Machico

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【Machico インタビュー】
『このすば』シリーズの最新作と
Machicoが再びタッグを組む!

TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』シリーズの楽曲を数多く歌ってきたMachicoが、シリーズ最新作『この素晴らしい世界に爆焔を!』OPテーマを担当。エモーショナルなミディアムバラードで、聴く者全てにエールを送る表題曲「STAY FREE」と、クリエーターに新進のボカロPであるAiraを起用した「星の旅は夢うつつ」を収録したニューシングルについて、それらにまつわる話など幅広く訊いた。

いつか私もキャストで
参加してみたいです

『この素晴らしい世界に祝福を!』(以下、『このすば』)のめぐみんを主人公にしたスピンオフ作品『この素晴らしい世界に爆焔を!』(以下、『このすば爆焔』)のOPテーマに「STAY FREE」が起用されましたね。アニメはどのような作品ですか?

めぐみんは『このすば』のダメヒロイン3人組のひとりで、すごく意思が強く夢と誇りを持っている人です。『このすば爆焔』はめぐみんが“爆裂魔法”を習得するまでの成長譚になります。私は『このすば』の1期から映画、ゲームなどシリーズの楽曲を数多く歌わせていただいてきたので、“次に何かある時はいつでも歌います!”という気持ちでいました。『このすば爆焔』を制作することが決まって、制作の方に“OPテーマは変わらずMachicoさんに歌ってもらうから”と言っていただけた時は本当にありがたかったです。ファンの方もとても喜んでくださって、みなさんの言葉にすごく励まされました。

『このすば』シリーズとMachicoさんの出会いは、1期のOPテーマに起用された「fantastic dreamer」(2016年1月発売のシングル)で、Machicoさんにとっては2ndシングルだったんですよね。

はい。それまでゲームのタイアップ曲は歌わせていただいていましたが、アルバムに収録していたんです。なので、1stシングルから4年近く経ってからの2ndシングルでした。そう思うと、私としてもやっとの想いで掴み取れた2枚目のシングルだったんだと思いますね。

この縁が今のMachicoさんを作ったとも言える気もしますね。

はい。「fantastic dreamer」がきっかけで、アニソンのフェスやイベントにソロで出させてもらえるようにもなりました。それまでお客さんはMachicoを知っている人だけだったけど、それ以降は『このすば』を知っている人が来て、そこで私を知ってくれるというかたちになり、『このすば』が自分とお客さんとの出会いをつないでくれたんです。“アニメのタイアップをいただくということはこういうことなのか!?”と実感したことを覚えています。だからこそ作品の力に負けないように、自分がちゃんとスキルアップして、せっかく出会えたのだからそのあとも応援したいと思ってもらえるようなパフォーマンスを発揮していかないといけないなと。そういう意味では責任が、それまで以上に大きくなりましたね。

めぐみん役の高橋李依さんとは、何か話をされましたか?

「STAY FREE」がOPテーマに決まってからは、今のところお会いできていないんです。でもりえりー(高橋李依の愛称)をはじめ、『このすば』のキャストはみんな仲が良くてアツい人ばかりです。ギャグ作品であるからこそ、どんなアドリブや演技が来ても返せるようにキャストが一致団結していて、制作陣とも同じ熱量でコミュニケーションを取っているから、現場にはいつもパワーがあふれています。最初の頃、私はキャストでかかわっているわけではないから、どんな立ち位置で振る舞えばいいのかちょっと微妙に感じていたのですが、声優陣のみんなが“今、○○をやっているからMachicoちゃんもこっちの楽屋においでよ!”ってグイグイと引き込んでくれて。そのおかげで私もすごくファミリーになれましたね。本当に、すごく大好きなファミリーです。欲を言えば、いつか私もキャストで参加してみたいです。

そんなMachicoさんにとって大切なシリーズ作品の最新作のOPを飾るのが「STAY FREE」ですが、バンドサウンドだけどミディアムバラードで、今までのシリーズでMachicoさんが歌ってきた「fantastic dreamer」や「TOMORROW」(2017年2月発表のシングル)とはテイストが異なりますね。

