新国立劇場、フルオーディション企画
第6弾は初のミュージカル 英国で生
まれた『東京ローズ』を藤田俊太郎が
演出
THEATRE の代表作で、その年のUNTAPPED AWARD、Les Enfants Terribles Stepladder Awardを受賞。ディベロップを重ねながら2021年に英国内ツアーを行った、日本軍が第二次世界大戦中におこなった連合国側向けプロパガンダ放送の女性アナウンサー「東京ローズ」として唯一知られているアイバ・戸栗・ダキノを描いた物語だ。
「Who is Tokyo Rose?」
叔母の見舞いのために25歳で来日し、すぐに帰国するはずが、時代は第二次世界大戦へと突入、アメリカへの帰国も不可能となってしまう。そこでアイバは、母語の英語を生かし、タイピストと短波放送傍受の仕事に就く。戦争によって起こる分断や、離散、別れ。多くの人々を襲った不幸がアイバ自身とその家族の身にも降りかかる。
やがてラジオ・トウキョウ放送「ゼロ・アワー」の女性アナウンサーとして原稿を読むことになったアイバ。その女性たちをアメリカ兵たちは「東京ローズ」と呼んだ。終戦後、アイバが行っていたことは、日本軍がおこなった連合国側向けプロパガンダ放送であったとされ、本国アメリカに強制送還され、国家反逆罪で起訴されてしまう。
戦中日本の悪名高きDJ「東京ローズ」であった罪を問われているアイバ。彼女は本当に皆が言うような悪人だったのか……?
演劇芸術監督・小川絵梨子 コメント
作品のテーマは「アイデンティティ」「ルーツ」「未来」です。
誰もが生きるのに必死だった時代。彼女は、戦中日本ではアメリカ人として存在を問われ、戦後アメリカの反日感情が渦巻く中では反逆罪に問われました。アイバは格闘し続けました。私たちのカンパニーは、アイバの人生を追体験しながら、2020 年以降見失いがちだと思えるもの・力強く他者と共鳴して生きる力を演劇として創りたいと思います。
彼女は様々な立場、国籍の者たちと出会い、立ち止まり、関係を築こうと努力します。
特に戦前、戦中、戦後の10年。私は、それぞれの時代を 6人の役者によってリレー形式で演じ分けていくという演出をします。つまりカンパニーのキャスト全員が一度はアイバ・戸栗・ダキノを演じ、歌のソロがあります。アイバを演じていない時は、アイバが関係した様々な男性・女性の役を演じます。罪を問われ'裁かれる側’ と、罪を問い’ 裁く側'を演じ分けていくことになります。
作品のテーマである、私たちが生きる今の「ルーツ」を、自分の「アイデンティティ」を深く考えながら、「未来」に向かう力を表現したい。
ミュージカル『東京ローズ』を演劇のドラマとして役者の皆さんとの対話を大事にしながら立ち上げていきたいと思います。
演劇を届ける喜びを、共に感じ、覚悟を持って現場で仕事をしたいというたくさんの皆様の応募をお待ちしております。
いただいた音源は責任を持って全て大切に聴かせていただきます。なにとぞ宜しくお願い致します。
アーティスト
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