取材:松浦靖恵

問題を抱えながらも、それぞれに素敵な
明日を願っている

約9ヵ月ぶりのシングル「GIFT」を7月に発表し、今夏は『ap bank fes’08』を皮切りに5つもの夏フェスに参加したMr.Children。彼らはその夏フェスのステージ上から、今年生まれたばかりの新曲「GIFT」「HANABI」を披露してくれた。「GIFT」は、北京オリンピックのNHK放送テーマソング、また「HANABI」はフジテレビ系ドラマ『コードブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の主題歌として、リリース前からみんなの耳に届いていた作品だったけれど、彼らは“みんなに聴いてもらいたい新曲”をライヴという場所でまず体感してもらいたかったからこそ、これらの曲をリリース前から演奏したのだった。
さて、「GIFT」を7月30日にシングルとしてリリースし、8月6日には昨年行なった全国スタジアムツアー『Mr.Children“HOME”Tour 2007~in the field~』の日産スタジアム公演を収めたライヴDVDを発表したMr.Children。3ヵ月連続リリースの第3弾作品は、夏フェスで演奏された「HANABI」が1曲目に収録されたシングル「HANABI」だ。
ドラマ『コードブルー -ドクターヘリ緊急救命-』は、最先端医療現場で働いている若手ドクターたちの日々を描いたストーリーが展開していく医療ドラマ。主題歌「HANABI」は、主人公たちの葛藤や成長を温かく見守っているかのように劇中で流れているが、桜井は“この曲が、ドラマとどんなふうにリンクしていくのか、また聴いてくださった方とどのようにリンクするのか楽しみにしています”とコメントしている。主題歌としてドラマの内容や主人公たちの日々と寄り添いながら、また私たちの日々の生活とも重なり合う歌だ。
「問題を抱えていない人など、きっといなくて、それはドラマの登場人物も、僕もまたそうで、だけどそれぞれに、素敵な明日を願って暮らしている。そんな当たり前のこと、この“当たり前”の中にある儚さと美しさを『HANABI』は描いています」(桜井)
“もう1回 もう1回”と、歌の中で何度も繰り返されるフレーズは私たちの願いそのものだと思う。
2曲目に収められた「タダダキアッテ」は、Mr.Childrenが04年に発表した“ある曲”の原曲バージョンだ。03年に桜井がこの曲を作った時に制作した、デモテープ(原曲)に最も近い形で再現されたという。軽快なサウンドにシリアスな言葉(怒り、悲しみ、涙)と温かな言葉(祈る、愛す)が交差している歌だが、すでに発表している“ある曲”と「タダダキアッテ」は同じ歌詞を持っているにもかかわらず、まったく違う印象を残す楽曲になった。
3曲目「夏が終わる~夏の日のオマージュ~」は、夏から秋へと季節が移り変わってゆく時期に感じる切なさや淋しさを描いたバラード曲。ゆっくりと、確実に、過ぎ去っていく夏を懐かしく思いながら、私たちは次なる季節へと気持ちを切り替えていくのだろう。
前シングル「GIFT」の3曲目に収められていた「風と星とメビウスの輪」には“Single Version”という表記がしてあったことを、みなさんはしっかりと覚えていることだろう。シングルバージョンがあるということは、別バージョンがあるということ。しかも、それは新しいアルバムへの予感もふくらませてくれた。現在、彼らは夏フェスの合間にもスタジオに入り、レコーディングを進めているのだとか。彼らから届けられる次なる新作を楽しみに待っていたいと思う。
Mr.Children プロフィール

1989年に桜井和寿(Vo&Gu)、田原健一(Gu)、中川敬輔(Ba)、鈴木英哉(Dr)の4人によって結成され、92年に第5のメンバーともいえる小林武史プロデュースによるミニアルバム『Everything』でデビュー。93年頃から徐々に注目を集め、ついにシングル「CROSS ROAD」が120万枚以上のセールスを記録した。以後、日本を代表するロック・バンドとして不動の地位を確立しながら、「innnocent world」(第36回日本レコード大賞受賞)「終わりなき旅」「Sign」(日本レコード大賞・金賞)「GIFT」「HANABI」など数々の大ヒットシングルを発表。オリコンシングルチャートにおいては「innocent world」以降の全シングルが初登場1位を獲得しており、現在も記録を更新中である。壮大なサウンド・アレンジが光るバンド・アンサンブルと、桜井自身の直情ともとれる歌詞——ポップ感あふれるノリのいいナンバーも、アコースティックが冴えわたるバラード調の曲も、真っ向勝負でかます真摯な姿勢には、ロックバンドとしての自信と新境地へ向かう勇気を垣間見ることができる。Mr.Children オフィシャルHP

OKMusic編集部

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