【インタビュー】RAZOR HIGHWAY「ル
ーツは全員ハードロック」

元ポール・レイモンド・プロジェクトの深澤AKI(Vo)を中心に、プログレメタル五人一首のギタリスト:髙橋史男(G)、シンフォニックメタルANCIENT MYTHの田中 輝臣(G)、メロディックメタルVelmentiAの池田督樹(B)、スラッシュメタルALICE IN HELLの福嶋幹人(Dr)という国内シーンのベテラン勢によるRAZOR HIGHWAYが遂にデビューアルバムを10月23日にリリースする。

彼らが集結したサウンドがどんなものなのか、制作の中核を担う深澤AKI(Vo)と池田 督樹(B)へのインタビューをお届けしよう。
──デビューアルバムが完成しましたね。

AKI:池田くんとは出会ってからずいぶんと経つんだけど、一緒にやろうと曲を作り始めてからももの凄く時間が経っていて、その間にお互いのプライベートな問題も乗り越えて今のタイミングで一気にまとめて完成したので、とても感慨深いですよ。

池田:このバンドはシンプルに作ろうとはしていたものの、全てが出来上がるまではかなり時間がかかりましたから、僕も同感ですね。

──メンバー皆さんベテラン勢ですが、AKIさんはポール・レイモンド・プロジェクトに参加していましたね。

AKI:1989年くらいに遡るんですけど、当時ポール・レイモンドが日本に住まわれていてね。ポールがエンジェルのフランク・ディミノ(Vo)と大谷レイブンさん(G)とLOUDNESSの山下さん(B)とでミニアルバムをリリースしたんです。だけど、フランクがアメリカに帰国してしまって日本には戻って来ず、でもポールは日本で音楽を続けたくて在日していて、ある時、ポールの奥さんに僕のデモテープを渡したら、ポールから電話が来て「一度家に遊びに来ないか?」と。ご自宅に伺ってみたら、広いリビングにグランドピアノがあって、マイクもセッティングしてあって「今デモを作っているんだよ」と。それで曲を聴かされて「お前歌ってみてよ」と。初見の曲を何とか歌ってみたら、それが後々ブートレッグになっていたの。これが始まり。その頃、ポールの作る曲はボン・ジョヴィぽかったんですけど、何曲かはマイケル・シェンカーぽいものもあって、あれ?と思っていたら、ギターを弾いていたのは中間英明さんだったんです。中間さんもマイケル・シェンカーが大好きだから、ポールとも親交があったようなんですね。でもポールは、メタルよりもブルース色のあるロックがやりたかったのね。僕もフェイセズやロッド・スチュワートが好きだったから、ちょうど合っていたんだと思う。

──そこから様々なバンドと年月を経たわけですね。このRAZOR HIGHWAYのメンバーはすぐに決まったんですか?

AKI:これまで歳上の方とやる機会が多かったので、必然的に音楽的にもちょっと古いタイプのものが多かったんです。自分もクラシックロックは好きだけど、でもヴァン・ヘイレンやアイアン・メイデンのデビューを10代に体験していたから、メタル魂がずっとくすぶっていたんですね。とにかくメタルバンドをやりたいと思って。そこで池田くんに「一緒にやろうよ」と声をかけたけど、最初は「嫌です」って断られたの(笑)。

池田:最初はバッド・カンパニーをやろうよと言っていたんですけど流れてしまって、そこからなぜかファイヤーハウスみたいなキャッチーなオリジナルをやろうとなって。でも僕が作るとメタルになってしまうし、でもとにかく何も考えずに作ってみようと。

AKI:僕は池田くんが作曲/アレンジ/ミックスもこなせる人だとわかっていたし、自分自身はマニュピレートの部分は出来なかったので、彼ならちゃんとまとめてくれるなと。ギターの高橋くんは五人一首でやっているけれど、リッチー・ブラックモアやイングヴェイやスティーヴ・ヴァイも好きで、でもそういうものを発揮する場がなかった。若いメンバーも欲しかったので、それが田中くん。ドラムは色々なライブを観た上で、福嶋くんだなと。福嶋くんにも最初は断られたんだったよね(笑)。メンバーが決まるまでもすんなりとは行かなかったけど、その間に池田くんと2人で曲は書いていたんです。

──それぞれ路線の違うメンバーが集結した強みや刺激はどんなところに感じていますか?

