【『SPEEDSTAR RECORDS 20th Anniversary Live ~LIVE the SPEEDSTAR 20th~』】SHEENA & THE ROKKETS、AA=、ORANGE RANGE、THE BACK HORN ※出演順2013年1月18日 at Zepp DiverCity Tokyo
ロックレーベルとして数々の名曲や名盤を世に送り出し続けるスピードスターレコード。その誕生20周年を祝して3日間に渡って行なわれたアニバーサリーイベントの初日をレポートしたい。まずトップ…すなわちイベントの幕開けを飾ったのは、同レーベルの設立時より在籍するSHEENA & THE ROKKETS。シーナのハスキーヴォイス、鮎川 誠のクールなギター、奈良敏博(Ba)&川島一秀(Dr)による鉄壁な8ビート…それらが織りなすグルーブは半端ない。“ロック=不良”と言われていた頃のワイルド感を漂わせ、ソリッドでセクシー、ポップでキュートなロックンロールが会場を魅了した。二番手はTAKESHI UEDAのソロプロジェクト、AA=。“DiverCity、いくぞ!”とのっけから攻撃的なデジタルハードコアサウンドを叩き付けると、それに呼応するようにフロアではモッシュやクラウドサーフが発生する。刺々しさの中にも繊細さを感じさせるナンバーで会場の熱量を高める一方、昨年末に急逝したPay money To my Pain のK(Vo)のことに触れ、Kも参加した震災復興プロジェクト・AA=AiDの楽曲「We're not alone」を披露。バンドが捧げた想いに観客の気持ちも加わったことは言うまでもないだろう。続いては、昨年同レーベルに仲間入りしたORANGE RANGE。お祝いムードを盛り上げるパーティーチューン…しかも、アゲアゲのサマーチューンの連続投下で会場を瞬く前に沸騰させたパフォーマンスには目を見張るものがあり、YOH(Ba)の蠢くようなスラップベース、NAOTO(Gu)の挑発的なギターの妙技にも耳を惹き付けられた。トリを務めたのはTHE BACK HORN。同レーベルと出会うきっかけとなった、インディーズ時代の1stアルバム『何処へ行く』を再現したスペシャルなメニューでフロアの床を揺らし、ボディブロウのように響く重厚なバンドサウンドで観客を高揚させていくさまは圧巻である。それも展開が複雑で、抑揚も激しく、グルーブに“乗せる”と言うよりも“酔わせる”といった感じだ。…といったように初日から異種格闘技のようなアクトが繰り広げられたが、それだけ個性の強いバンドが所属しているということ。それが同レーベルのカラーでもある。当然、2日目、3日目も個性派アーティストたちの艶演が繰り広げられた。