【0 SOUL 7】
取材:高木智史
深化したゼロソウルミュージック
O SOUL 7という名は昔、学者が死ぬ寸前の人間を秤の上に乗せ、死んだ瞬間7g軽くなったというエピソードから、霊魂“0 SOUL”の重さ7gを意味して名付けられた。それゆえ彼らは魂のこもった、魂に訴えかけるメッセージをこれまでの作品に込めリスナーに届けてきた。そして、3枚目となる待望のミニアルバム『zerosoulseven・』をリリースする。
その1曲目「チェリートゥリー」に込められたメッセージは、“がんばれ”という聴いた人の背中を押してくれる温かいもの。桜が咲く頃、それは夢に向かって新たなスタートを切る季節で、そんな節目には家族、友人、恋人…誰しもの心の中に、きっと支えとなり応援してくれる人がいるだろう。日常の会話のようにテンポ良く綴られたリリックはストレートに心に響き、聴いているうちに自然と気持ちが晴れやかになっていく。
そう感じさせる要因はそんなリリックだけではなく、トラックの中にもある。まずイントロで奏でられ、全体のサウンドのアクセントとなっているアコースティックギターの音色がやさしい印象を与え、また、高音の美声で心地良いヴォーカルを聴かせるSun-Higと低音のヴォーカルで力強さを表現するBABE.RYOTAの両者が織りなす温かくも力強いハーモニーは楽曲の情景を見事に表していて、サウンドとも絶妙に溶け込んでいる。身近にあるエピソードをありのままに描き、2MCの力の遺憾なく発揮した楽曲はまさに彼らの真骨頂“ゼロソウルミュージック”と言えるものだ。さらに、本楽曲はテレビ東京『流派-R』、tvk『音楽缶』の1月度オープニングテーマにもなっているので、より多くの人に勇気を与えることだろう。
また、今作は他5曲を収録。どの楽曲もアプローチは異なりながらも彼らの核である、嘘偽りのないメッセージがリリックの随所に感じられ、0 SOUL 7の魂を感じることができる。つまり3作目にして、さらに彼らの音楽性の深い部分に触れられる作品に仕上がったということだ。