【Plastic Tree】
『Plastic Treeメジャーデビュー二十
周年“樹念”特別公演』
2017年7月29日 at パシフィコ横浜
第一幕では有村 竜太朗(Vo)がコープス系のメイク、他のメンバーも髪を大きく盛るなど、ビジュアル的にも90年代の彼らを彷彿。また、一・二幕ともに当時のPVを投影したり、Plastic Treeの歩みを観客とともに丁寧にトレースしていく。映像やレーザーなどのライティングで空間を彩る手法は、現在のプラが得意とするスキルであり、この日もそんな演出が全編に盛り込まれていた。しかし、逆にそこで際立って見えたのは、彼らの初期衝動的なエモーション。へヴィな曲での激情を叩き付けるような演奏とシャウトは20年が経過してもなお、このバンドの原点が何も変わっていないことを証明していた。
そして、この日もうひとつ印象に残ったのが、メンバーたちからの感謝。アンコールでは佐藤ケンケン(Dr)が旧ドラマーたちへのリスペクトを述べ、長谷川 正(Ba)は“若気の至りとかもたくさんあったけど、そういうのも含めて自分たちの作ってきたものを振り返って誇りに思える。それを支えてくれたみなさんに感謝”とコメント。結成からの20数年間を辿って、今のPlastic Treeを再確認してみたら、そこにはたくさんの感謝があった…そんな彼らの温かい気持ちが伝わってくるライヴだった。
取材:舟見佳子