AKI:ギターは予想もしないソロを入れてきますね。ソロはギタリストに任せているけれど、僕が想像しているものとは完全にかけ離れたものを持ってくるからびっくりするよね。

池田:みんな色々なジャンルをやっているわりに、ルーツは全員ハードロックだからわりとすんなりでしたね、そのすんなりまとまった事にもびっくりでしたね(笑)。

AKI:一体何をやってくれちゃうんだろう?って感じだったけど、全然そんな事はなくて。彼らの事を知っているようで、そこまであまり知らなかったって事かな。何が出てくるのか、楽しみでもありました。

──これまで活動してきたバンドと違う点はありますか?
AKI:例えば海外バンドが出るフェスでオープニングに日本のバンドが出たりすると、やっぱり日本のバンドだけちょっと違和感みたいなものを感じてきたんですよ。僕らは同じ土俵で同じように評価を受ける、そんなバンドを目指したいですね。

池田:最近はストレートなサウンドのバンドが逆に少なくなってる気がしますよね。歌謡メタルとか、やたらと疾走している曲が多かったり。捻らずにストレートなものをあえてやろうとしたのがこのバンドですね。

──アルバムについては、前半がアメリカン、後半がブリティッシュな印象を受けました。

AKI:まず、オープニングSEから「Call of the Wild」の流れは全員一致ですぐに決まったんですよ。最近の音楽の聴き方って、どんどん曲を飛ばして聴かれるでしょ?アナログの頃のように最初から最後まで正座して聴いてはもらえない。だからフックがある楽しい曲を前半に並べようと意識しました。そしてラストはバラードで終わろうと思ったので、こういう流れになりましたね。

池田:「Call of the Wild」は、一番最初にできた曲ですね。「Hungry for Your Heart」は、もともとかなりアクセプトだったので、リフを変えたりテンポを遅くしたりしたらボン・ジョヴィみたくなって。

AKI:キャッチーな曲だから3曲目に持ってきたんです。「Face the Light」では、ディオの「Stand Up & Shout」みたいな勢いのあるメタルをやりたかったし、「Waiting for the Night」はドラキュラの曲なんです。ドラキュラの映画もたくさん観て思い描いたんだけど、でもこれはゴットハードだよね。

池田:僕の中ではシンフォニックなアクセプトなんだけどね(笑)。後半の「Higher Than the Sky」あたりは、メロハーなところもありますよね。

AKI:うん、そうそう。それから後半は、ジューダス・プリーストの重たいバラード調だったり、ブルージーな曲もあるね。「Heart of Steel」もラブソングにも取れるけど、これもゴットハード。スティーヴ・リー(Vo/2010年他界)に捧ぐような曲ですよ。あとは世界の終わりとか混沌を書いた力強い曲や、ラストの「In the Arms of a Stranger」はかなり昔から温めていた曲なんだけど、もともとはニッケルバックみたいな曲だったものを、僕の精魂を込めて作り上げたものです。

──王道なサウンドですけど、国内のメタルシーンでは今までになかった新鮮さがあります。

池田:僕は10代からほとんど海外のメタルバンドしか聴いてこなかったせいか、日本のバンドからは影響を受けていないからかもしれません。ポップスは聴いていたのでベースプレイには影響を受けたかもしれないですが、曲作りに関しては洋楽のみだと思います。

AKI:これは僕も全く一緒で、周りの人から「深澤くん、日本語でも歌ってみようよ」って今まで何度言われたかわからない。「日本語で歌ったら売れるよ」とか「日本人なんだからやっぱり日本語でしょ?」とかね。でもずっと英語でしかやって来なかったし、影響を受けたものが自然に出たのかなと。

──全編英語歌詞ですものね。歌詞の世界観などは?

AKI:最初からメタルアルバムにしたいと思っていたから、メタルの強い部分、マニッシュな男ぽさを出したかったんですよね。あまり女々しくないものにしようと。映画からのインスパイアも多いのと、世の中の情勢とかも多いかな。現実をもっと見ろよって歌ってます。

──AKIさんの歌は、これまでの印象ではデヴィッド・カヴァーデールに感じましたけど、今作はブラッキー・ローレスにも感じます。

AKI:それはね、池田くんの曲が大きいよね。彼は歌メロも作るんだけど、それを「無視していいよ」と言ってくれたんですよ。コーラスやBメロは池田くんのものを活かしてAメロは僕のもので、とか上手くミックスができたんです。自由に歌メロを書かせてくれたけど、彼が書いた歌メロを捨てたわけではなかったから、これまで自分が歌った事のないメロがたくさんあったんですよ。それがカヴァーデールの方程式にははまらなかったし、W.A.S.P.も大好きだから自然と出ちゃったかもしれない。「Laughing on the Edge」だけはブルージーでホワイトスネイクみたいだったからカヴァーデールをちょっと意識はしましたけどね。

──音作りに関してのこだわりは?

