『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』/レベッカ

『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』/レベッカ

レベッカの大傑作!
世界的ガールポップの潮流を
見事にバンドサウンドに注入した
『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』

『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』で
大ブレイク!

 3rdアルバム『WILD & HONEY』のスマッシュヒットを受け、そのわずか半年後にリリースされた『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』がチャート1位を獲得。レベッカは大ブレイクを果たす。当時の人気ドラマ『ハーフポテトな俺たち』でエンディング曲、オープニング曲、挿入歌だった「フレンズ」「ガールズ ブラボー!」「Maybe Tomorrow」を収録したことも追い風になったと記憶していたが、今回調べてみたら、このドラマ、当初は全26回を予定していたものが全12回で終了したそうだから、本作の大ヒットはバンドの地力が優った結果だったのだろう。

 今聴いても『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』は実にいいアルバムである。80年代のシンセ感やディレイの長さが今となっては若干いなたく思えなくもないが、メロディーの良さとグルービーなバンドアンサンブルがそれを補って余りある印象だ。先ほど述べた通り、当時の世界的ガールポップの流れを名うてのミュージシャンたちが自らのサウンドに見事に昇華させている。いずれの楽曲もギター、ベース、ドラム、キーボードのバランスが絶妙だ。基本はベース&ドラムがボトムを支え、その上をギターとキーボードが彩るスタイルであるが、それぞれがしっかりと自己主張しながら、時に押し、時に引き、まさにアンサンブルと呼ぶべき演奏を聴くことができる。例えば、M8「フレンズ」。所謂ビートロック調のリズム隊はやや突っ込みでそれが疾走感を生み、その上に交互に重なるシンセとギターが楽曲全体に彩りを添えている。そして、辿り着く間奏の何とドラマティックなことか!? 切ない歌詞とキャッチーなメロディーはもちろん素晴らしいが、このサウンドメイキングも「フレンズ」を名曲たらしめている大きな要因だろう。

レベッカを語る時に忘れてはならない
等身大の女の子像を描いた歌詞

 あと、レベッカを語る時に忘れてはならないのは歌詞の世界観であろうか。とりわけ注目なのは、しっかりと等身大の女の子像を描いているところ。

《哀しみはプライベイト ひとりで踊ってる つよがりなヒロインなの》(M2「プライベイト・ヒロイン」)
《街並はすっかりシルエット 灯のともるビルには 疲れた今日がにじんで まどろむ間もないと嘆いてる 明日になれば またつらいことのくり返し》(M3「Cotton Time」)
《デスクの下じゃむくんでる足が ヒールとケンカしてるわ いつだって ラッシュの電車も慣れた この頃じゃ》(M6「ボトムライン」)

 女性アイドル全盛でヒット曲のなかには浮世離れした歌詞も少なくなかった80年代半ば。どちらかと言えば、それまでフォーク畑で歌われてきたような身近な女性の姿をポップに表現した内容は、間違いなく同世代たちの共感を得たと思われる。M4「76th Star」やM7「ガールズ ブラボー!」などの“元気いっぱい女の子=レベッカ”と見る向きもあるだろうが、その背後にあるややネガな本音も描き出したこともレベッカの勝因であろう。

 しかも、『REBECCA IV ~Maybe Tomorrow~』は、《だけど明日はきっといいこと あると信じてたいの》《灰色の日に行きづまっても あきらめは出来ないの》(M10「Maybe Tomorrow」)と最後はキチンと前向きに締め括っているのは恐れ入る。改めてNOKKO、そして共同作詞家の沢ちひろの手腕の素晴らしさを讃えたい。歌詞の面でも文句のない名盤である。

著者:帆苅竜太郎

OKMusic編集部

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