社より出版)を舞台化したもの。
記憶をなくした猫「ヨゴロウザ」がとある峠で野良の隻眼の猫「片目」と出会うところから始まり、そこから始まる愛と裏切りの物語を、猫たちを擬人化して描き出す。
脚本・演出を手掛けるのは蓬莱竜太。音楽で彩るのは稲本響
本作の主人公、記憶のない猫「ヨゴロウザ」には、中島裕翔。峠に住む隻眼のアウトローで、孤立しつつも皆から一目置かれている「片目」には、柄本時生。臆病な性格で、その場その場で誰の下について生きればいいのかを判断する「学者猫」には音月桂。猫特有の奔放さを体現する「オトシダネ」に忍成修吾。冷静沈着、頭が切れて非道な犬「ナキワスレ」は石田佳央。縄張り意識の強い猫「黒ひげ」には一ノ瀬ワタル。人間の世界に憧れている猫「星からきた猫」には屋比久知奈。マタタビのやりすぎでいつも酔っ払っているような老猫「くずれ猫」には中村梅雀と、個性豊かな面々がリアルな人間ドラマをおくる。
『ひげよ、さらば』舞台写真  (後ろ)中島裕翔(前)柄本時生     撮影:加藤幸広
本公演は9月30日(土)まで東京・PARCO劇場にて上演。その後、10月4日(水)~10月9日(月・祝)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで行われる。
【あらすじ】
峠に住む野良猫たち、しかしその峠は野良犬たちに狙われていた。
統率力を持って動く犬たちに、勝手気ままに暮らす猫たちが住む峠が支配されるのは時間の問題であった。
そして、猫の「片目」は一匹だけそんな状況に危機感を持っていた。
ある時、峠に記憶を無くした猫が辿り着く。
名前は「ヨゴロウザ」。
自分の名前しか覚えていない。
名前からして飼い猫であったことは推察されるがそれ以外のことは何も覚えていなかった。
「片目」は「ヨゴロウザ」と出会い、野良犬たちと対抗する組織を作るために
「ヨゴロウザ」を峠のリーダーに担ぎ上げようとする。
「片目」は「ヨゴロウザ」のことが気に入り、「ヨゴロウザ」は「片目」を慕った。
「片目」は「ヨゴロウザ」に峠での生き方、戦い方など色々なことを教えていく。
そして、リーダーに求められること、それぞれの猫たちの性格、犬の怖さなど……
頑なな心を持った峠の猫たちも、リーダーシップを発揮していく「ヨゴロウザ」に対して徐々に心を開いていく。
ヨゴロウザと片目が様々な試練を経て、たどり着く道とは……

脚本・演出 蓬莱竜太 コメント
この児童文学は子供のころに読んでとてもワクワクした作品です。
大人の世界を描いていて、猫の姿を借りながら人間社会を描いているともいえる作品で、幼心にちょっと感じた怖さみたいなものが僕の中にはずっとあって、ワクワクだけでなく、ちょっと怖い。
大人になってこの作品を読んでみると、猫の世界でも、犬と猫も終わらない争いを続けている、そういう作品性が現代社会とも通ずるのかなというのもありましたし、猫を人間が演じるのはとても演劇的な面白さなので、この普遍のテーマと演劇の可能性を合わせると面白いというのもあってこの作品を選びました。音楽は稲本響さんにお願いしたのですが、月が象徴的にシーンを彩ってくれているので、少し遠いところから見ているような月からの目線であったり、超然とした遠さから音楽を作ってほしいとオーダーしました。稲本さんには、ピアノを中心に展開するシンプルな音と、そんななかでも情感や冷たさなんかも表現していただいて、見事にお応えいただいたなと思っています。
中島くんが演じるヨゴロウザは、記憶をなくした無地の状態から個性のある猫たちとの交流でいろいろな色に染まっていきます。そんな化学反応を起こしていく中島くんも見どころだと思いますし、最後に自分の色を見つける各々の猫たちの生き方というのがこの作品を面白くしてくれていると思うので、そこも楽しみにしていただければと思います。
出演者コメント
■中島裕翔 / ヨゴロウザ 役
いよいよだなという期待感と緊張といったところです。僕が演じるヨゴロウザは記憶をなくしていて自分が何者かわからず、何になりたいのかもわからず模索していく中でそれぞれの野良猫に翻弄されていく役です。すごく楽しみですし、この役で何か見つけられるものがあるんじゃないかと思います。
