【ライブレポート】ピンク、ロックな
ステージで<KAABOO>を席巻

9月16日(土)、5年ぶりのニュー・アルバム『ビューティフル・トラウマ』の発表を来月に控えたピンクが、<KAABOOフェスティヴァル>に出演した。カリフォルニア州のサンディエゴで3日間に渡って開催されたこの野外フェスで、ピンクは中日のヘッドライナー。15日はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、17日はトム・ペティがトリで、ピンクが大ベテランの彼らと肩を並べるビッグ・スターであることが分かる。
◆ピンク画像、ミュージック・ビデオ
ショウの幕開けに相応しい「ゲット・ザ・パーティー・スターテッド」のイントロで、ピンクはステージに躍り出た。『ビューティフル・トラウマ』のジャケット写真とミュージック・ビデオで着用している大きなシルバーのジャケットにパンツ姿の彼女は、ダンサー達と軽快に踊りながら、興奮で歓声を上げる観客をさらに盛り上げる。続けて「ジャスト・ライク・ア・ピル」、「トラブル」とヒット曲を熱唱。前作『トゥルース・アバウト・ラヴ』の北米ツアーから約4年が経過したが、記憶に残っている通りの、鮮やかで最高にパワフルな美しい歌声が響き渡った。ルックスも相変わらずクールだ。「皆、楽しんでる?」と叫んだピンクに観客が歓声で応えると、「良かった。新曲、聴きたい?」と笑顔で尋ね、大歓声を受けた後に、7作目となる新作の先行シングル、「ホワット・アバウト・アス」を歌い始めた。この曲は8月に発表されたばかりだが、サビの部分では大合唱となり、早くもヒット曲として定着しているのを実感。歌い終えた後は、一際大きな拍手喝采が起こった。
前半のステージセットはシンプルで、バンドとダンサー、バックボーカルを従えた彼女の背後の大スクリーンに彼女が映し出されていたが、途中でステージの両脇から高さ20mはありそうなバルーン人形が立ち上がった。フェスでありながら、通常のコンサートと変わらない演出を試みていて、衣装替えも4回あった。また、幅広い年代層が集う中でピンクを知らない観客も楽しめるようにと、フォー・ノン・ブロンズの「ホワッツ・アップ」をはじめ、ジャニス・ジョプリン、レッド・ツェッペリン、若手シンガーソングライター、ビショップ・ブリッグスの「リヴァー」と、あらゆる年代からのカバー曲を盛り込む工夫も凝らされ、彼女自身の一連のヒット曲と共に、瞬く間に約90分が過ぎ去っていた。
ラスト曲は「レイズ・ユア・グラス」。盛大に花火が打ち上がる中、ピンクはこの夜最大の合唱を巻き起こした。そしてアンコールの「ソー・ホワット」では、観客の頭上に張り巡らされたワイヤーで宙を舞い、何度も空中回転しながら、驚喜する観客と共に大合唱して幕を閉じた。世界一ロックなポップ・スターであるピンクの全てが凝縮された見事なショウに、終わった後も、誰もが興奮を隠しきれない様子だった。新作の発表が、楽しみでならない。
文:鈴木美穂

Photo by Erika Goldring
■リリース情報


ニューアルバム『ビューティフル・トラウマ』

2017年10月13日(金)発売

・国内盤CD (全14曲)

¥2,200+税

※解説・歌詞・対訳付き

※初回仕様デジパック仕様

01. Beautiful Trauma | ビューティフル・トラウマ

02. Revenge | リベンジ

03. Whatever You Want | ホワットエヴァー・ユー・ウォント

04. What About Us | ホワット・アバウト・アス

05. But We Lost It | バット・ウィー・ロスト・イット

06. Barbies | バービーズ

07. Where We Go | ホウェア・ウィー・ゴー

08. For Now | フォー・ナウ

09. Secrets | シークレッツ

10. Better Life | ベター・ライフ

11. I Am Here |アイ・アム・ヒア

12. Wild Hearts Can't Be Broken | ワイルド・ハーツ・キャント・ビー・ブロークン

13. You Get My Love | ユー・ゲット・マイ・ラヴ

14. White Rabbit | ホワイト・ラビット *国内盤ボーナス・トラック
・輸入盤CD (全13曲)

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