【インタビュー】Hiroyuki Arakawa「ライブを続けて、現場でのオーディエンスからのフィードバックが詰まったアルバムなんです」
今年1月23日に自身のレーベル“SPECTRA”より4年ぶりとなるフルアルバムをリリースしたHiroyuki Arakawa。石野卓球、砂原良徳、ケンイシイといった著名アーティストからフィードバックを受け、全14都市のリリースツアーを敢行中と、文字通り旬なアーティストと言えるだろう。そんなHiroyuki Arakawaにアルバム『LENS』に関するインタビューを行った。彼の考えるテクノの未来とは?
■僕が変わるきっかけになったのは
■「よかった」よりも「ダメだった」
──では改めて、読者の皆さんに簡単な自己紹介をお願いします。
Hiroyuki Arakawa(以下、Arakawa) Hiroyuki Arakawaというテクノアーティストです。テクノというとDJというイメージだと思いますが、僕は全部自分で作った楽曲でライブをするというスタンスで活動をしています。2010年から制作をスタートして、かれこれ8年くらい……そこから今に至るまでにフランク・ミュラーのレーベル“Muller Recrods”からアルバムを出したり、マーク・ナイト主宰のレーベル“Toolroom Records”のコンピレーションに収録されたりと海外に向けた活動もしつつ、国内でも2015年より自分のレーベル“SPECTRA"を立ち上げ日本のテクノを広める活動をしています。
ちなみに“SPECTRA”は、視覚と音の融合という世界観を持った独特なスタンスを持ったレーベルなんです。これまでに5作品リリースをしています。 リッチー・ホウティン、パコ・オスーナ、ローラン・ガルニエ、シークレット・シネマなどヨーロッパ勢のアーティストからフィードバックをもらったり、国内からも(石野)卓球さん、(ケン)イシイさん、砂原(良徳)さんなど著名アーティストからフィードバックを頂き、お陰様で注目されるレーベルになってきたかなと思います。
──今回3作目となるアルバム『LENS』のオーディエンスからの反響はいかがでしょう?
A:実はCDという形で出したのが今回初めてなんです。今までのアルバムはデジタルばかりで出していたので、CDで出したら反応が全然違っていて……デジタルを聴かないフィジカル思考の層からの反応がよかったほかに、逆にデジタルばかり聴いていた人からCDという媒体を“目に見えるもの”として興味を持ってくれる人も出てきたりしたんです。一番分かりやすかったのはTwitterの反応がいつもと違いました。
──SNSでお客さんの反応も見れる時代になりましたもんね。
Arakawa ただ僕はSNSは得意じゃないんですが(笑)。今回は「買いました!」という反応がポチポチ出てて本当に嬉しかった。あとはSpotify。再生回数ももちろんですが、ディストリビューションしてくれている人たちの広告力がすごく良くて……今回は自分の中で自信作になったと思っているし、さまざまなツールからオーディエンスとクオリティが噛み合った瞬間を見られた気がしました。ようやくHiroyuki Arakawaとしての音楽が伝わってきたのかなと感じましたね。