ん・フェニ

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【ん・フェニ インタビュー】
いろんな方々とかかわるのは
“頑張ろう!”という
気持ちの種にもなる

今後、ん・フェニとしての毎日が
5倍忙しくなるといい(笑)

ん・フェニ

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ん・フェニさんの曲は歌詞の言葉の響きも心地良いです。僕は「Merry」の《僕らの休日の予定はめちゃくちゃだ》の《めちゃくちゃだ》のところが、ものすごく好きなんですけど。

ありがとうございます。この喉から出てきました(笑)。

《どうでもいい日々を/あなたが優しく撫でるだけで/全てから抜け出せる》もとてもきれいな表現ですよ。

ありがとうございます。なんでそんなこと書けたんだろう?(笑) この曲、気に入っていますね。コロナ禍の時に作った曲だったんです。ずっと部屋にいなきゃいけない中で、「今を燃やす」みたいは感じだと心に痛すぎるから、もっと柔らかくアプローチするみたいなイメージでした。

「neon」はやるせない感覚で踊れる打ち込みサウンドですね。

これも最初の頃に作った曲ですね。打ち込みの曲もあるし、ロックのバンドサウンドもあるしで、自分がぶれてしまっている反省が私からするとあるんですけど…。2曲連続で出した「neon」と「ロンリーナイト」の頃は、こういう打ち込みの音が自分の中で来ていたんです。あと、自分はあんまり歌がうまくないと思っているので、歌い上げる自分が好きじゃなくて。だから、ウィスパーっぽい曲が作りたくて、こういうのができました。

声の表現の幅も広いですよね?

いろいろ出ちゃうので地声が分からないじゃないですけど、そんな感じがあるんです。歌い方に関しても、上手ではないながらもいろいろできちゃうんです。だから、“何が自分なんだろう?”というのが定まっていなくて、今もまだよく分からないんですよね。

街のネオンの風景とイラストが融合した「ロンリーナイト」のMVは、ご自身で手がけられたんですね?

そうです。映像を作るのは好きで、機会とお金があれば勉強したいんですけど、今はこの程度で(笑)。

根本的に何かを作るのが好きですよね?

はい。今回のアルバムはアナログ盤も出るんですけど、中身まで最終的に自分でIllustratorを使って作りました。物としても楽しんでいただけたら嬉しいです。フィジカルを作る時は、いろいろ考えますね。『SUMMER EP』はCD盤を透明にして、歌詞カードの背景と合わさるようにしたんですよ。サブスクで聴けるから、物として良くないと出す意味はないと思うので。やりたいことはいっぱいあります。

「caramel sauce」はリリースした時に“本当に浮気する奴が大っ嫌いです”と書いていましたが、まさにそういう曲?

はい。

《気がついたら真っ黒になって後には戻れない》とか、浮気ってこういう感じなんだろうなと聴きながら思いました。

この曲を作った頃、浮気の曲がヒットしていて、“何なんだよ、世間!”と思って作りました(笑)。これはライヴであまりやらないです。めちゃくちゃなドラムで作ってもらって、人間が叩けない問題が起きているので、バンドではやったことがないです。

浮気をカラメルソースに例えるのって面白いですね。

普段の会話でそういうことを言うと“こいつ何言ってんの?”ってなるので、日々ダメージを喰らって生きています(笑)。歌詞だからまだ何とかなっていますけど、とんちんかんな会話をしてしまうんですよね。

アナログ盤のB面は「FUNNY TATTOO SEAL」を含む『SUMMER EP』を中心に構成されていますが、「SUMMER IS OVER」は英詞ですね。

はい。英語はしゃべれないので間違っているかもしれないですけど(笑)。最近はドリームポップに舵を切っている感じもあるんです。『SUMMER EP』を作った頃に“自分ってどういう系統なんだろう?”って悩んでいたんですよ。ライヴでブッキングしてもらうためには、そういうものが定まっていたほうがいいので。私は“○○界隈”みたいなところにいないから孤独なんです。だから、ジャンルをもう少し定めたくて、ドリームポップな感じのシンセを「SUMMER IS OVER」に入れました。

「love meってんだ。」はアレンジもご自身で手がけられたんですね。

はい。ミニマルっぽい感じです。私は音楽を小さい頃からやっていたわけでないから、それでもいろいろな人に受け入れられていったら、“始めるのが遅くてもなんとかなるよ”みたいな勇気づけられる存在になれると思うんです。こういうアレンジとかも含めて頑張りたいですね。

いい作品を残しながら音楽の道を歩めていると思いますよ。

ありがとうございます。“世の中にはこんなすごい人もいるし…”って負けてしまいそうになることがたくさんあるんです。クリエイティブなことをする人はみんな“もう辞めようかな?”ってなることがあると思うんですけど、そこに対して沸き起こる反発心のような強い気持ちは忘れないようにしたいですね。

「こっちの生活」は大型タイアップでしたが、どういう経緯だったんでしょう?

