リスナーに媚びないロックスピリットを提示したジョン・メイオール&ブルースブレイカーズの『ブルース・ブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン』
ヤードバーズのリードギタリストとして一世を風靡したのがエリック・クラプトンである。ヤードバーズはリスナーに媚びないロックスピリットを持った最初期のロックグループとして知られているのだが、実際にはデビュー直後から徐々にポップ路線へと舵を切っていたのである。真のブルースを追求していた硬派のクラプトンにとって、ヤードバーズに参加して名声は得たものの、ティーンエイジャーを相手にした“売るため”の音楽を提供することに嫌気がさしていた。そして、彼は65年にヤードバーズを脱退し、ブリティッシュブルースを先導していたジョン・メイオール&ブルースブレイカーズに参加、その翌年に本作『ブルース・ブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン』をリリースする。当時イギリスでは大きなブルースブームがやってきており、本作は全英チャートで6位まで上昇するヒットとなる。クラプトンの最初の絶頂期とも言えるディストーションの効いた切れ味鋭いギターワークをはじめ、本作におけるグループの演奏は単なるブルースの焼き直しではなく、真の意味でのロックスピリットを持った普遍的な名作に仕上がっている。