日本人はマジメ過ぎ? 「ふざける力」を使えば人生も社会もバラ色に!?
いまの日本社会がマジメ過ぎると感じているのは筆者だけではないだろう。「KY」という言葉が流行して久しいが、これは場の秩序を保つためには、空気を読み、それに逆らわないことこそが肝要なのだ、という一般通念があるからこそ成立する言葉。たしかに、ちょっと空気を読み違えたり、あるいはわざと空気に逆らったりしたものに対して、現代社会は冷たい。たとえば頻発する「ネット炎上」なんかも、現代人の歪んだ「マジメさ」を表す一つの例だろう。
マジメであることは悪いことではない。ただ、度が過ぎると窮屈になる。ようは頭でっかちになって視野狭窄におちいってしまう。
こうした窮屈な現状を乗り越えるためにも、人はもっと「ふざけ」なければならない。そう説くのは、12月3日に発売された新書『ふざける力』の著者・ワクサカソウヘイだ。
同書によると、「ふざける力」とは、「いまいる構図から抜け出す時に使う跳ぶ力」のこと。「いまいる構図」とは、つまりわれわれの「日常」。わたしたちは普段、「意味」に支配された「日常」という「窮屈な構図」のなかに囚われているが、「ふざける」ことで一瞬だけ「無意味の世界」に逸脱し、それが人の心を軽くし、新たな視点や発想を掴むきっかけとなるのだそうだ。 なにやら難解そうだが、本書の文体はいたって平易だ。また、コント作家である著者らしい「おふざけ」が全面に散りばめられており(特に「あとがき」は必読)、著者自身のパンチのきいた体験談も豊富に収録されていて(オノ・ヨーコを相手に悪ふざけしたエピソードは秀逸)、読み物として飽きさせない。
さらに本書は「ふざける力」で「お金を生み出す」方法や、「日々の仕事をクリエイティブにする」方法、あるいは「構図から逃れるための半移住」などについても言及しており、「ふざける」をベースとしたライフハック術の提案もおこなっている。 毎日がストレスフルで、なんだか窮屈だと感じているあなた。もしかしたら、その原因は「マジメ過ぎ」にあるのかも。ここらで思い切って「ふざけた」生き方にシフトチェンジしてみませんか?
(文・赤坂次郎)
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