【マリア】このアルバムを通して
“これが私です!”っていうのをぶつ
けたい
恥を捨てて全てをさらけ出したと語る1stアルバム。それだけ彼女の想いがリアルに綴られていることはもちろん、何年後かの自分に対して“ここが始まり”と戻れるようにという気持ちが詰まった作品に仕上がっている。
取材:土内 昇
念願のアルバムが完成しましたね。12曲中4曲がバラードだったり、ミディアムナンバーなのにロックというか、芯の強さを感じましたよ。
タイトルに“決意”という意味を込めているので、そう言ってもらえるとうれしいですね。絶対に後悔したくないので、“ああしておけば良かった”って思うところがないくらい1曲1曲に思いを込めて作ったから、自分でも満足のいくものができました。
1曲1曲の歌の印象が違ったのですが、それはそれぞれの歌詞の主人公になって歌っているから?
はい。ほんとに入り込んで歌っているので、楽曲によって人格が変化する部分もあると思いますね。ほぼ自分の経験から書いたものだから、より感情が入るし。『Crazy For You』だけは私が書いたものではないんですけど、すごく歌詞に共感してるし、しっかり内容を理解して歌えたと思います。そういう意味では、自分で歌詞を書かなくても入り込むことで表現できるんだなって思いましたね。
1stアルバムということで候補曲がいっぱいあったと思うのですが、どんなポイントで曲をセレクトしたのですか?
2年くらい前…音楽塾ヴォイスに入った当初からずっと曲は作り続けていたし、いつもバラエティーに富んだものを意識して曲を作っていたので、選曲の時に困らなかったんですよ。『I hate you.』だけ、アルバムを作るって決まった時に“もっとロックっぽい曲が欲しい”ってことで後から作ったんですけど、バランスを考えながらうまくチョイスできましたね。バラードで始まってシングルが続いて、ミディアムな曲もあり、最後はバラードで締めるっていう曲順も考えて…入れたかったけど入れれなかった曲もあるんですけど、いいバランスに仕上がったと思います。
シングル4曲が頭に並ぶ曲順もインパクトがありました。
デビューという大きな夢を叶えて、そこからスタートして自分の道を進んで行く…っていうところから始まっているし、シングルに込めた想いも大きいし、それを忘れてほしくないから、ここでもう一度アピールしたいと思ってシングル4曲を頭に持ってきました。
今、どんなアルバムが作れた手応えがありますか?
タイトルの“WILL”には“アルバムは完成したんだけど、ここからがスタートなんだ!”という意味も込めているし、全曲思いを込めているので、自信を持って聴いてもらえるものになったかなって。私は自分をさらけ出した…それこそ恥を捨ててさらけ出したので、正直でまっすぐなアルバムになったと思います。
デビューして1年弱のことよりも、それこそ高校生の時に路上に出て歌い始めた時からの自分が詰まっていると。
そうですね。もっと前のことも歌詞のところどころに出いるし、曲を作る時の感情にも表れていると思うから、23年間のことが詰まっていると言ってもおかしくないです。シングルでは出さなかった恋愛の曲も入ってるから、友達に聴かせるのが恥ずかしいですね。“ああ、あの人のことね”って分かるみたいな(笑)。でも、アルバムが出せることや、歌うことができるのってすごい幸せで、素敵なことなんだから、恥ずかしがらずに自分をさらけ出しました。このアルバムを通して“これが私です!”っていうのをぶつけたいので、みんなに受け取ってもらいたいですね。
サウンド的な部分でも、ギターのアプローチからしてロックしているので、やりたいことをやったという感じですか?
そうですね。でも、もっともっとやっていきたいです。ギターを持って歌うっていうスタイルを見つけることができて、それをやることができているから、すごく幸せだなって思っているんです。だから、アルバムをいろんな人に聴いてもらって、間近で観てもらって、感じてもらいたいです。
ライヴが楽しみですね。
アルバムが出来上がると“この曲はこんなパフォーマンスをして~”って想像が広がりますね(笑)。だから、ライヴをやりたいっていう気持ちがすごく高まりました。インストアイベントがいくつか決まっているので、そういうところからワンマンライヴになり、武道館へ…っていう夢の階段を去年よりも少し上がれたような気がします。そうやって夢を現実に変えていきたいですね。
アルバムの最後に収録されている壮大なバラード「祈り」を、ぜひ大きな会場で聴いてみたいです。
響いて、すごくいいでしょうね。イメージ的には深い森にいて、ひと筋の光を頼りに一歩一歩探りながら進んで行っている…それは今もそうだし、これから先も変わらないと思うんですよ。
確かに葛藤や焦燥が歌われていて、彷徨い続けているところで曲は終わってました。でも、前に進もうとする気持ちを描いているからポジティブに届いてきましたよ。
ずっとポジティブではいられないし、落ち込むこともあるけど、だからこそポジティブでいないといけないっていう意識があるんです。そういう意味では、この曲は私の原点だと思うんですよ。デビューしてから辛いことや分かっててもできないことがたくさんあったけど、努力した分だけ結果が見えるっていうことを日々実感しているし、そうやって努力して少しずつ前に進んで行く…それは10年後も20年後も同じだと思うんですね。その気持ちをいつまでも忘れたくないと思って、1stアルバムの最後に自分の原点だと思う曲を入れたんです。何年後かに振り返って聴いた時に、その時の気持ちに戻れるように。
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