カレーときどき村田倫子 #30 青い鳥

カレーときどき村田倫子 #30 青い鳥
カレーは幸せな食べ物。
出会って以来、わたしのベストハッピーフードは不動であなたのものです。
今回、わたしが訪れたお店は、幡ヶ谷にお店を構えるCURRY&SPICE 青い鳥。
あぁ、なんて素敵な名前なんでしょう。
可愛らしくカレーの代名詞を形容したネーミング。幸せの象徴。
この時点から、心がずきゅん、と高鳴ります。
青い鳥は、2015年にオープンし、翌年にはJapanese Curry Awards 2016の新人賞を受賞された人気のお店。
実は開店して間もない頃、プライベートでお邪魔しました、わたし。
なので今回、三年越しの青い鳥訪問です。
木の表情が優しいウッディなインテリア。
さまざまな青い鳥たちが散りばめられた店内に漂う優しいスパイスの香り、、、。ほっと落ち着く空間です。
本日のメニューはこちら。
たくさんの種類がずらり!
この日はインドの週。週代わりで「インド」「スリランカ」のカレーを楽しめるのも青い鳥の特長のひとつ。
前回訪れた時はスリランカだったので、初インドです、うれしい。
定番人気だという「チキンカレー」と「豆ととうもろこしのカレー」を注文。
あ、でも定期的に変わる限定カレーの「サンマのカレー」とも目が合ってしまったので(青魚大好き芸人)、欲張ってこちらも頼んじゃう!
好きなだけ、気になるカレーカスタマイズできるのは、食いしん坊にはもってこいです!
さあて、やって来ました!
お店オリジナルの青いお皿に粧しこまれた本日のカレーさま。
パパドが乗ったライスを包み込むように、2種のカレーがぐるり。
色を添えるのは、今日の副菜。水菜、玉ねぎ、トマト、キュウリのサラダ、人参のサラダ、ジャガイモのスパイス炒めです。
青いお皿とカレー。素敵な組み合わせ。まずは、チキンカレーから一口。
あ、と声が出る。
口に含んだ途端に、スタンダードなチキンカレーとは異彩を放つすーっと爽やかなスパイスの香りが口から鼻から抜けてゆく。
「この上品な香りはなんですか?」思わず答え合わせをしたくなる。
カルパシ、メース(ナツメグの種皮部分)。
某有名カレー店の名前でしか知らなかった、、、、カルパシ。
スパイスの一種だったのですね!
ここまで第一感触で存在感を放つ子だとは知りませんでした。
カレーという料理はもうずいぶんと嗜んできたけれど、毎回出会いがあるんだから、そりゃ飽きがこないわけで、ずっとラブな訳。
ほろほろくずれるチキンとともに奥から突き上げるスパイスの芳香にさくさくっとスプーンが進みます。
お次は豆のカレー。
ほっくりぽっくり優しく広がるお豆さん、スパイスがそっとエスコートする甘さで顔がほころぶ。
パパドを砕いて、好きに混ぜてライスとご一緒に。
そのまま食べてももちろんよし。
うーん、、、もっと最高。バスマティライスと九州生まれの「にこまる」をハーフハーフで使用したライスはカレーとの相性も抜群。
ライスとカレー。ここのタッグがやはり美味しさのミソですね。
サンマのカレーは、ライムを絞っていただきまーす!
旬の幸の恵みが、口に頬張った瞬間に駆け巡る。スパイスと溶け合って、旨味がぐんぐん押し寄せた先に、柑橘の酸味が心地よい。
なんだこれ、、、!やっぱ頼んで正解だった!サンマ、すきよ!
青い鳥のカレーは、どのカレーも、食べごたえがあるのに口残りが爽やかで胃も軽やか。奥の方からじわんと滲み出る、芯となる甘みと優しさが舌先にきちんと記憶される。
その秘密は“重ね煮”。
陰性の野菜から陽性の野菜を重ねて、水を使用せずに野菜だけの水分で
じっくり煮詰めたもの。素材の持つ本来の美味しさを引き出すそうです。
天然であり、かつ思考を汲み取った身体がよろこぶ出汁。
スパイスと仲良く寄り添って深みのある甘さと旨味が奥からじわんとやってくる。味覚が、身体が、素直に喜んでます。
店主のちえさんは、ヨガ、漢方、アーユルヴェーダ、スパイス、カレーと幅広い知識と、広い好奇心をもつチャーミングな方でした。しっかりとした智慧をベースに煮込まれたカレーだから身体がしっかり整うのです。
しかし、ちえさんは12月より、大分へ移住予定なのだそう。
ここでお会いできなくなるのは残念ですが、「青い鳥別府」というお名前で出店をされる予定なので、お近くの方やそちら方面へ行かれる方は要チェックです!
そして、こちらの青い鳥も、もちろん心配いりません。
ちえさんから知識と腕をしかりと受け継ぎ、共にお店を支えた澤田さんによって、この味とムードは守られるそう。澤田さんもとても気さくで楽しい方なので、ぜひ色々とお話を聞いてみてくださいね。
 
食べると本当に幸せになるカレー。
青い鳥のカレーは、改めてカレーの奥深さに向き合える。
手にかける人の愛で全く違う顔を魅せてくる。
味に表情がある。だからこそ、きりがなくて楽しいのだよ、カレーは!
あぁ、本日の満たせれまくりで幸せです、私。
またスリランカの週もお邪魔したいです。
ごちそうさまでした。
Text:Rinko Murata
Edit:Miiki Sugita
Photo:Kayo Sekiguchi

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