これ、なんでお話をいただけたんですかね?(笑) 「FUNNY TATTOO SEAL」のMVを撮っていただいた杉山弘樹監督が持って来てくださったお話なんです。杉山さんは「ロンリーナイト」のことをTwitterで“めっちゃいいわぁ”ってつぶやいていたんです。面識はなかったんですが“ありがとうございます”とリプしたら、DMで“MV作りますよ”と連絡をくださって。「ロンリーナイト」のMVを撮っていただいたあとに、“CMの話があるんですけど、話をつなげてもいいですかね?”とおっしゃってくれて、“ぜひ!”となって決まったのがこのタイアップなんです。予想外でしたが、とても嬉しかったですね。

この曲はバンドでレコーディングしていますが、バンド形態は初めてだったんですか?

はい。機会があったら、またこういう形態でレコーディングしたいです。ライヴもしたいですね。バンド編成でフェスにも出たいです!

MVが公開されましたが、食事のシーンが美味しそうですね。

メイクさんがご飯を作ってくれました。お味噌汁のCMのタイアップだったので、その要素も入れていただけるようにお願いしました。私の書く曲はストーリーがはっきりしきっていないので、受け取り手のみなさんに委ねている部分のニュアンスも出た映像作品になったと思っています。

今回のアルバムの曲たちは充実した活動の軌跡を示していると思うんですけど、ご自身ではどのように感じていますか?

えっ!? やばいですよ。“充実している”とみなさんに受け取っていただけるならば大成功ですけど、“今日は何をしたらいいんだろう? 無なんだけど…”っていう日がいっぱいあって、押し潰されそうになっています。そういう日ばっかです。今後、ん・フェニとしての毎日が5倍忙しくなるといいですけどね(笑)。

(笑)。曲はコンスタントに作り続けているんですか?

自分にしては多く作っていて、ストックは溜まっています。

今回のアルバムをリリースしたあとの活動に関しては、どのようなことをしていきたいと考えていますか?

自分としてはいろいろな場で聴いていただける機会を増やして、リスナー、ファンが増えて、どんどん成長していけたらいいなぁと思っています。私は結構貪欲なので“このまま音楽がやれたら、それでいいです”とかじゃなく、早くみんなに聴いていただきたいですし、早くみんなからの反応を聞きたいし、もっと大きいところでライヴがしたいし…とか、はち切れそうなくらいに欲望がいっぱいです。だから、“ちゃんと広がっていったらいいなぁ”と思っています。それは自分のためだけではなく、今まで関わってくれた人たちのためにも。お支払いするギャラを安くしてくれたみなさんにも恩返しがしたいですから。私を助けてくれたみなさんと一緒にちゃんと大きくなっていけたら、絶対にそれが一番幸せだと思っているので。

取材:田中 大

配信アルバム『N’s PAST RECORD』2022年11月30日配信リリース CONNECTUNE

『NBDB Party!~レコード届いたら即売会or届かなかったら予約会~』

12月24日(土) 東京・OUR DAYs Brewery & Club house 2階
OPEN 13:30 / EVENT 14:00-16:00

■入場料
通常 2,500円(料金にビール2杯分含む)
アルコール飲まない方 1,500円(ソフトドリンク持込可能/お店にはノンアルコールメニューはございません)

■詳細&予約フォーム
https://forms.gle/EgAFpFAv59veQPpC7

ん・フェニ プロフィール

ん・フェニ:2020年に東京を拠点に活動開始したオルタナティブシンガーソングライター。シューゲイザー、ドリームポップ、インディーロック、Vaporwaveなどさまざまなテイストをキャッチーなメロディーと融合させた楽曲が特徴。無所属セルフプロデュースで活動しており、ビジュアルデザインや映像制作、また楽曲提供なども行なう。21年には avex『2nd GIANT LEAP PRIZE』に選出、『長岡米百俵フェス』OA出演、Spotify公式プレイリスト『キラキラポップジャパン』の年間ベストに選出された。22 年には味の素×北欧『暮らしの道具店』コラボ WebCMで初タイアップ(「こっちの生活」)。ん・フェニ オフィシャルTwitter

「こっちの生活」MV

「FUNNY TATTOO SEAL」MV

「Merry」Lyric Video

「ロンリーナイト」MV

「neon」MV

「今を燃やす」MV

OKMusic編集部

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