【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ
曲~あの人のルーツはこの10曲~】9
月度ヘビーローテーションアーティス
ト・DENIMS編

大阪のラジオ局、FM802が自信を持って1ヵ月間毎日、特定の楽曲をOAするヘビーローテーション。そのヘビロアーティストに、自身のルーツとなる楽曲のアンケートを取り、その話を交えながらFM802DJがインタビューする企画【FM802✕SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】。今回は、2020年9月のヘビーローテーションアーティスト・DENIMSのギター・ボーカル、釜中健伍と、ギターの岡本悠亮にインタビューを敢行。9月16日(水)にリリースした3rdミニアルバム『more local』に収録されている「I’ m」が9月度のヘビ―ローテーションに選ばれた。今回の対談はFM802で『WEEKEND PLUS』(毎週土日5:00-07:00)と『802 Easy Luck』(毎週水曜日24:00-27:00)を担当しているDJの田中乃絵が、バンド結成までの流れや、ルーツとなる曲に出会った経緯、ヘビロ曲、アルバムに込めた想いからDENIMSの芯となる部分についてを訊いた。
釜中健伍
●作ってきた環境があるから、それを崩したくないという気持ちもある●
ーーDENIMSといえば、以前からFM802にはご出演いただいておりましたが、今回9月度ヘビーローテーションに選出されたということで、改めてDENIMSはどういうキッカケでスタートしたバンドなのかお伺いしたいと思います。
釜中:僕と、まっつん(=松原大地、Ba)、えやmax(=江山真司、Dr)が前身バンド・AWAYOKUBAを組んでいたんですが、キーボードが抜けちゃって解散して。そこにおかゆ(=岡本)くんが入ってDENIMSとして2012年に新しく始動したという形です。
ーーおかゆさんとの出会いはどのような経緯で?
釜中:おかゆくんは隣町のヤンキーで……。
岡本:ヤンキーちゃうわ。
釜中:やんちゃなひとで。僕の先輩バンドと一緒にやってたということもあって間接的には知ってたし、暇そうにしていると聞いていたので、おかゆくんの弾き語りライブを観に行ったんです。
ーーそこでビビッときたと。
釜中:弾き語り自体は、色んなエフェクターをアコギに繋いで演奏してて、 宇宙系といいますか、正直どういう音楽性なのかあんまりわからなかったんですけど、ライブの後の物販コーナーで、紙粘土で作った宇宙人の顔とか物販で売ってたんですよ。
岡本:磁石を埋め込んで冷蔵庫に貼れるように作ったやつね。
釜中:それ見てセンスのある人なんやろなとすごく思ってお願いしようと思いましたね。宇宙人買いましたし。
ーー買ったんですね(笑)。DENIMSの皆さんといえば大阪というイメージがすごく強くて、FM802でも長年オンエアさせて頂いてます。大阪の音楽好きには「大阪にDENIMSあり」という共通認識がずっとあると思います。大阪という街に居続ける理由はあるのでしょうか?
釜中:実は2年前くらいまでは、東京に行こうという話もしてたんです。でも考えが何周もしたというか、もういいかという気持ちになりましたね。普段からお世話になってるスタジオとか、作ってきた環境があるから、それを崩したくないという気持ちもあるのかもしれないです。なんだかんだで今の環境はすごく気にいってますね。
岡本:でも「絶対俺たちは大阪でやっていくんや」という気持ちでやってるわけじゃなくて、自然とそうなった感じですね。
ーー先程、普段からお世話になっている環境と仰っていましたが、DENIMSは、音楽界隈はもちろん、そうじゃない場所にも、とにかく仲間が多いというイメージがあります。どうやって出会っていったんでしょうか?
