【琴音 ライヴレポート】
『1st note TOUR 2019 -明日へ-』
2019年4月3日 at Mt.RAINIER HALL
SHIBUYA PLESURE PLESURE
数々のオーディションでグランプリを獲得し、3月にEP『明日へ』でメジャーデビューを果たした琴音。全4公演のチケットが即日完売となった初のワンマンツアー『1st note TOUR 2019 -明日へ-』は4月3日、Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLESURE PLESUREで締め括られた。
1曲目に選ばれた「願い」は、『ワン! チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~』のグランプリ獲得記念として昨年7月にリリースした初の全国流通盤ミニアルバム『願い』の表題曲。琴音にとっての第一歩となったナンバーからさっそく心が揺さぶられた。ハスキーで力強い歌声は何度聴いても新鮮味が薄れず、想いを届けることに徹する小細工のない姿勢ですんなりと観客の懐に入る。
デビューEP『明日へ』から「戯言~ひとりごと~」を披露するとオーディエンスからクラップが起こり、七色に光る照明も相まってパッと明るい印象に。《思い描くこと 命の限り そうすれば皆いつだって美しい》と歌う直向きで切実な想いがリズミカルな曲調で耳に届く。バンマスの岡田拓郎(Gu)を筆頭に、神谷洵平(Dr)、Shigekuni(Ba)、谷口雄(Key)と強力なバンドメンバーが奏でるサウンドは軽やかで、琴音の歌声をさらに活気付けていた。自身が夢について綴った「夢物語」のメロディーも美しく、せっかくライヴに来ているのに目を瞑って浸りたくなるほどの心地良さ。しかし、ステージを見つめていると、そこは時に彼女の部屋になったり、夜空が広がったりと、演出こそシンプルだったが、音楽の力でさまざまな情景が目に浮かぶのだった。
一曲一曲をじっくりと堪能する傍ら、会場がたくさんの笑い声に包まれたのも事実。バンドメンバーの紹介ではバナナが好きな神谷に“バナナについてひと言”を訊いたり(人間とバナナのDNAは50パーセント同じとのこと)、腰が弱い岡田は“春も寒いから油断は禁物”と話すなど、音楽とはまったく関係のない内容と、琴音のテキパキとした進行っぷりが癖になる。インタビューで“ライヴで盛り上げようとしてる自分って痛い”という気持ちになることがあると話していた彼女だからこれも照れ隠しだったのかもしれないが、気取らない立ち振る舞いがまた好感を呼んでいた。
カバー曲で魅せたパワフルさにも衝撃を受けた。スティーヴィー・ワンダーの「Don't You Worry ‘Bout A Thing」を堂々と歌い上げる姿は色っぽく情熱的で、会場から思わず“上手い!!”という声が飛び出すほど。秘められた魅力がこれからどんどんオリジナル曲でも弾き出されていくのだろうと期待が膨らむ。好きな曲を歌って少しリラックスし、「しののめ」で聴かせるファルセットがよりなめらかに響きわたった。
琴音の歌には癒しと目頭を熱くするような刺激がある。初めて作詞作曲したという「大切なあなたへ」を聴いても分かるように、第一に自分の歌いたい想いが正直に描かれていて、そこには彼女が受け取った愛情であふれていた。情に厚く、感性豊かな人となりが歌唱力だけでなく表現力もメキメキと成長させ、17歳という若さを忘れるくらいの存在感を放つ。続けて披露した「Glorious」と「音色」の軽やかなメロディーにも救われる想いで、最後は『明日へ』で一番大切にしているという「ここにいること」をじっくりと聴かせ、圧巻のフィナーレを迎えた。
アンコールでは音楽一家であることを話し、彼女の父が作った「僕にだけ教えてよ」を弾き語りで披露。琴音が書く歌詞にも似た温かみのある一曲で会場をやさしく包み込み、スペシャルな一夜が幕を閉じた。11月からは本ツアーで回った東名阪・新潟の会場をひと回り以上大きくし、福岡と仙台を追加した全国6カ所でのツアーを開催する。
1曲目に選ばれた「願い」は、『ワン! チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~』のグランプリ獲得記念として昨年7月にリリースした初の全国流通盤ミニアルバム『願い』の表題曲。琴音にとっての第一歩となったナンバーからさっそく心が揺さぶられた。ハスキーで力強い歌声は何度聴いても新鮮味が薄れず、想いを届けることに徹する小細工のない姿勢ですんなりと観客の懐に入る。
デビューEP『明日へ』から「戯言~ひとりごと~」を披露するとオーディエンスからクラップが起こり、七色に光る照明も相まってパッと明るい印象に。《思い描くこと 命の限り そうすれば皆いつだって美しい》と歌う直向きで切実な想いがリズミカルな曲調で耳に届く。バンマスの岡田拓郎(Gu)を筆頭に、神谷洵平(Dr)、Shigekuni(Ba)、谷口雄(Key)と強力なバンドメンバーが奏でるサウンドは軽やかで、琴音の歌声をさらに活気付けていた。自身が夢について綴った「夢物語」のメロディーも美しく、せっかくライヴに来ているのに目を瞑って浸りたくなるほどの心地良さ。しかし、ステージを見つめていると、そこは時に彼女の部屋になったり、夜空が広がったりと、演出こそシンプルだったが、音楽の力でさまざまな情景が目に浮かぶのだった。
一曲一曲をじっくりと堪能する傍ら、会場がたくさんの笑い声に包まれたのも事実。バンドメンバーの紹介ではバナナが好きな神谷に“バナナについてひと言”を訊いたり(人間とバナナのDNAは50パーセント同じとのこと)、腰が弱い岡田は“春も寒いから油断は禁物”と話すなど、音楽とはまったく関係のない内容と、琴音のテキパキとした進行っぷりが癖になる。インタビューで“ライヴで盛り上げようとしてる自分って痛い”という気持ちになることがあると話していた彼女だからこれも照れ隠しだったのかもしれないが、気取らない立ち振る舞いがまた好感を呼んでいた。
カバー曲で魅せたパワフルさにも衝撃を受けた。スティーヴィー・ワンダーの「Don't You Worry ‘Bout A Thing」を堂々と歌い上げる姿は色っぽく情熱的で、会場から思わず“上手い!!”という声が飛び出すほど。秘められた魅力がこれからどんどんオリジナル曲でも弾き出されていくのだろうと期待が膨らむ。好きな曲を歌って少しリラックスし、「しののめ」で聴かせるファルセットがよりなめらかに響きわたった。
琴音の歌には癒しと目頭を熱くするような刺激がある。初めて作詞作曲したという「大切なあなたへ」を聴いても分かるように、第一に自分の歌いたい想いが正直に描かれていて、そこには彼女が受け取った愛情であふれていた。情に厚く、感性豊かな人となりが歌唱力だけでなく表現力もメキメキと成長させ、17歳という若さを忘れるくらいの存在感を放つ。続けて披露した「Glorious」と「音色」の軽やかなメロディーにも救われる想いで、最後は『明日へ』で一番大切にしているという「ここにいること」をじっくりと聴かせ、圧巻のフィナーレを迎えた。
アンコールでは音楽一家であることを話し、彼女の父が作った「僕にだけ教えてよ」を弾き語りで披露。琴音が書く歌詞にも似た温かみのある一曲で会場をやさしく包み込み、スペシャルな一夜が幕を閉じた。11月からは本ツアーで回った東名阪・新潟の会場をひと回り以上大きくし、福岡と仙台を追加した全国6カ所でのツアーを開催する。
撮影:八尾武志/取材:千々和香苗
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