【この2.5次元がすごい】歴史ファン
も納得の物語とさらに期待が高まるそ
の先 「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の
志士たち」

 やはり今回も面白かった! ……ということで今回振り返るのは1月18日に全公演が終了した「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」です。
 歴史上の名立たる刀剣が刀剣男士として歴史を守るために戦うシミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」。ゲームを原案として舞台(ストレートプレイ)やミュージカル、アニメ、実写映画と様々なメディアミックスが展開しています。それぞれ違うストーリーが描かれているのが魅力のひとつ。時間遡行軍との戦いだけでなく、本丸で過ごす中で成長していく刀剣男士たちを見守るなかで観客にいろいろな気づきを与えてくれる「刀ステ」こと、舞台『刀剣乱舞』。文久土佐藩を舞台にした「維伝」では坂本龍馬や龍馬に縁のある刀剣男士たちの葛藤や思いが描かれていました。
歴史ファンも満足のしっかりとした物語
 舞台は1863年の文久土佐藩。そこは通常の歴史とは違い、吉田東洋率いる土佐勤王党が恐怖政治を敷く世界で、坂本龍馬の愛刀である陸奥守吉行をはじめとした5振りが出陣することから物語は始まります。坂本龍馬の物語は日本人には馴染みが深く、いろいろな作品で取り上げられていますが、今回の「維伝」でもファンタジーながらも核となる部分はしっかりと重く描かれていました。歴史人物として「維伝」には坂本龍馬、武市半平太、岡田以蔵、吉田東洋が登場していますが、それぞれが自分たちの信じる未来を見つめ日本を変えようと葛藤する姿には心を動かされました。
 例えば、土佐藩には階級制度があり、藩主の下には上士と下士が、さらにその中でも階級が細分化されていました。生まれながらに身分に縛れられて生きる時代でした。坂本龍馬たちが日本を変えようとする気持ちの根っこにこういった制度があるということが感じられ、目指すものは同じなのに道を違えるそれぞれの正義に会場では涙する人も多かったように思います。
 ここに、刀剣男士たちの正義も重なり、いくつかの物語が交わるように舞台は展開されていきます。脚本・演出はもちろん今回も末満健一さんが手がけていますが、これぞ! という末満さんの世界を楽しむことができる内容でした。「刀ステ」のファンはもちろんのこと、歴史ファンが観ても大満足できたのではないでしょうか。
刀剣男士の姿から感じる歴史人物の思い
 今回は前作の「慈伝 日日の葉よ散るらむ」で初めて登場した蒼木 陣さん演じる陸奥守吉行のほか、今作から新しく登場する櫻井圭登さんが演じる肥前忠広や、三好大貴さん演じる南海太郎朝尊など刀剣男士計7振りが戦いを見せてくれました。
 どの刀剣男士もそれぞれの思いを胸に戦う姿が素敵だったのですが、なかでも印象的なのが肥前忠広を演じた櫻井さんです。肥前忠広は岡田以蔵の刀剣で、岡田以蔵はまたの名を「人斬り以蔵」と呼ばれていました。天誅と称し暗殺を繰り返したことからそう呼ばれているのですが、果たして彼は人を斬りたかったのでしょうか? 身分制度に縛られ学もない中、剣術に才能を見い出し生きてきた以蔵。その以蔵の心の叫びを表現するかのような肥前忠広を演じる櫻井さんは、公演前の会見で「自分の中でも新しい扉を開けたよう」と役について振り返りながら「自分にできることを精一杯出し切りたいと思います」と話していました。まさにその通りで見ている人の心を揺さぶる肥前忠広を演じていたように感じました。
 もちろん、刀ステの本丸に続く物語も進んでいくため、今まで応援してきた観客にとっても引き続き目が離せない展開となっています。そして刀ステは早くも、次回作として和田琢磨さんが演じる歌仙兼定の物語が夏に上演されることが決定しています。また、今年は原案「刀剣乱舞 -ONLINE-」が5周年を迎えるメモリアルイヤーということもあり、8月11日にはミュージカル『刀剣乱舞』や舞台『刀剣乱舞』を中心として合同で行われる大型イベント「刀剣乱舞 大演練」が東京ドームで開催されることも決まっています。それぞれのメディアミックスが展開している「刀剣乱舞」が合同でどういった世界を見せてくれるのか……今年も目が離せません!

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