釜中:ライブハウスかな? でも新しく出会った人ってそこまで多くないのかもしれなくて、バンドやるかやらないかぐらいの時に友人だった人との繋がりとか。その時に出会った人たちで、30歳超えても自分のやりたいことをまだ続けている同世代くらいの人たちは未だに繋がっていて、連絡取って協力してもらったりという感じですね。
ーー今に至るまでいろいろな道を通ってきたからこその繋がりということですね。
岡本:そうですね。本当に出会いはたまたまの連続です。僕は高校中退して工場やライブハウスで働きながらバンドやってた時期もありますし、バンド解散しちゃって暗黒期も経験しました。磁石入りの紙粘土人形作ってたのもその時期ですね。当時は知り合いの劇団でお芝居やったり、自分でも何がしたいのか分からなかった。だから当時知り合った方々はみんな今の状況を見て「良かったね」と言ってくれますね。
田中乃絵
ーーカマチュー(=釜中)さんとの出会いはきっと運命だったんですね。
岡本:実は一回、誘いを断ってるんですけどね。でも今までずっと自分から色々やってきて失敗したし、僕を必要としてくれてる人と一緒にやってみるのが合ってるのかもと思ったんです。
●そのバンドのルーツを掘り下げるのが楽しくて●
ーーそんな色々な経験をしてきたDENIMSのお二人ですが、音楽的なルーツもお聞きしていきたいと思います。今回ルーツとなる10曲を選んでいただいておりまして、まずどういうふうに選んだ楽曲なのでしょうか?
釜中:そもそも僕らルーツが全然違うので、おかゆがDENIMSやるとなってから、教えてもらった僕らの共通の部分となる曲と、僕の好きな自分を形成するような曲と、ライブの登場曲にも使ってるバンドにすごく馴染みの深い曲を選びました。
ーー共通の部分がいわゆるDENIMSの音楽的な原点ということですね。どの曲なんでしょうか?
釜中:ビートルズ「Two Of As」、クーラー・シェイカー「Hey Dude」、ブラー「Charmless man」、エレクトリック・ライト・オーケストラ「Mr.Blue Sky」ですかね。
岡本:あとベックの「Where It’ s At」もそうやね。
ーー本当にこの音楽があって、今のDENIMSがあるんだなというのが良く分かる10曲の選曲だなと感じたんですけど、結構年代わりと古めのものもあったりするじゃないですか。この音楽との出会いはどのようなものだったんですか?
釜中:高校生ぐらいの時にレッド・ホット・チリ・ペッパーズとかレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとか、他にもラップミクスチャーとか色々好きで、邦楽だとウルフルズとかも好きだったんです。そのバンドのルーツを掘り下げるのが楽しくて、掘っていったら、ファンクとかソウルが根底にあるのかなと。それから当時の先輩と背伸びして昔のファンクとかを聴いた時期があって、そこから昔の曲も好きになりましたね。
岡本:僕は最初ビートルズが好きになって、ザ・ローリング・ストーンズ、キンクス、ザ・モンキーズとか聴くようになって、そこからどんどん遡っていきました。50年代のカール・パーキンスとかリトル・リチャードとかもすごく好きで聴いてましたね。そこからどんどん聴く幅が広がっていって、90年代のブラーとかも好きになっていってという感じですかね。
●せめぎ合うということは、自分をまだ諦めてないんだなということ●
岡本悠亮
ーールーツのルーツを聞くのも面白いですね(笑)。この10曲を聴いて形成されてる今のDENIMSが、9月16日(水)にニューミニアルバム『more local』をリリースされました! そしてその中の一曲「I’ m」が9月度ヘビーローテーションということで、今月たくさんオンエアさせていただいております。
釜中&岡本:ありがとうございます!
ーー「I’ m」は英詞から始まるし、ピアノの音が入ってたりとか、DENIMSにとっても新しい曲だなと思いましたが、この曲はどのように出来上がりましたか?
釜中:ピアノで歌って英語で歌いたいという原案は、実は一年前くらいからあって、最初みんなで合わせた時にこれは良い曲やなと思ったので大事にしてました。あたためすぎて形にしないまま1年間ぐらい経っちゃったんですけど(笑)。このコロナの自粛期間が制作期間に入っていたので、このタイミングでしっかり歌詞を書いてみようということで、友人に訳を手伝ってもらいながら完成させました。
ーーめちゃくちゃいい曲ですよね。いつものDENIMSのイメージと言えば、踊れるファンクっぽさだなと思うんですけど、この曲はいつもよりゆったりしてる。でもちゃんとDENIMSらしさがある曲だなと感じます。この曲は「I’ m」というタイトルの通り、自分自身のことを歌ってらっしゃいますよね。2015年にリリースされたミニアルバム『Daily use』に収録されている「It's me」という曲も自分のことについて書かれた曲だと思うのですが、その頃との変化はありますか?
