【インタビュー】ヴィルベルヴィント、アグレッシヴかつドラマティックな楽曲群がキャッチーに響く『Noble Catastrophe』
Wirbelwind(ヴィルベルヴィント)が、エクストリームな新鋭メタル・バンドを輩出しているレーベル『Repentless』と契約。さる7月24日にファースト・アルバム『Noble Catastrophe』をリリースした。メロディック・デス・メタルを基盤としつつも、その音楽性は様々に広がりを見せる。アグレッシヴかつドラマティックな楽曲群が、キャッチーに響くところも個性だろう。あのSOILWORKのビョーン・ストリッド(vo)がゲスト参加したことも話題の本作について、KIKKA(g)とKAZU(vo)が語る。
――Wirbelwindは2017年3月26日に結成されたそうですね。
KIKKA:そうですね。2016年に自分がRakshasaという別のバンドでデビューしまして。そちらは女性ヴォーカルのメロディック・メタルのバンドで、自分はもともとメロディック・スピード・メタルやパワー・メタルも好きなんですけど、同じぐらい、ヴァイキング・メタルとかメロディック・デス・メタルとかも好きで、曲作りをする中で、デス・ヴォイスの曲も何曲か作ってたんですね。ちょうどそういう曲がたまってきて、Rakshasaとは別の自分のバンドを作ってみようと思ったんですよ。それが2016年の秋頃で、翌年の3月にドラマーが加入したときが結成日になってます。ただ、当時はまだヴォーカルがいなかったんですよ。そこでネットに募集記事を載せたら何名か応募があって、その中の一人がKAZUだったんですね。
KAZU:時系列で言うと、4月に募集の記事を見まして、そこでデモ曲を聴いたときに、「こんな曲、こんなリフが作れる人がいるんだ!?」「これは俺が歌いたい!」という気持ちになったんですね。まずはこちらの音源を送って、オーディションの第一段階を突破して、次に既存曲にメロディをつけて送り返してくれということになって、第二段階突破(笑)。
KIKKA:その段階でほぼ決まりでしたね。歌メロだけ適当に歌えばいいですよと言っていたのに、いきなり歌詞もつけて送ってきて(笑)。聴いた瞬間に、これは凄いなと。
KAZU:それで実際にスタジオで歌ってみましょうとなったのが、2017年の6月911日。
KIKKA:何で日付まで覚えてるんですか(笑)。
KAZU:日付、強いんですよ(笑)。
――KAZUさんはそれまではどんな活動をしていたんですか?
KAZU:Finisaporiaというバンドでライヴをしてたんですが、他のメンバーと違って、表立った活動はそんなにしてなかったですね。それこそ大学のサークルで経験を積んでいた程度で。でも、ヴォーカルに関しては、ずっとグロウルしかやってなかったんです。
――グロウルの魅力は何だったんですか?
KAZU:まず物まねでやってみたら気持ちよかったというのが大きいですね。もっと遡れば、それこそCHILDREN OF BODOM辺りから、デス・ヴォイスが入った曲を聴くようになったんですが、カラオケに行ったときに試しに歌ってみたら、周りの人からも「意外と歌えるな」みたいな感じになって(笑)。そこから突き詰めていって、声のヴァリエーションだったりを広げていったんですね。
――ヘヴィ・メタル自体は、どのような経緯で聴くようになったんですか?
KAZU:もともとは、流行っているJ-POPを聴いているような、普通の子供だったんですが、メタルに関して最初に聴いたのはSEX MACHINEGUNSですね。まずハマったのは「S.H.R. ~セクシーヒーローレボリューション~」とか、その辺りだと思います。中学生の頃かな。そこから、陰陽座であったり、LOUDNESSであったり、邦楽メタルをちょっとかじって……そのうちにCHILDREN OF BODOMを知って世界がグッと開けた感じですね。
KIKKA:自分もJ-POPとかを聴いてたんですけど、あるとき、洋楽を聴いてみよう的なノリで買ったのが、なぜかIRON MAIDENだったんですよ。それが中学3年ぐらいですね。でも、メタルを本格的に聴くきっかけになったのは、DRAGONFORCEとかですかね。ある意味、ギターの速弾きに走るキッカケでもあるんですけど、高校に入った辺りで他にもCHILDREN OF BODOMとか、あとはMEGADETHやSLAYERなどのスラッシュ路線も聴き始めて。ギターも中3から始めたんですけど、本格的にやるようになったのは、高校で軽音楽部に入ってからですね。当時はアニソンのコピーが多くて。自分が高校に入った年に、アニメの『けいおん!』が始まったんですけど、その影響で入った人もいたはずですね。
――その頃には、将来はミュージシャンになろうという思いも芽生えてきていたわけですね。
KIKKA:まだざっくりとした夢ですけどね。YouTubeとかでいろんなバンドがすごく大きなステージで演奏したりするのを観て、それを目指そうということにはなってましたね。卒業後は音楽系の専門学校に入ったんですけど、その頃には完全にプロ志向で動いてました。
KAZU:僕も同じように、大きなステージとかでやってるライヴ映像を観たり、それこそ『LOUD PARK』に行ったりして、「こういう人生だったらよかったなぁ」と思いながらも、当時は何も具体的に行動は起こしてなくかったんですよ。ここにきて、遅まきながら動き出してますね(笑)。
KIKKA:遅くはないと思うけどね(笑)。
――Wirbelwindの音楽的な基盤となるメロディック・デス・メタルは、どんなところがKIKKAさんを惹きつけたんですか?
KIKKA:自分はもともとメロディのある音楽が好きで、逆にメロディのないジャンルはまったく聴かないんですね。だから、自分が作る曲は全部メロディ主体なんですよ。だから、うちらの曲は、いわゆるデス・ヴォイスを聴かない人にも受け入れられると思ってますし、そういうところも意識して作ってるんですね。デス・ヴォイスに関しては、やっぱり激しさとか凶暴さが一番出る発声だと思うんですね。