【かねやん的アニラジの作り方】第3
0回 VTuberとご一緒させていただい

 先月ドワンゴさんからのお勧めで弊社の番組「木島隆一のこのブタ野郎」のゲストに「にじさんじ」のVTuberさんにお越しいただきました。長く仕事をしていると様々な出会いがあるものですが今回も大変面白い体験をさせていただきました。

 VTuberは「バーチャルYouTuber」という意味で、バーチャルキャラクターが動き、その「中の人」がしゃべる動画をYouTubeなどの動画配信プラットフォームにあげているエンターテインメントということです。
 僕も「にじさんじ」という名前はおととしのコミックマーケットのベルガモブースのそばだったこともあって、その存在は知っていましたが、具体的にどういうVTuberがいてなんてことはまったく知りませんでした。今回ゲストに来ていただいたのは不破湊さんというホスト系VTuberで、木島さんがホストのキャラクターを演じていることもあって親和性が高かったようです。とはいうものの、僕から見ると生身の人間とモニターの中にいるバーチャルキャラクターが話をするという光景がどう考えても盛り上がるとは思えなかったんですが、案に相違して番組は大盛り上がり。番組スタート以来最高の盛り上がりとなりました。
 まず驚いたのは不破さんの大変な人気です。Twitterのフォロワー53万人。確かに大きな数字ですが50万人ぐらいの数字は声優界でも何人かおられ、驚くほどではありません。しかしその熱量はかってみたことがないほどでした。僕も事前に何人か20歳代の声優さんたちに調べてみましたが、彼のことを神のように饒舌に僕に語る人がいる一方、知らない人はまったくしらない。これまで新しい文化が生まれるたびに「僕の知らない日本がそこにある」と言ってきましたが、まさにそれが当てはまります。
 次に驚いたのがこれらの動画を好きな人たちが、もともとゲーム実況動画からたどり着いているということ。最近、声優さんと配信番組をつくろうとなると必ず出てくるアイデアが「ゲームをやりたい」というアイデアです。僕のようなおじさんから見ると、まともにしゃべることができないからゲームなんかに頼りやがってと否定的に考えていました。しかし、ゲームをするという行為が、ある一定の世代においてはコミュニケーション空間のど真ん中に存在するということがよくわかります。違うと言われるかもしれませんが我々が新聞やテレビをネタにして番組を作ってきたのと同じなのかもしれません。
 その一方で件のVTuberさんの話を聞いていると「運営に無人島に連れていかれ」とか言っている。(バーチャルキャラクターが無人島でどう表現されているかについてはその動画をご覧いただくとして)このあたりは「新世紀エヴァンゲリオン」で人気が出た宮村優子さんを冬の日本海の漁船に乗せ、漁師さんの横からラジオで中継した私と差はありません(その当時は運営とはいいませんでしたが)。そういう意味でテクノロジーの進歩によって育まれたエンターテインメントの領域と変わらぬ人間くさいつくりを融合させていく。人間とは常に楽しいこと、面白いことを発明していく生き物だとあらためて刺激になった一夜となりました。

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