【WHITE ASH】クリスマス縛りの超ス
ペシャルアイテム！

WHITE ASHから初のミュージックビデオ集『The Best Nightmare For Xmas』が届いた。これが箱入りのケース仕様となっており、まさにバンドからのクリスマスプレゼントという豪華な装いになっている。内容自体もてんこ盛りでファン必携の作品と言いたい。もちろん、最近ファンになった人もバンドの歩みを知るにも打って付けの決定盤と断言できる。しかも、今回のために書き下ろした新曲CD付きで、季節を重視した曲調ということで、全編クリスマス縛りのスペシャルアイテムだ。

まずDVDのほうから話を進めたい。全11本のミュージックビデオが収録され、2010年9月に発表したデビューミニアルバム『On The Other Hand,The Russia is…』収録の「Stranger」から、昨年５月に発表したメジャー移籍第一弾となった4thシングル「Velocity」表題曲を含め、インディーズ時代も網羅した映像集になっている。その「Stranger」が１曲目に収録されているのだが、暗闇の中でメンバー４人が演奏するクールな仕上がりで、後に作られるビデオの原型とも言える作風になっている。それから「Kiddie」は山さん（Gu）の実家である保育園の内外で撮影された映像で、冬に収録されたこともあり、メンバーは完全防備でのび太（Vo＆Gu）以外は手袋をはめてプレイに臨んでいる。また、ダンスレッスンに通い詰めたというのび太の軽快なダンスが随所に挿入された「Jails」も見応え十分で、特にラストは要注目！　「Would You Be My Valentine?」は秀逸なメロディーをドラマ仕立ての映像で煽り、甘酸っぱい曲の世界観を掘り下げている。ここまでがインディーズ期にあたるが、独創性に富んだユニークな作風が多いのが特徴だろう。そして、メジャー一発目の「Velocity」からいい意味で作風は変わり、ゴージャスで凝った作りのものが増えている。アニメ『ガッチャマン　クラウズ』の主題歌に抜擢された「Crowds」では逸早くフライボード（水圧で空を飛ぶマリンスポーツ）を取り入れ、戦闘シーンは目を見張る迫力だ。新曲「Xmas Party Rock Anthem」の映像は今回のDVDのために撮影されたもので、パーティー感と妖しげなムード漂う雰囲気のある内容だ。加えて、全映像にメンバーによるオーディオコメンタリー（副音声による解説）もあり、撮影時のエピソードや思い出、暴露話などが赤裸々に語られ、これがまた面白い！　さらにライヴ映像も1曲収録され、今年3月に2ndアルバム『Ciao,Fake Kings』レコ発ファイナルのSHIBUYA-AX公演から「Xmas Present For My Sweetheart」がピックアップされ、コーラス隊を迎えたロマンチックなムードあふれるバージョンに仕上がっている。

そして、気になるCDのほうだが、こちらは先述した「Xmas Present〜」（再収録）と新曲「Xmas Party Rock Anthem」を収録。注目すべきは後者の新曲だろう。先月行なわれたワンマンライヴ『One Man Live"Cycle"』でも披露され、大きな反響を呼んでいた楽曲だ。個人的にはAC/DCを彷彿させるガッツ漲るギターリフが特徴的で、裏声を活かしたのび太のソウルフルなヴォーカルが際立っている。鈴の音色もクリスマス感を増幅させるものの、しっとりで終わらない躍動感も備えたカッコ良い曲調だ。

あと、メンバー全員がクッキングに挑戦した特典映像も笑えます。