L→R MASAKI(Ba/DAIDA LAIDA/CANTA/地獄カルテット/ex-ANIMETAL etc.)、西脇辰弥(Key)、星野沙織(Violin/soLi etc.)、AKANE LIV(Vo)、前田遊野 (Dr/仮BAND etc.)、KENTARO(Gt/DAIDA LAIDA/ex-Gargoyle)

L→R MASAKI(Ba/DAIDA LAIDA/CANTA/地獄カルテット/ex-ANIMETAL etc.)、西脇辰弥(Key)、星野沙織(Violin/soLi etc.)、AKANE LIV(Vo)、前田遊野 (Dr/仮BAND etc.)、KENTARO(Gt/DAIDA LAIDA/ex-Gargoyle)

【LIV MOON インタビュー】
世界中が共有している痛みを
作品に反映したいと思った

世界中が共有している悲しみや痛みを
作品に反映したいと思った

アルバムの歌詞を全部書いたのは今回が初めてということですが、自分の言葉で届けたいというのは最初から考えてたんですか?

バンドらしさを増していきたいと思ったんですよ。初期のLIV MOONってプロジェクト的で、歌詞も他の方たちが書いてくださっていたし、自分も歌詞を書いたことがなくて。2枚目のアルバム(2011年3月発表の『GOLDEN MOON』)からは書いたりしていたんですけど、他の方が書いた歌詞を歌うのって好きなんですよ。役者もやってるから新しい役をもらったような感じで、“どういう人物なんだろう?”って考えて歌っていく作業が好きだったんです。でも、この10年間、自分の中でもいろんな経験といろんな想いを積み重ねてきたので、自分の言葉で伝えてパフォーマンスしていきたいと思って。バンドってヴォーカルやメンバーが歌詞を書くことが多いじゃないですか。LIV MOONもそういうふうになっていきたいと思ったんです。

よりパーソナルになっていった?

なってきました。最初は恥ずかしかったんですよ、歌詞に書くっていうのが。たぶんシンガーソングライターの方だったら自分の言葉を書きたいと思うんですけど、私がそもそも音楽に惹かれたきっかけっていうのは、つらいことや嫌なことを忘れられるのが音楽だったから、音楽に触れている間は自分を忘れられたんですね。でも、今は自分の経験だったり想いだったりというのを素直に歌詞に乗せている…今って世界中が同じ悲しみと苦しみを抱えてるわけじゃないですか。今まで戦争ってどこかの国で起きているっていう感覚で、どこか遠いものだったりしていたけど、今は世界中が注目している。なので、そんな世界中が共有している痛みを作品に反映したいと思ったんです。その想いから「Never…」の歌詞を書きました。

「Anemone」と「The Lament」では同じ内容を日本語と英語で歌ってますが、“花が咲く”という情景が印象的です。

ウクライナとロシアで戦争が始まったことをどこかの地域のフリーマガジンで読んだ時に、“戦争を知らない世代も増えている中で、焼け野原に一輪の花があったことがすごく勇気や希望につながった”っていうエッセイがあって。どの曲にも“月”や“花”というワードが結構出てくるんですけど、花とか小さなものが一生懸命に咲いてる姿ってとても心を震わすし、悲しい時とか誰かを想う時って月を見上げたりするじゃないですか。そういうワードって好きな人の香りと一緒で、“月を見たらLIV MOONの曲を思い出す”みたいな、そういうふうになったら嬉しいなって。

そんな中、「Addiction」は妖艶な内容の歌ですね。

「Addiction」をKENTAROさんからいただいた時、こんな曲がくるとは思わなくて! 想像と違ったから余計に刺激されて、聴いたその日に歌詞を全部書き上げました。翌日、KENTAROさんに“ちょっと飛んじゃってる歌詞ですけど、どうでしょう?”と見せたら“すごくいいです!”って言ってもらえました。自分で先に歌詞を書いてると自分のワールドだけになっちゃうから、きっとこんな歌詞は出てこないと思うんですよ。自分がこんな歌詞を書くとは思わなかったし、「Daybreak」も強い言葉が多いんですけど、そういうのも自然に自分の中から出てきた言葉だったりするんですよね。役になりきらなくても、みなさんの曲にいざなわれている感じです。

アルバムタイトルの“OUR STORIES”にはどんな想いが?

最初は単純に“STORIES”にしようと思ったんですけど、この10年、自分もいろんなことがあったし、ずっと応援してくれているリスナーやファンの方々もたぶんいろんなことがあったと思うんですよ、人生に於いて。だから、それぞれのストーリーが集約されているというか。自分とリンクする曲があればいいなとも思うし、10年待っていてくれたみなさんへ“一緒にこの10年をかけて作ったアルバムだよ”っていう想いも込めて、このタイトルにしました。

ファンの人もこれから出会う人たちも含め、同じ時代を生きてる“私たち”ってことですかね?