AKI:ミックス、マスタリングも池田くんが全てやってくれたので彼に全面的にお任せしました。

池田:デニス・ワード(B/ピンククリーム69、ユニソニック等)の音を聴いて、自分もこういう音作りをしたいとずっと長年作り込んできたものがあったんですよ。なので、それに当てはめつつ微調整を繰り返して作業しました。今までの積み重ねが今回活かせました。

──アートワークもなかなか強烈(笑)ですが、アルバムを聴くと上手く表現されているなと思いました。
AKI:ホント?それは嬉しいです。もうね、ずっと喜国先生(BURRN!連載「ROCKOMANGA!」の作者・喜国雅彦氏による書き下ろしデザイン)にお願いしたかったんですよ、メンバーを押し切ったところもありますけどね。この彼女は、色々なものを成敗してきたところで、このレイザーハイウェイで何人たりとも私の邪魔をさせないような、そんなコンセプトなんです。喜国先生に細かいリクエストをして、更にパワーアップしたものを描いて下さいました。吉と出るか凶と出るかですが(笑)、とにかくジャケットで物凄いインパクトのあるものにしたかったんです。

──実はアルバムリリース前にライブも行われましたね。反響はいかがでしたか?

AKI:それが、自分で思っていたよりも古臭いと思われたんですよ(笑)。自分では結構今の音だなと思っていたんですけど、「1980年代ぽいですね」と言われて。でも、現代のエッヂなんかも採り入れているところも評価して貰えたので、そこは良かったですよ。

池田:僕はちょっと古いところを狙っていたのはあります(笑)。

──東京では11月にレコ発ライブも予定されていますが、その他の予定は?

AKI:具体的にはまだ見えないですが、地方も考えていますよ。特に富山ですね。僕は以前から別バンドで富山に行った際にとても反応も良くて温かくてお世話になったところなので、このバンドでも是非とも行きたいと思っています。もちろん大阪も。

──地方の方も楽しみですね。では最後にファンへメッセージをお願いします。

池田:バラエティ豊かなアルバムになったので、是非聴いていただけたらと思っています!

AKI:今まで日本に居そうで居なかったバンドだと思うのと、単なる1980年代への懐古主義でなく、あくまでも現代のサウンドをやって行きたいと思っているので、皆さんに気に入っていただけたらと思います。

取材・文:Sweeet Rock / Aki
RAZOR HIGHWAY(レイザー・ハイウェイ)『GRACE THROUGH INSANITY(グレイス・スルー・インサニティ)』

2019年10月23日(水)発売
RETS-013 ¥3,000+税
1.ENTER THE WILD BLOOD ~ GOTHIC JUNGLE
2.CALL OF THE WILD
3.HUNGRY FOR YOUR HEART
4.FACE THE LIGHT
5.WAITING FOR THE NIGHT
6.HIGHER THAN THE SKY
7.LOVE IT BLEEDS
8.HEART OF STEEL
9.LAUGHING ON THE EDGE
10.YOU RENEGADE
11.ONE BELIEVER
12.IN THE ARMS OF A STRANGER

【先着購入特典】
■タワーレコード:ジャケット柄缶バッジ
https://tower.jp/item/4950662/GRACE-THROUGH-INSANITY
■ディスクユニオン:ジャケット柄キーホルダー&dues新宿イベント参加券
https://diskunion.net/metal/ct/detail/HMHR190815-001
※特典は先着順。なくなり次第終了。

RAZOR HIGHWAY are
・深澤 AKI / AKI FUKASAWA(Vocal:ex.PAUL RAYMOND PROJECT,THE VOOZE)
・髙橋 史男 / FUMIO TAKAHASHI(Guitar:五人一首)
・田中"031"輝臣 / TERUOMI"OMMY"TANAKA(G uitar:ANCIENT MYTH)
・池田 督樹 / MASAKI IKEDA(Bass:VelmentiA)
・福嶋 幹人 / MIKIHITO FUKUSHIMA(Drums:ALICE IN HELL)

<RAZOR HIGHWAYライヴ>

11月30日(土)
@東京・渋谷 CYCLONE
with BELLFAST / Kelly SIMONZ's BLIND FAITH

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