【Photon Maiden インタビュー】
海外の方々が“フェスに呼びたい”と
思うようなユニットになりたい
バラバラだけど、
バラバラじゃないのが私たち
楽曲の幅が広がると同時に、求められるダンスの性質も変わってきたのでは?
紡木
もう本当に! 最近は声優さんが踊るダンスじゃなくなっている。
佐藤
私も「Photon Melodies」の頃からずっと考えてた! 普通にダンサーさんが踊る難易度だよね。でも、他ユニットさんと差別化をできる部分でもあるし、キャラクターとのつながりを紡いでいく上で、音楽の魅力を引き出すには今のダンスが必要だから大切にはしていきたいな。とはいえ…すっごく汗をかく(笑)。
紡木
えっと、あの…。
佐藤
“あの事件”のこと、また言おうとしてるの!?
ごめんなさい、私も切り出そうとしてしまいました(笑)。Twitterでもつぶやかれていた、佐藤さんが過去のライヴで汗によって、身体に固定していたマイク用機材が水没したという事件ですね。
佐藤
本当にお恥ずかしい! 最近は衣装もショートパンツスタイルで、マイクカバーも付くようになったので、防水性能はアップしましたよ。ただ、やはり衣装は熱を逃しづらくて…5月末に出演した野外イベント『D4DJ D4 FES. LIVE -ALL IN-』のパフォーマンス後なんて、メンバー全員で頭に氷のうを乗せて酸素スプレーも必死に吸っていたよね。試合終わりのスポーツ選手というか、部活みたいだった(笑)。でも、それくらいにやり甲斐のあるユニットだよ。
紡木
Photon Maidenで本当に良かったって心から思います。
佐藤
それにしても、むぎちゃん(紡木の愛称)はライヴ準備も大変だよね。むぎちゃんはダンスの振り入れの他にDJだけのリハーサルの時間もあるし、DJの動きによってダンスも足したり削ったりと何度も調整が必要で。ゲネプロでスクラッチを入れる箇所まで詰めていたのには驚いた。そう言えば、Photon Maidenは他ユニットみたいに激しい音を鳴らしちゃいけないんだよね。
もしかすると、レイヴホーンのことでしょうか。
紡木
レイヴホーン! サンプラーで鳴らすサウンドも、まさにDJやクラブといったサウンドにしたほうが盛り上がるものの、私たちはあくまでしっとりとした世界観のユニットで、他ユニットとコンセプトが被って見えてしまうために避けているんです。それに私はDJ卓にも登っちゃいけなくて(笑)。
佐藤
登りたい衝動に耐えるのも大変そう。まぁ、むぎちゃんが演じている出雲咲姫ちゃんはきっとDJ卓になんて登らないから。そう言えば、サンプラーも銀河っぽい、シャラララ…みたいな音色を入れているんだよね。
紡木
そうそう。タイミングを見て鳴らしてる。隙間産業ですわ。
隙間産業とは(笑)。ちなみに5月のライヴでの裏話などはありますか?
紡木
最後にオールキャストで登場するパートがあったのですが、気づいたら私とむぎちゃんしか楽屋におらず(笑)。キャスト全員が私たちを除いて、いつの間にかステージ袖に待機していたんです。ふたりで“なんか静かじゃない?”なんて話していたら、もうトリで出演したCall of Artemisの水樹奈々(天野愛莉役)さんがステージで歌っていたんですよ。楽屋から本気ダッシュでしたね。こんなにキャラが濃いふたりなのに存在を忘れられていた。
佐藤
私たちはPeaky P-keyさんと同じ楽屋だったから、他に6人もいるのに全員から置いていかれるとはね。さすがに“来るだろう”って思われたんだろうね(笑)。そう言えば、その時はケバブを食べていたんだわ! 悠長にしながら“汗かいたから塩っぱいの沁みるわ〜”とか言ってた(笑)。
おふたりの関係性は、まさに運命共同体としか言えないのでは?
佐藤
それは嫌だ!(笑) でも、もしかしたら似ているのかもしれない(笑)。
紡木
“類友”だよ~。
今回は不在の前島亜美さん、岩田陽葵さんとのエピソードも気になります。
佐藤
私たちはライヴ本番前のルーティンも全然違うんです。はるちゃん(岩田の愛称)は全身鏡の前で本番ギリギリまでひたすらに練習をしていて、前島さんは座ったまま楽曲を聴いて、脳内でイメトレをするタイプ。むぎちゃんはずっと何かを食べているよね(笑)。
紡木
たろは本番前に声出しをしているイメージ。あと、私の相手をすごくしてくれる。心のケアとツッコミ担当です。ちなみに、あみた(前島の愛称)はPhoton Maidenのしっかり者担当、はるちゃんが可愛い担当。私は?
佐藤
変。
紡木
変!?
佐藤
う〜ん、ムードメーカー!(笑)
紡木
ありがとう(笑)。全員がバラバラの個性を持っていても、テトリスのようにうまく組み合わさる。バラバラだけど、バラバラじゃないのが私たちなんです。とても居心地が良くて、Photon Maidenが大好きなんですよ。
心温まるお話でした。最後に、これは決して“コンテンツの終わり”を意識したものではまったくないと断言した上でお訊きしたいのですが、Photon Maidenの活動にゴールがあるとすれば、それはどのような成果、あるいはメンバーの姿なのでしょうか?
佐藤
“ゴール”と言うより“次のスタートライン”という言い方になるのですが、海外の方々がPhoton Maidenに興味を抱いてくれることです。海外の方々が“フェスに呼びたい”と思うようなユニットになりたい。もっと多くの人に『D4DJ』を広めたいし、何より楽曲自体がいいもの揃いですから。
紡木
外に出たいね。
佐藤
どうしたの? 今は閉じ込められているの?(笑)
紡木
違う違う(笑)。『D4DJ』のライヴに参加するたびに、この作品をずっと応援してくださっているみなさんがいてくださるからこそ、安心感を抱けるんだなと感じられて。だからこそ、もっと別の場所に飛び込んでいくことが、今後のステップアップには必要なのかなと。なかなかアニメやコンテンツ作品とは距離が離れているという方々にも、『D4DJ』の音楽が純粋に素敵なものだと気づいてほしいよね。もし海外でライヴができたら、まずはみなさんにサイリウムをガンガン振っていただくとしよう(笑)。
佐藤
そうだね、みなさんを連れて海外に行こう!
取材:一条皓太