PARCO劇場開場50周年記念シリーズという素晴らしい節目に素晴らしいストーリー、キャスト、スタッフに囲まれ恵まれて 舞台に立てるということが、自分にとって本当に光栄なことです。演劇の面白さだったり色んなエンタメ性が詰まっている 未だかつて見たことのない舞台になると思っているので楽しみにしていてほしいです。観に来てくださる方や応援して下さる方、そしてこの座組のために一生懸命頑張りたいと思います。
■柄本時生 / 片目 役
片目という役をやらせていただいております。あまり本音を言わないというか、隠している過去があって、それをあまりみんなの前ではなるべく出さない、ただずっとそれを抱えていて、それでいて猫たちの社会っていうものに対してすごく何かの疑問というか、なんとなく人間に近い、孤独に対して強い想いがある役をやらせていただいていております。
とても緊張しております。一生懸命頑張って、猫になるように頑張っていきます。よろしくお願いします。
■音月桂 / 学者猫 役
舞台は、お客様の反応を感じながらどんどん育っていくものだと思うので、お客様の反応をしっかり受け取って楽しみながら公演できるといいなと思っています。出演者のみなさんがお稽古中からたくさんチャレンジをしていて、アスリートのように 高みを目指していく方々なので私も色々発見しながら挑戦できたらいいなと思います。 私の演じる学者猫という役へは芯のある強い女性のイメージを持っています。私自身は自分の意見を曲げずに言い切る!ということが少々苦手なので、この猫を演じながら自分も成長できたらいいなって思います。
■忍成修吾 / オトシダネ 役
お稽古に入ってからあっという間で、もう初日かと思っていて通すたびに熱量が上がっていったので自分自身、本番を迎えることをすごく楽しみにしています。
オトシダネという役はとても血筋にこだわりがある猫です。でも追い込まれると少し逃げ癖があるのかなと演じていると思うところもあって。あとは餌をとる能力が優れているようです(笑)。
■石田佳央 / ナキワスレ 役
僕はこの中だと唯一猫ではなく、ナキワスレという名前の犬を演じています。
ざっくりいうと猫に恐れられている犬です。
どう猛さ、戦闘に対するプライドみたいなものを持ちながら、戦うことだけが自分の生き方だという思いを持っている犬なんですが、僕は実はものすごく愛を欲している犬なんじゃないかなと思っています。
一言も噛めないような役ですし、一幕後半からの登場で満を持して出てくる感じがものすごく強いので、噛めないし、ミスできないし、そんなことしたら取り返せないし、なのでド緊張していますが頑張ります。
■一ノ瀬ワタル / 黒ひげ 役
僕が演じる「黒ひげ」っていう猫は、体が大きく 力が強いと思っていて。マウンティングを取ろうとしているんだけど、実は仲間思いなところもある猫だと思っています。今回は野良猫と野良犬の話なんですけど、野良猫大変やな~というのもあって、人間が少しでも猫とか 犬に優しい世界になったらいいなと思って頑張りたいと思います。
■屋比久知奈 / 星からきた猫 役
私が演じる「星から来た猫」という役は、一番つかみどころがない猫ではないかと思います。自由だし、のらりくらりとはしているのですが、ある意味一番ブレないところを持っているのではないかなあと思います。このつかみどころのなさを大事に演じたいと思いますし、お客様がどう感じてくださるのかな、と私自身興味深く思っています。素晴らしいカンパニーの皆さんと 素敵なものを作り上げてきました。お客様の反応を楽しみながら精いっぱい頑張りたいと思います。
■中村梅雀 / くずれ猫 役
「くずれ猫」という役は、若い世代の台頭や、世の中の変化についていけなくて現実逃避からマタタビをやりすぎている、 朝から酒場で呑んだくれている昭和のオヤジのような猫ですが、昔は芯のある生き方をしていたのに、今の奴らは!と思いつつ、嘆きつつ、早く死にたいと思いつつ、何かを求めていたところに、記憶喪失になったヨゴロウザという猫がやってきたことで、希望を持ってしまったのではないかと思います。
ものすごい運動量の作品で、みなさんアスリートっぽく動いててすごいな~と思っています。お客様が入って、お客様のパワーに助けられて、どこまで乗っかっていけるかな?
あとは怪我がないように頑張って、いい千穐楽を迎えられたらなと思ってます。

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