そうですね。LIV MOONを聴いてくださっている方って海外の方も多くて。最近LIV MOONのYouTubeチャンネルを作ったんですけど、コメント欄の書き込みを見ると外国の方がすごく多いんですよ。さっきも言ったようにコロナって世界中が背負っている悲しみだったりするけど、それを乗り越えた先にある喜びも絶対あると思うんです。だから、歌詞も全部日本語ではなく、海外の人にも伝わるものにしたいと思って。英詞の部分もそんなに難しい英語にはしていないから日本人の方にも伝わると思うし、待っていてくれた海外の人にも届けたいと思って英詞を書いたりしています。

海外ではメタル音楽が普通のチャートに入っていたりするし、人気がありますよね。

LIV MOONを始めた当初から思っているんですけど、日本ではシンフォニックメタルというジャンルすら知らない方が多いですよね。私自身はこのシアトリカルな世界観がすごく好きだし、自分のやってきたバックグラウンドともリンクしていて生かせると思っていて。知れば絶対に好きになると思うんですよ! 特に舞台系の人なら。あと、参加ミュージシャンがみなさん途轍もなく凄腕なので、コアな音楽ファンというか、普通の人が聴かないような細部まで聴き込んでいる音楽の人たち…本当に音楽が好きな人にこそ聴いてもらいたいと思うんですよ、このジャンルを。

情感だったり叙情性みたいなものって、絶対に日本人は好きだと思います。テクニカルなだけじゃなくて、すごく旋律も美しいし。

美しいだけで終わらないのが、シンフォニックメタルの良さですからね。クラシックってドラマチックな曲もたくさんありますけど、メタルにはクラシックの要素もあれば、ジャズっぽいフュージョンっぽい曲もあったりするし、歌詞を書いていてもそうなんですけど、どこにでも羽ばたけるんですよね。物語性があるから、どんな役にもなれる。国籍も超えられるし…それこそ人間じゃなくてもいい。北欧神話をモチーフにした『THE END OF THE BEGINNING』(2012年9月発表)というアルバムを作った時には、歌詞の中で小人とや巨人になったり、黒い妖精になったりして。そういうジャンルレスなところがあるのも面白いと思うんですよね。

読者の方にもシンフォニックメタルの魅力を知ってほしいですね。

映画音楽的なところもあると思うんですよね。実際、フィンランドのNightwishっていうバンドも映画に楽曲を提供していますし。なので、演劇や映画を好きな人はシンフォニックメタルにハマりやすいと思うんですよね。エネルギーをここまでくれる音楽ってそうないと思うし。エネルギーが満ちてくる、自分を奮い立たせてくれる音楽は、やっぱりメタルだと自分自身も経験して思ったので。『OUR STORIES』にも、前に一歩進みたい、新たな道を行きたいという人の後押しになる楽曲がいっぱい詰まってるので、ぜひ聴いてみてください!

年明けの2月にはHEAD PHONES PRESIDENT、3月にはMardelasとの対バンライヴ。4月には東名阪でアルバムリリースに伴うワンマンライヴも予定されていますね。

生でみなさんと直接会ってやれるライヴって久しぶりなので、私もみなさんもアツく燃えるライヴを届けられたらいいなと思います。お客さんの顔を見たら自分の中でもグッとくるものがあると思うので、ようやくみなさんと会えることをとにかく楽しみにしています。

取材:舟見佳子

アルバム『OUR STORIES』2022年12月21日発売 Walküre Records
    • 【Deluxe Edition】(CD+DVD)
    • WLKR-0070
    • ¥4,840(税込)
    • 【通常盤】(CD)
    • WLKR-0071
    • ¥3,300(税込)

ライヴ情報

『LIV MOON presents「Dramatic Night with ‘HEAD PHONES PRESIDENT’」』
[2023年]
2/14(火) 東京・初台LIVE-BAR-The DOORS
W)HEAD PHONES PRESIDENT

『LIV MOON presents「Buzzy Night with ‘Mardelas’」』
[2023年]
3/03(金) 東京・初台LIVE-BAR-The DOORS
W)Mardelas

『LIV MOON "OUR STORIES" LIVE TOUR!!』
[2023年]
4/01(土) 大阪・心斎橋VARON
4/02(日) 愛知・名古屋HOLIDAY NEXT NAGOYA
4/08(土) 東京・吉祥寺CLUB SEATA

LIV MOON プロフィール

リヴ・ムーン:スウェーデンに生まれ、宝塚歌劇団で活躍後、英国に留学しシェイクスピアと歌を学んだAKANE LIVと西脇辰弥(Key)を中心に、2009年秋にAKANE LIVの従来の舞台での活動と並行して結成。同年10月14日に、タワーレコード限定のシングル「THE PHANTOM OF THE OPERA」をリリースし、『LOUD PARK '09』にてライヴデビュー、12月にビクターエンタテインメントより1stアルバム『DOUBLE MOON』を発表。翌10年3月3日にShibuya O-EASTにて初のワンマンライヴ『美神降臨〜LIV MOON FIRST CLUB SHOW〜』を実施し、同年6月にはカバーアルバム『COVERS ~Scream As A Woman~』をリリース、10月にはスウェーデンのヨーテボリにおいて、元HAMMERFALLのベーシスト、マグナス・ローゼンらスウェーデンの著名ミュージシャンと共同ライヴを実施し、スウェーデンのTVでも放映された。16年11月にはオリジナル作品では約4年振りとなるミニアルバム『R.E.D』をリリースし、12月11日には『LIV MOON LIVE 2016 R.E.D Evolution』を開催。その後は西脇と星野沙織 (Vl)とアコースティック・ライヴを頻繁に行なう。19年12月14日には『LIV MOON 10th Anniversary LIVE 2019「Emotions」』を開催し、20〜22年は配信ライヴを中心の活動を展開。そして、22年12月にミニアルバム『R.E.D』から6年振り、フルアルバムとしては4thアルバム『THE END OF THE BEGINNING』以来10年以上振りの復活作となる5thフルアルバム『OUR STORIES』をリリースした。LIV MOON レーベルHP

「Never...」MV

「El Dorado」MV

『OUR STORIES』TRAILER

OKMusic編集部

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