嵐のメンバーが“結成の地”へ 9月
ハワイ公演の意義とは?

(参考:・二宮和也はどう“居場所”を作ったか 歌手・俳優としてのスタンスを読む)

 1999年9月15日にハワイ州ホノルル沖のクルーズ客船でデビュー記者会見を行い、結成およびCDデビューが発表された嵐。そんな彼らにとってハワイが特別な場所であることは当然だ。櫻井翔は『日経エンタテインメント!』2014年7月号のインタビューで次のように語っている。「僕らって15年前、ハワイ会見の1日前までは、別に何者でもない人間だったわけですよ。それが船上で会見をやったあの瞬間から”嵐”になって、いわば産み落とされた。人生がまるまる一変してしまった場所なんです」。ハワイに帰ることの本当の意義は「理解されないかもしれない」という櫻井。はじめは馴染みがなくて少し気恥ずかしかった「嵐」という名前がいま、自分たちにとって大切なものとなり、はじまりの場所へ戻ってコンサートを行うことができる。「僕らにとって誇らしいことって他にない。あの地でライブをやりたい究極の動機はその一点に尽きるんです」。

 自身のライブ体験は遅く、初めてのライブは事務所の先輩の後ろで「出る側」だったという櫻井。しかし自分でチケットを握りしめ、足を運んだライブのことは今でも覚えているという。昨年ニューヨークでジェイ・Zとジャスティン・ティンバーレイクのライブを観たあとは「このワクワクした感覚はいつまでも忘れないでおこう」と5人で誓ったそうだ。ライブパフォーマンスの評判から人気に火がつき、いまや日本で一番チケットの取れないアーティストになった嵐。そんな彼らにとってファンと直接コミュニケーションのとれるライブはいまも昔と変わらず特別なもの。何が起こるかわからない、そんな「生」の時間を同じ場所で共有できる。そうやってファンと一体になれるライブは彼らにとってもかけがえのない貴重な体験なのだ。

 今回のハワイ公演について二宮和也は「15周年の記念にハワイへ行くという感覚ではなく、嵐が次へ向かってちゃんと走り出せているというのが見える、そういう公演にできればいいなと思います」とコメント。櫻井も「個人的には15周年記念というよりは20周年に向けた糧のひとつにしたい。後々振り返ったときに、今回のライブが次のステージへの助走というか”はじめの一歩”になればいいなという思いでハワイを設定した」と語る。彼らにとって「第二章」の幕開け、次なる伝説に向けて嵐はすでに走り始めている。(北濱信哉)

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