the pillows×go!go!vanillas 世代
を超えた2組が恵比寿でガチンコ対バ
ン『恵比寿クロッシング』公式レポ

2月16日に恵比寿LIQUIDROOMで開催された『恵比寿クロッシング』のオフィシャルレポートが到着した。

2月16日に恵比寿LIQUIDROOMにて、雑誌『音楽と人』主催のイベント『恵比寿クロッシング』が行われた。2016年にflumpoolUNISON SQUARE GARDENを迎え、“スタート地点も辿ってきた道のりも違う2組のガチンコ対バン”というテーマのもとスタートした『クロッシング』シリーズ。今回の出演者は、the pillowsgo!go!vanillasという、キャリアも世代も異なる2組が、ライブハウスで相まみえることとなった。
以下で、その模様をレポートする。
go!go!vanillas 撮影=古渓一道
先攻はgo!go!vanillas。疾走感溢れる「マジック」で幕をあけた4人は、「尊敬するピロウズとのツーマン。俺たちは準備万端です!」と興奮と気合いが入り乱れた牧達弥(ボーカル&ギター)の言葉のとおり、キレキレの演奏とパフォーマンスを次々と繰り広げていく。メンバー全員がヴォーカルをとる「デッドマンズチェイス」では、フロントの3人がステージを縦横無尽に動き回り、会場の興奮をさらにグッと上昇させた。
途中のMCでは、メンバーの中でも特にthe pillowsへの思い入れが強い長谷川プリティ敬祐(ベース)が、「(the pillowsを)聞き始めて10年くらい。この日を待ってました! 今日はセットリストも見てないし、リハもなるべく聞かないようにして、それくらい楽しみで。でもgo!go!vanillasの音楽もカッコいいんだってところを見せます!」と、今日にかける熱い思いを語る場面も。続く牧も、「僕が生まれた1989年にthe pillowsは結成していて。そんなとうてい敵わないようなバンドだけど、少しでも追いつけるように新曲も作っているんです」と語り、ミドルテンポの新曲「スタンドバイミー」を披露した。
go!go!vanillas 撮影=古渓一道
後半は、日本の祭りのリズムを取り入れた「ヒートアイランド」や、柳沢進太郎(ギター)がヴォーカルを務める「ストレンジャー」、ダンスロックの要素を取り入れた「バイバイカラー」など、幅広いバンドの音楽性をしっかりと聴かせ、さらにはテンションの上がったジェットセイヤ(ドラム)がシンバルを持ち上げるなど、〈音楽バカ〉っぷりが爆発。そしてラストは、自分たちが生きている今の時代に思いを託した「平成ペイン」。自分たちの年齢ほどのキャリア差がある先輩相手に遠慮することなく、go!go!vanillasとしての戦い方をしっかりと見せつけ、ステージをあとにした。
go!go!vanillas 撮影=古渓一道
気合十二分なバニラズのパフォーマンスを受けてステージに登場したのは、約1ヶ月のぶりのライブとなるthe pillows。山中さわお(ボーカル&ギター)が足元のモニターに登り、両手を広げオディーエンスを煽ったあと、「デブリ」「空中レジスター」とロックンロールナンバーを続けざまにプレイしライブをスタートさせる。「おじさんとおじさんとおじさんと、(佐藤シンイチロウ/ドラムを見ながら)おじいさんでバンドやってます」「あんなキラキラした若者のあとに、ギリギリ死んでねえ俺たちをやらせるなんて!」という山中流の毒っ気のある挨拶から、「長谷川くんの熱い思いを受け取って感動してからステージにあがっているんで、今日はいいライブになると思う。よろしく!」という言葉とともに「About A Rock'n'Roll Band」「バビロン 天使の詩」「I know you」「Funny Bunny」と矢継ぎ早に繰り出していく。
the pillows 撮影=古渓一道
中盤には、メンバーを感動させたMCをしたバニラズ長谷川からのリクエストに応え「レッサーハムスターの憂鬱」を披露。山中いわく「ピロウズの中でもマニアックで暗く、悲しい曲」というこのナンバーは、96年にリリースされたシングル「TRIP DANCER」のカップリングであり、バンド形態で演奏されるのは久々となるミドルチューン。「心の闇をチラつかせてくるんじゃねえよ」と山中は笑っていたが、切なく美しいメロディにthe pillows(というか山中)のダークサイド全開の物悲しい歌詞がぐっと胸に迫るこの曲をリクエストする、バニラズ長谷川のステージ上の姿とは違った一面と、ピロウズ愛の深さをみた瞬間でもあった。
そして後半戦。「Blues Drive Monster」から「この世の果てまで」「ハイブリッド レインボウ」という名曲のWコンボを経て「Locomotion, more! more!」で本編はフィニッシュ。サポートベースの有江嘉典とともにどっしりとしたリズムを刻み続ける佐藤シンイチロウに、ライヴが進むごとに熱を帯びていく真鍋吉明(ギター)のプレイ。そして全身から気迫みなぎらせ歌を放つ山中の姿に引っ張られるかのように熱気が充満したフロアからのアンコールの声に応え、「アナザーモーニング」「Ready Steady Go!」の2曲を披露し、『恵比寿クロッシング〉』は幕を閉じた。
the pillows 撮影=古渓一道
敬愛する先輩に対するリスペクトをもって全力で戦いを挑んだgo!go!vanillasと、来年結成30周年を迎えるベテランの貫禄ではなく、世代もキャリアも関係ねえとぶちかますことで、go!go!vanillasの思いに応えたthe pillows。まさに“スタート地点も辿ってきた道のりも違う2組のガチンコ対バン”というテーマにふさわしい、最高にロックンロールな夜であった。
また、同じく『音楽と人』主催のライブイベント『新木場ナイトカーニバル~Three-bands in sunny march~』が3月22日に新木場スタジオコーストにて行われる。こちらの出演は、sumikaNICO Touches the WallsBIGMAMAの3バンドとなっている。現在、1階スタンディング席のみ発売中。

撮影=古渓一道

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