ギルガメッシュ、MONSTER BOXで見せ
た決意

 重厚なサウンドを卓越したプレイで構築し、エクストリームミュージック界の異端児とも呼ばれるNOCTURNAL BLOODLUST、振り切れたポップセンスで極彩色を描くミクスチャーバンドBugLug、ジャンルレスに音を追い求め"変わり続けてきたからこそ変わらずに生きてきた"彼女 in the display、自らのロック観のその先へ果敢に攻めるLUNKHEADという、シーンに束縛されない勝ち気な面々。

 この圧倒的違和感。各バンドを形容するモノはいくつかあるが、ひとつの括りには決してできない振り幅がある。普段のフィールドですら、なかなか重なることもないだろう。だが、それが他にはない極上の刺激を生み出すのだ。


 大盛況という言葉だけでは伝えきれないほどの熱気に満ち溢れ、何かに偏ることなく、多面的な世界観に酔いしれるフロアいっぱいにひしめき合ったオーディエンス。モッシュもあれば、力いっぱい拳を突き出す場面もあり、感じるままに全身を振り乱していくほど。決まり事など一切ない、自由な感じ方。その空気を鋭く感じ取ったどのバンドも更なる高みを目指すように、強靭なパフォーマンスを繰り広げていったのだ。

 そんな超絶なイベントのトリを両日ともに飾ったギルガメッシュもまさに圧巻の連続。現場で戦い磨き続けてきた数々の武器を自在に繰り出し、メタルもロックもエレクトロもポップスもすべてを包括するような、まさに正しきミクスチャーなアプローチだ。


 途中、左迅(Vo.)が「ライヴなんて、カッコいいか悪いか、心に響くか響かないかしかない」と語った通り、感性の赴くまま、魂を削るように吐き出して叩きつけ、ロックの醍醐味ともいえる意志を真摯に貫き通す。MONSTER BOXで掲げられている"様々な音楽の壁を乗り越えられないバンドは死んだ。新たな時代の幕開けの狼煙を上げるべく立ち上がる新世代のAttitudeを叩きつけろ!"という代名詞を地で行くスタイルは、まさに痛快のひと言。主催バンドとしての面目躍如といったところだろう。

 今月24日には新作『gravitation』をドロップし、10月4日の渋谷club asiaを皮切りに、このMONSTER BOXに集ったような猛者たちをゲストに招いたツアーをスタートさせ、2015年3月14日の新木場STUDIO COASTのワンマンまで駆け抜けていくギルガメッシュ。常に挑み続け、目には見えないが確実にする壁に抗うその姿。今、まさに現場で起こしている新しいクロスオーバーっぷりを目撃しないわけにはいかないはずだ。


Writer: Ryuji Yakou Photo: Masanori Fujikawa

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