今まで歌ってきたシリーズの楽曲は疾走感があってロックテイストが多かったのですが、今回の「STAY FREE」はエモみと重みのあるバラードだったので、初めて聴いた時は“全然違うパターンできた!”と驚きました。イメージとしては森をスゥ〜っと吹き抜ける風のような感じです。それくらい空間を大きく感じさせるスケール感で、直接手を引くのではなく、さりげなくみんなを支え、ふんわりとみんなを導くみたいな。今回は思い描くビジョンがとても大きかったので、そういう意味でも今までの『このすば』楽曲とは違う一面を持った一曲です。『このすば爆焔』の制作側から“今までの『このすば』とは違う一面を見せたい”という理由を聞いて、それなら私も今までと同じ歌い方ではダメだと思いました。

俯瞰から見守って包み込む母性みたいな、そんな歌声だと思いました。

そうなんです。きっとデビュー当時だったら歌えなかった曲ですね。私も31歳になり、キャリアを重ねて10年を越え、だんだんと下の世代と仕事をご一緒させてもらう機会が多くなって。今までやってこなかった先輩としての立ち位置、下を引っ張っていかなきゃというマインドが、私の中に芽生えていることをこの数年すごく感じているんですよ。そういう経験があったからこそ、「STAY FREE」の根底にある誰かを自然に導くような気持ちも、自分のことのように理解できたのだと思います。

歌いながら心の奥でめぐみんを応援するような気持ちですね。

まさにそうです。“めぐみん頑張って!”って。めぐみんって周りからどんなにバカにされても、爆裂魔法を習得するまで頑張り続けるんです。現実世界でも人それぞれいろんな夢や目標があって、何の障害も努力もなく達成できるのはほんのひと握りの人間だけで、そこに到達するまでには、すごく高い壁を何枚も乗り越えなきゃいけない。でも、それがあるから夢や目標を達成した時の喜びが、より大きく感動的なものになるんですよね。よく過程が大事と言いますけど、例え達成できなかったとしても、努力した過程がその人の可能性を広げてくれるので、“失敗した経験もいずれ愛おしくなるから安心していいよ”という気持ちを込めて歌いました。

めぐみんにとっての爆裂魔法は、Machicoさんにとっては声優アーティストとしてデビューすることだったんですね。

はい! でも、デビューして目標達成ではなく、そこからが本番みたいな世界で、同世代には途轍もない技術を持った子がゴロゴロいましたから。他人と比べて自分が嫌になることは多々ありますが、かと言って誰かを真似しても意味がないし。自分らしさをしっかり持った状態で、周りより抜きん出る技術やパワーを持たなければならない。私も今でこそアニメ好きの方々に名前を知ってもらえるようになりましたけど、デビュー当時の私は周りと比べてもすごく歩みが遅くて、ネガティブに落ちる経験してきているからこそ、多少のネガティブでは心が折れない強さを得ることができたと思います。

ちなみに「STAY FREE」は“そのままで、ありのままで”、といった意味もあります。Machicoさんがこのままでいてほしいと思うことは?

幼少期から通っていた私の地元・広島県のお好み焼き屋さんですね。そのお店のおばちゃんが高齢になったので閉店してしまったのですが、ずっとやっていてほしかったな思っていて。野菜の値段がすごく上がって、他のお店がどんどん値上げしていた時期にお客さんが“値上げしてもいいよ”と言っているのに、そのお店だけはずっとボリューミーなままで450円のお好み焼きを貫いてくれたんです。私は子供だったから値段のことはよく分かっていなかったけど、今は仕事をする側の気持ちが分かるからこそ、おばちゃんの心意気がすごく分かります。利益よりも人とのつながりやお客さんの笑顔を大切にしていたんだなって。

ちなみに好きな味は何でしたか?

シンプルに豚玉が好きでしたね。と言っても、麺も野菜もたっぷりな広島のお好み焼きですよ。土曜日のお昼は家族で食べに行くのが恒例になっていましたね。できれば私が継ぎたかったくらいに好きでした(笑)。
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シングル「STAY FREE」【初回限定盤】(CD+DVD)
シングル「STAY FREE」【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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