【INTERVIEW】hiroyuki arakawa「ト
ランスのエモーショナルな部分と、テ
クノの無機質な部分が調和しているア
ーティストだと思う」

2017年、自身の楽曲「Alexander」がマーク・ナイト主宰のToolRoomにライセンスされリリースを果たしたhiroyuki arakawa。名門COCOONやSOMA UKとのつながりやMULLER RECORDSからアルバム『TRIGGER』のリリース、2015年には自身のレーベルSPECTRAを立ち上げ、さらに2016年にはDOMMUNEでのレーベルショウケースで10000人を超える視聴者数を記録、リリースツアーも敢行し全日程成功を収めるなど、話題のアーティストと言えよう。arakawaとはどんなアーティストなのか、話を聞いた。
◆ ◆ ◆
■楽曲制作の始まりは

■DJから“逃げた”こと
──まずは自己紹介をお願いします。
arakawa 僕はhiroyuki arakawaといいます。1988年に北海道の厚岸町で生まれました。2010年からテクノの作曲をし始め、現在に至るライブやDJ活動を本格的にスタートしました。作曲を始めて1年で、MULLER RECORDSのリミックスコンペで入賞し、翌年にソロのレコード、2年後にソロのデビューアルバムをリリースし、現在までクリエイターと演者の両方を兼ねて活動しています。
──どんな音楽を聴いて育ってきましたか?
arakawa 多様なクラブミュージックを聴いて育ったと思います。小学校のころは、ユーロビートをブックオフで買いあさり、中学校のころは、トランスのレコードをシスコで買いあさっていました。高校のころは、ヒップホップ、ハウス、テクノを買いあさり、20歳になって、気がついたころには、レコードが2000枚くらいになってバイト代を注ぎこんだことに反省しました(笑)。
──クラブミュージックにハマったきっかけは?
arakawa 衝撃的なきっかけはもう忘れてしまいましたが、たぶん小学校のころに兄弟がユーロビートを大音量で聞いていたことが発端だったと思います(田舎町だったので、車の窓をあければ大音量で目立ったのが快感だったと)。また、小学校のころに出始めていた、コナミの『beatmania』という音楽ゲームもきっかけと思います。今聞けば、クラブでかけられないよっていうくらいのクオリティの楽曲郡ですが、テクノからトランス、ヒップホップ、といったジャンルのオリジナル楽曲が当時の自分の感性に刺さるものがありました。
──DJを最初に始めた頃のことを教えてください。
arakawa 20歳まで北海道で育ったのですが、釧路のGREENというクラブでハウスDJとして出演させてもらいました。空気をよむプレイではなく、最初から最後までセットリストをきっちり決めていったんですが思いっきりすべってしまい、なかなかフロアで踊ってくれるお客さんがいませんでしたね。そこから、静岡や、茨城など、就職の都合で住む場所が変わったのですが、多くの先輩たちのプレイから学んでいったことがたくさんあり、フロアのお客さんと気持ちがシンクロしていくようになりました。
──楽曲の制作は、いつ頃、なぜ始めたのでしょう?
arakawa 22歳のころからはじめました。きっかけは、簡単に言うと、DJから逃げたこと。20歳のときから本格的にDJを続けたんですが、パーティの集客や人間関係で悩んだことがあり、DJをやめたいと思いました。しかし、小学校のころから好きだったクラブミュージックを嫌いになることは簡単ではなく、初心に帰って、楽曲自体と向き合おうと考え、作曲をしていた先輩の家に教わりにいったことから、本格的に開始しました。
──現在はどんな活動をなさってますか?
arakawa 現在も継続して、DJとライブ、制作活動を軸に、SPECTRAというレーベルのオーナーをしています。最近はDJよりライブでの公演のほうが、自分的にもパーティ的にも盛り上がるのでライブでの公演が多いです。また、テクノ以外にも一般イベント向けのイメージミュージックの製作も実施しています。
■SPECTRAは

■グローバルに個性を発信するレーベル
──SPECTRAはどんなレーベルでしょうか?
arakawa 繊細かつ大胆、踊れるテクノを基調とした、表現の集合体で、グローバルに個性を発信するレーベルです。僕とTORU IKEMOTO、TAKEHIRO OKUYAMAという3人のテクノアーティストを軸にデザインをCHIHO NISHIZONO、ミュージックビデオをLILLY RINAEが担当し、ひとつひとつのリリースにこだわりを持っています。また、専属のDJはHOWAKO、SANJIが担当しており、彼らがパーティのディレクションも兼任しています。
──これまでどんな作品をリリースしてきたのでしょう?
arakawa これまでに3作品のリリースをしています。レコードでは「SPECTRA EP」を最初にリリースしました。この作品はリッチー・ホウティンやパコ・オスナ、フランク・ミュラーといった著名人からもサポートを受けることができました。また、TAKEHIRO OKUYMAによる「TOY EP」、こちらはEGBERTからのサポートを受けています。最近ではTORU IKEMOTOによる「TIME EP」、こちらはSCI-TECのアーティストALBERT TOLOのリミックスも収録され1月20日に渋谷VISIONにてリリースパーティを予定しています。
──hiroyuki arakawaはどんなアーティストだと自己分析しますか?
arakawa 僕は、トランスのエモーショナルな部分と、テクノの無機質な部分が調和しているアーティストだと思っています。リズム隊やベースラインは完全にテクノで踊れる部分がつまっており自分の個性である、電子音むき出しのシンセを得意としています。またピアノやギターなども取り入れることもあり、ほかと似つかない楽曲の作成を目指しています。
──『RHYTHM DISTRIKT 16』収録の「Alexander」はどんな楽曲ですか? また収録に至った経緯を教えてください。
arakawa オールドスクールなクラップ音のループと、フロアを混沌の渦に巻き込む単音シンセループが特徴的でブレイクには感情を揺さぶるようなコードのフレーズが響き渡ります。無機質なセットにも、派手なセットにも両立するようなトラックとなっており、攻めの場面にぴったりと思います。ライブでつかっていますが、今のところ100%盛り上がっています。
経緯ですが、TOOLROOMのMARK NIGHTの弟に、うちのメンバーのHOWAKOを通じて知り合ったことがきっかけです。そこから、TOOLROOMのファミリーレーベルであるRHYTHM DISTRIKTのオーナーが気に入ってくれて、TOOLROOMのライセンスを獲得することができました。
──今後の活動予定やレギュラーイベント、リリース予定などがありましたら教えてください。
arakawa 現在、レギュラーイベントはないので募集中ですが、うちのレーベルパーティは不定期に実施中です。直近のレーベルパーティとして、TORU IKEMOTOの「TIME EP」のリリースパーティが、1月20日に渋谷VISIONで開催予定です。またリリース予定は未定ですが、またTOOLROOMからのリリースと、SPECTRAからのリリースを考えています。楽曲のストックが20曲以上あるので、怒涛のリリースラッシュあるかもしれません。ご期待ください。

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