V6はグループで再ブレイクできるか
 “個性派集団”のポテンシャルを検

 『ガチャガチャV6』は、V6のメンバーがプロアマ問わず、とにかく「日本一すごい人たち」に体当たりロケを挑むバラエティ番組だった。対する『アメージパング』は、日本人以上にニッポンが大好きな外国人とともに、日本の魅力を世界に発信していくという内容。どちらも、V6がかつて『学校へ行こう!』で培った“素人いじり”のスキルを活かした番組といえよう。

 もっとも『ガチャガチャV6』は各メンバーが単体で出演することが多く、メンバー6人が揃う姿はあまり観られなかった。現在、V6がグループとして持っている番組はこの深夜枠のみのため、久しく彼らが集合したところを目にしていないというファンも多いのではないだろうか。

 ジャニーズの動向に詳しいジャニ子氏は、現在のV6の活動について次のように語っている。

「井ノ原快彦さんは、頼れる兄貴役という感じでトークバラエティなどで堅実に活躍を続けています。ジャニーズとしては珍しく既婚者のイメージを活かしていて、若いファンにとっては憧れの父親像的な部分もあるのではないでしょうか。坂本昌行さんは朝の情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ)などで活躍しています。長野博さんは、グルメリポーターとして一定の評価を得ています。年上の三人は、主婦層を中心に支持を集めている印象ですね」

 いっぽうグループ内では若手にあたる三人は、それぞれの個性を発揮している。

「森田剛さんは舞台を中心に活躍していて、2011年には三島由紀夫原作の『金閣寺』にて主演を務めるなど、硬派な役柄をこなす舞台俳優として着実にステップアップしています。かつてはヤンチャなイメージでしたが、舞台では実力派として認められているようです。三宅健さんは昨年、『アウト×デラックス』(フジテレビ)で果敢に下ネタを披露し、ジャニーズとしては異例とも言える“暴露キャラ”を確立しつつあります。うまくいけば、バラエティ番組で独自のポジションを狙えるかもしれませんね。岡田准一さんは、すでに俳優として超一流になった感があります。あまり素をさらけ出さないところが、俳優という職業に合っていたのかもしれません」

 メンバー個々の活動が目立つ現在のV6だが、グループが結束すれば再びムーブメントを起こせる可能性もあると、同氏は指摘する。

「V6はメンバーそれぞれに個性があり、強みもはっきりしているのですが、その分、抱えているファン層がバラバラになっていて、全員でひとつの番組を持つのが難しい面もあったと思います。視聴率を稼ごうと思ったら、ある程度どういう層に向けての番組なのかを明確にする必要があると思うのですが、現在のV6だとその方向性が今ひとつ定まらないのも事実でしょう。しかし、これは裏を返せば幅広い層のファンを抱えているということでもあるので、グループでいるからこその魅力をしっかりとアピールすることができれば、再びお茶の間で人気を博す可能性もあるのではないでしょうか」

 そして、グループとしての強みを活かすためには、「CDのリリースが大切になる」と同氏は続ける。

「V6は『愛なんだ』や『waになって踊ろう』といった、誰もが知っているような名曲を持っていますし、『HONEY BEAT』は後輩のSexy Zoneなどにも歌い継がれています。そのため、若いジャニーズファンにとっても親しみやすいグループのはずです。2013年の8月に『君が思い出す僕は 君を愛しているだろうか』以降、CDの発売をしていない彼らですが、今後彼らの多様性を活かした作品がリリースされれば、6人での露出も増えるでしょうし、結果的にベテランのジャニーズグループとしての貫禄を印象付けられるかもしれません」

 現在、個々でのポテンシャルが際立つ活動をしているV6だが、グループとしての存在感を高めると、より一層飛躍する可能性もあるのかもしれない。新番組に期待を寄せるとともに、新作CDのリリースも待ち望みたい。(松下博夫)

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