釜中:やっぱり今までは卑屈だったりその反骨精神とかが原動力になったような歌詞の書き方だったんですけども、「I’ m」はしっかり自分を受け入れて、認めた上で新しい挑戦をして行こうというような意識で書いた曲なので、今までより一歩踏み出せた曲になったと思ってます。
ーー自分を受け入れる、認めるのってすごく難しいことだと思うんですけど、いろんなことが多様化してきたなかで、一番大事になってくるのは、自分自身がどう考えてどう生きていくかという「自分らしさ」だなと思うことがあって。お二人が生きてる上で大事に思ってることや、信念として「ここは自分らしさだ」と思って胸を張って言えることはありますか?
釜中:僕たちの活動って、自分がやりたいと思って始めて、いわゆる0から1にして来たものだから、その最初のエネルギーは大事にしたいなとは思っていて。初心を大事にじゃないですけど、一番初めに思っていた「こういう曲が作りたい」「こういうライブがしたい」とか、そういうモチベーション、考え方こそ自分たちらしさだと思って大切にしていますね。そこを忘れないようにしないと、いつのまにかズレてきちゃうということもあると思うので。
ーーおかゆさんはいかがですか?
岡本:自分らしくあるためにこうしていきたいという、これからの話になっちゃいますが、周りに気を使わないでいこうと思っています。気を使って自分を殺してしまうことが癖付いてきてるなと思って。自分のやりたいことや、興味あったりとかすることでも周りに気を遣って、自分の中で勝手に完結させてしまうことってあると思うんです。それがもったいないと感じてきていて。ちゃんと主張していかないと、生まれるものも生まれないですよね。
ーー確かに。ぶつかることで変化したものが結果として良いものだったりします。今回のミニアルバムも変化とか変わっていくという言葉やニュアンスとしてたくさん出てくる一枚だと思うんです。一曲目の「Crybaby」だと<変化を恐れず>とか、3曲目の「The Lights」には変化という直接的な表現ではないですけど<今は止めないで回し続けてく>とか。あえてこういった言葉を選んでいるのでしょうか?
釜中:製作中にずっと考えていたのは、変わりたくない気持ちと、変わりたい気持ちのバランスをうまく取らないといけないという部分だったので、それが出ているのかもしれないです。変わりたいという気持ちが大きくなると、芯がなくなって別に自分たちじゃなくてもいいんじゃないかと思うし、逆に変わりたくないという気持ちが大きくなると、進化も成長もしない。だからどっちも良いバランスで釣り合ってるのがベストだと思うようになりましたね。
ーーちなみに『more local』というタイトルに込めた想いはどういったものなのでしょうか?
釜中:タイトルの意味として、地域的なローカルというよりも、精神的な部分での限定という意味合いとしてのローカルと考えていて、先程言ったバランスを取るための芯となる部分をより強くして行こう、大事にしていこうという気持ちを込めてます。芯をしっかり持つことで、変わろうとした時の振り幅もすごく大きく出るというか。だからピアノだったり、英詞だったり新しいことに挑戦しても怖くないと思えましたね。
ーーすごくDENIMSが持つ芯の部分が詰まった一枚になってますね。これからも変わらないんだけど新しいものを届けてくれるバンドになってくれる予感がします。
岡本:本当にそこを目指してます。新しさ、変わらなさどっちもあるバンドになりたいですね。
釜中:バランスを取ると言っても、やっぱりどうしてもどっちかが行き過ぎる時もありますけど、そこでせめぎ合ってるということは、自分をまだ諦めてないんだなということだなと僕は思うので、そこも大事にしていきたいです。
ーー自分を諦めてないって素敵な言葉ですね。新しくなっていくけど変わらないDENIMSをこれからも楽しみにしています。FM802にもまた来てください! 本日はありがとうございました!
FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~
文=城本悠太 撮影=渡邉一生

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