乃木坂46ナンバー1頭脳女王・中田花
奈が「アイドルはパフォーマンスして
なんぼでしょ!」を証明する

 ニコ生で『生のアイドルが好き』という他グループをゲストに迎える番組のMCを務めていることもあり、中田花奈が「ホンモノの」アイドル好きであることは乃木坂46ファン以外にも知られている。そんな中田だが、小学校低学年の時にモーニング娘。にハマるも、中学時代はアイドルへの関心が薄かった。

 アイドルにのめり込むきっかけは『ミュージックステーション』で『10年桜』を歌っていたAKB48。当時はモデルが好きだった中田は、アイドル的ではない篠田麻里子の姿に目を奪われる。劇場公演は抽選の壁が高かったので、友達と一緒に『マジすか学園』のコスプレをして握手会に行った。もちろん、中田はサドのコスプレだ。

 その後、AKB48内で好きなメンバーが増えていく。柏木由紀のダンスは今でも参考にしているし、永尾まりやには「応援したい」という気持ちが強くなって「推し」の感情が芽生えたという。さらに48G以外のグループにも興味を持つようになっていった。

 乃木坂46に応募したのは父親が勧めたから。「芸能界に入りたいとは思ってなかった」という中田だが、「乃木坂46に受かってすぐに通っていた高校を転校することを決意できたのは、きっと心の中でアイドルになりたい気持ちが強かったのかな」と、自分の中にアンビバレンツな気持ちがあったことを明かしている。生半可な気持ちでアイドルに取り組んでいるわけではないのは確かだ。

 乃木坂46に入る前と入った後では、アイドルの観方が変わったという。現在はパフォーマンスを研究する目的もあり、「応援」から「尊敬」になったのだ。好きなアイドルの傾向も変わっていった。現在、中田の口から出ることが多いのは、東京女子流やJuice=Juice、愛乙女☆DOLLといった、5~6人で編成されて確固たるパフォーマンス力を持っているグループ。あえて乃木坂46と色が違うグループを観ることで、自分にとってもグループにとってもプラスになるように……と考えているのかもしれない。

 アイドルヲタのイメージが強い中田だが、実はダンスのクオリティが高い。3歳から中学受験までバレエを習い、中学ではバトン部に入り、高校に入ってからはヒップホップダンスをはじめた。そのベースに自身が観てきたアイドルのエッセンスを加えているので、中田のライブパフォーマンスは多くのファンを惹きつけているのだ。

 そんな中田にとって乃木坂加入以降でもっとも燃えているように感じられるのが、4月からスタートしたアンダーメンバーによるライブ。乃木坂46全体のライブでは難しくなってきた1000人規模のライブハウスでのパフォーマンスは、彼女が望んでいたアイドル像のひとつ。「アンダーライブのためにレッスンに時間を費やしていると、これこそアイドルだなって思うんです」と語っている。

 自ら「私の名言」と言ってはばからない「アイドルはパフォーマンスしてなんぼでしょ!」を体現すべく奮闘中の中田。6月28日、29日に六本木ブルーシアターで行われた9thのアンダーライブでは、声出し合戦などで永島聖羅とともに盛り上げつつ、パフォーマンスでしっかり観客を魅了していく(「止める動き」がうまい!)。自身のセンター曲である『春のメロディ』では艶やかなダンスを見せ、『おいでシャンプー』ではリリース時のようにフロントを務めて自信にあふれた表情で客席に目線を送った。

 とはいえ、中田はアンダーで満足しているわけではない。「上を目指す意識があるから、ライブもがんばれると思うんです」と語っている。今は選抜常連になることが目標になってくるだろう。その先には『おいでシャンプー』以来のフロント復帰だって不可能ではないはず。中田花奈はそれだけのポテンシャルがあり、努力することを忘れていないのだから。

大貫真之介 アイドルとお笑いを中心に執筆。乃木坂46写真集『乃木坂派』、『EX大衆』、『TopYell』、『日経エンタテインメント』、『an an』アイドル特集号、などで乃木坂46のインタビュー記事を担当した。

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