【Shout it Out】『Shout it Out pr
esents 「虎の威を借り、狩られる狐
−東京編−」』2016年8月3日 at 新宿
LOFT

撮影:木場ヨシヒト/取材:山口智男

 ぶつかり稽古を格上の先輩バンドにお願いする対バンライヴ。その東京編で胸を借りるのは、躍進著しい4人組、Bentham。今年1月、彼らと大阪で共演した際にボコボコにされたと語ったShout it Outは、ぶつかり稽古と言いながら、ひょっとしたらそのリベンジという想いもあったのかもしれない。しかし、それに気付いたのか、“虎の威が何だって? 俺ら猫なんで”と小関竜矢(Vo&Gu)がいきなり牙を剥いたBenthamは1曲目の「クレイジーガール」からアッパーチューンをたたみかけていった。小関による客席へのダイブ、シンガロング、コール&レスポンスを交え、思う存分盛り上げると、ラストは最新EP『ExP』から「サテライト」を披露。踊れるロックバンドの、もうひとつの持ち味が耳に残る印象的なメロディーであることもアピール。

 対するShout it Outは若干、スロースタートに感じられたものの、じっくりと山内彰馬(Vo&Gu)が歌を聴かせながら、アンセミックな魅力もある「列車」以降、ぐんぐんと演奏に込める温度を上げ、起承転結の流れのあるパフォーマンスで観客を魅了。それはつまり骨っぽいイメージとは裏腹に、ダンサブルな「星降る夜に」をはじめ、実は幅広いレパートリーを持っていることを改めて物語っていたわけだが、その曲でファンがタオルを回す光景はすっかりお馴染みのものだ。ラストの「青春のすべて」まで駆け抜けた終盤の疾走感も彼ららしかった。後輩に本気の勝負を挑んだBentham。それに等身大のライヴで応えたShout it Out。お互いに刺激し合ったに違いない熱演は、ともに観応え満点だった。

セットリスト

  1. 【Bentham】
  2. 1.クレイジーガール
  3. 2.タイムオーバー
  4. 3.contact
  5. 4.恋は白黒
  6. 5.KIDS
  7. 6.HEY!!
  8. 7.手の鳴る方へ
  9. 8.fine.
  10. 9.サテライト
  11. 10.パブリック
  12. 【Shout it Out】
  13. 1.光の唄
  14. 2.風を待っている
  15. 3.そのまま
  16. 4.Teenage
  17. 5.列車
  18. 6.17歳
  19. 7.トワイライト
  20. 8.ハナウタ
  21. 9.星降る夜に
  22. 10.一から
  23. 11.逆光
  24. 12.若者たち
  25. 13.青春のすべて
  26. <ENCORE>
  27. 生きている
Shout it Out プロフィール

シャウト・イット・アウト:2012年4月、高校の軽音楽部のメンバーで結成。地元である大阪府堺市を拠点に活動中。15年の『未確認フェスティバル2015』では3,254組の中からグランプリを獲得。16年7月にシングル「青春のすべて」でメジャーデビュー。同年9月にメンバーの脱退があり、山内と細川のふたり体制に。18年7月から8月にかけて行なう初のワンマンツアーをもって解散することを発表している。Shout it Out オフィシャルHP

OKMusic編集部

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