L→R Yuh(Gu)、瑠伊(Ba)、Tohya(Dr)、海(Gu)、智(Vo)

L→R Yuh(Gu)、瑠伊(Ba)、Tohya(Dr)、海(Gu)、智(Vo)

【vistlip インタビュー】
現段階でやれることを、
『M.E.T.A』でやりきった感覚がある

ライヴも含めて、
今後がこんなに楽しみなのは久しぶり

ロックテイストと洗練感を併せ持っている楽曲は「無音」の他にも「ID:ID」(【MASTER EDITION】のみ収録)や「蟻とブレーメン」などがあって、中でも「RED LIST」(【MASTER EDITION】のみ収録)はヘヴィネスを押し出していますね。

今回のアルバムの中ではちょっと異色に感じるかもしれないけど、「RED LIST」はゲームで言うところのトゥルーエンドというか。“トゥルーエンド”と言っても“ハッピーエンド”ではないですけど。今回のアルバムは大人っぽさを打ち出しているじゃないですか。ここまでの楽曲を提示した最後に「RED LIST」を刺すことによって、バンドからの声だったり、僕からの声だったりが曲調も相まって響くんじゃないかと思ったんですよね。それで、入れることにしました。
トゥルーエンドというか、マーベルの映画とかはストーリーが終わって、スタッフロールが流れて終わったと見せかけて、最後にもうちょっと続いたりするじゃないですか。僕は、あの“ちょっと”が【lipper】だけに入っている「Sunday」だと思っています。で、【MASTER EDITION】の“Extend Song”の「ID:ID」と「RED LIST」は、映画のBlu-rayを買ったらディレクターズカットで未公開のシーンが入っていて、それによって実はエンディングが違うっていうことがありますよね。それだと思っているので、そういう解釈をしてもらえば、より際立つと感じています。
このアルバムをひとつの映画だと考えた時、“全部夢だった…”というのもありだと思ったんですよね。僕の中では“メタバース”という言葉から“仮想空間”がまずひとつあって、これが総て仮想空間での出来事だとしたら、「RED LIST」でやっとひとりの人間として答えを導くというか、現実を最後にバーン!と叩きつけるという。ただ、歌詞的には希望に満ちた曲ではあるので、その答えを持って最後の「PW:ReAct」というSEで、もとの世界に帰ってくるというイメージです。
「RED LIST」のギターに関しては楽曲的には一番馴染みに近いところなので、何も困るところがなく…ただ、弾けないというのとは違った難しさがあって、レコーディングで一番つまづいた曲でもあって。今までどおりのことを今までどおりに弾いたらなんか違うんですよ。今までどおりのマインドで弾くとつまらなくなるのでどうしようかと思って…先にYuhがギターを入れて、彼がイメージしているところに自分のギターを収めることはできるけど、寄り添った上でいつもとは違った色づけをしないといけないというのがあって試行錯誤しましたね。その結果、いいところに持っていけたと思います。

同感です。それに、「RED LIST」「ID:ID」「Sunday」はおまけ的な印象はまったくないですね。

単なるボーナストラックみたいな扱いにはしたくなかったんです。このアルバムの内容を発表した当初は“Bonus Track”と書いてあったんですよ。でも、3曲とも大きな意味を持った曲だから「Sunday」は“Bonus Track”というのは消して、「RED LIST」と「ID:ID」は“Extend Song”にしてもらいました。

今回の『M.E.T.A』は音楽性で新たな魅力を提示しつつも楽曲やアレンジはライヴを想定していたり、歌詞がオリジナリティーに富んでいたり、映画を思わせる遊びが入っているなど、vistlipらしさを継承しているのがいいですね。

自分たちでもいいところに落とし込めたと思っています。現段階でやれることを、『M.E.T.A』でやりきった感覚があるんですよ。100点をつけられるかと言うと人生観的にまだまだだけど、すごくいいものができたと思っています。ライヴも含めて、今後がこんなに楽しみなのは久しぶりというか。そういう作品になりましたね。
僕らはいつもアルバムを作るとライヴやジャケット、写真、映像といった全部に筋を通して一貫性を持たせようとしているけど、ここは無理だったということが今まではあったんですよ。今回はそれがないからすごく自信があるし、智も言ったようにアルバムが出たあとが本当に楽しみです。

早くファンやリスナーの方に聴いてほしいです。4月から5月にかけて『M.E.T.A』を携えた東名阪ツアーが控えていますね。

僕らは2021年10月の13周年ライヴ『Screams under the Milky Way』の辺りから演出にも凝るようになってきて、その第1段階の集大成が『M.E.T.A』のツアーだと感じているんです。だから、アルバムの世界観どおりにライヴ会場が仮想空間みたいに感じるライヴをしたいと。きっと実現できると思うので期待していてほしいです。
サラッと弾けるようになるのが大変な曲が何曲かあるんですよね…。主に瑠伊という人が書いた曲ですけど(笑)。あとは、ライヴでCDどおりに弾くと音像が絶対にぶれてしまう曲があるんですよ。それをライヴに向けてソリッドな方向に持っていくのか、むしろ楽曲に溶け込んでいい解釈で広がった方向に持っていくのか、その辺りを今度のツアーやその後のライヴで試して、最善のかたちで提示できるようにしたいですね。試行錯誤する中でまた新たな発見や気づきがあって、それは次の作品につながっていくと思うし。そういう部分も含めて、今後のライヴをすごく楽しみにしています。

取材:村上孝之

アルバム『M.E.T.A.』2022年3月30日発売 マーベラス
    • 【Master Edition】(CD+DVD)
    • MJSA-01339〜40
    • ¥5,940(税込)
    • ※初回生産限定
    • 【vister】(CD+DVD)
    • MJSA-01341〜2
    • ¥3,960(税込)
    • 【lipper】(CD)
    • MJSA-01343
    • ¥3,300(税込)

ライヴ情報

『vistlip ONE MAN LIVE TOUR 「META TOXIC」』
4/21(火) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
4/28(土) 大阪・梅田CLUB QUATTRO
5/06(金) 東京・中野ZERO 大ホールライヴ

vistlip プロフィール

ヴィストリップ:2007年結成。リアルで等身大な言葉を紡いだ歌詞と、多種多様な要素を融合させた楽曲にキャッチーなメロディーライン、時折ラップも織り交ぜた他に類を見ないミクスチャー感を持つビジュアル系ロックバンド。ひと言では言い表せない世界観とメンバーの特異な個性が際立つパフォーマンスを武器にしたライヴは必見。結成日の7月7日にはZeppTokyoにてワンマン公演を行なっており、毎年たくさんのファンで会場は埋め尽くされる。vistlip オフィシャルHP

「無音」Lyric Video

「BGM「METAFICTION」」MV

OKMusic編集部

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