隈研吾の手掛ける新国立競技場「杜の
スタジアム」2019年11月完成予定、2
020年東京五輪会場に

建築家・隈研吾が2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の設計を手掛ける。本体工事は2016年12月より着工、完成は2019年11月30日(土)を予定している。シンプル&コスト削減を掲げ、収容人数は8万人となっている。
隈研吾は、「品川新駅(仮称)」や京都「新風館跡地」にできる新複合施設の建築も手がけ、過去には南青山「サニーヒルズ」などを設計した国内外で活躍する建築家。
隈は自身が10歳の時に、丹下健三の手掛けた以前の国立競技場を目にしたことが建築家を目指すきっかけとなったと話し、周辺地域にも学生時代から馴染みがあった。敷地内にあった練習用プールに通い、建物の中に入って天から光が降りてくるような空間を体感していたなど、深い思い入れを持っているという。特に、地面に建築を半分埋め込んだ、土地に馴染むような設計には影響を受けていると言及した。
新国立競技場は、「杜のスタジアム」と題し"木"を取り入れた、周辺環境と調和するスタジアム。木材と鉄骨のハイブリッド構造の屋根となっており、高さを約47.4mと低く設定することで、水平的なラインを強調した、圧迫感の少ないデザインを採用している。
細く連ねられた木材は、47都道府県それぞれの地域で生まれた「杉」を使用する。木材はそれぞれの産地に向けた方角に並べられ、日本全国の一体感を象徴するデザインを想定。また、使われるそれぞれの木材は、塗装により元の色よりも白みがかった仕上げが施されている。年数を経た後に、木材の色が変化してしまうのを抑えるための工夫だ。
連ねられた庇は、京都・法隆寺の五重塔から着想を得たもの。さらに遡ると、雨の多いアジアで屋根を重ねるための、中国のアイディアが起源となっている。日本が古来から継承し、使ってきた伝統的な建築技術を踏襲した。庇の上には、土を使用しなくても植物を茂らせることができるリサイクルマテリアル「Greenbiz」を採用し、在来種の緑の植物を植える。外苑の杜へと繋がる豊かな緑によって、より柔らかく土地に馴染むような表情を作り出す。
最上階には1周約850メートルの散歩道「空の杜」を、スタジアムを囲うように設置。森を見渡すことができ、四季を感じながら都市景観を楽しめる展望スペースとなる。また、スタジアム周辺の庭の一部には、雨水を使った小川を創出する。
地域の風を分析しシミュレーションすることで、夏場の風を場内に取り入れ冬場の北風は上に逃がすような仕組みを作り、スタジアム内の温度を調整。さらに、座席の下にはトンネルに設置されているようなファンを施し、そのファンが暑い時には風を場内に流す役割を果たす。
また、様々な来場者のアクセスにも配慮。オリンピック競技大会時は常席450席、パラリンピック競技大会時は簡単なオーバーレイで約700席の車いす席を確保した、世界最高水準のユニバーサルデザインを採用している。また、360°連続する3層スタンドを採用し、競技者と観客が一体となれるスタンド環境が設備される。
Airbnbによる「体験」サービスにて、隈研吾がホストとなってゲストを迎え、設計事務所や新国立競技場などをまわりながらゲストと交流するイベントが実施された。南青山の「サニーヒルズ」にも立ち寄り、布を編むようにして組まれた複雑な木材のデザインや、こだわりのインテリアについても言及した。特に、店内の女性用トイレには木を使用した、角のないカウンターを設置。空間の美しさと使いやすさを重視し、特別感を演出している。
また、これまで一部地域で行われてきた「体験」サービスを、日本全国に拡大して展開を始めたAirbnbでは、地元のホストとともに隈研吾建築をめぐる「体験」サービスなども提供。2018年7月31日(火)より順次予約受付が開始される。

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