INTERVIEW / Xique-Xiqueブラジル・
サンパウロのデュオ、 Xique-Xiqueが
来日。彼らの軌跡と神秘的な世界観に
迫る ブラジル・サンパウロのデュオ
、 Xique-Xiqueが来日。彼らの軌跡と
神秘的な世界観に迫る

ブラジル、サンパウロ出身のデュオ、Xique-Xiqueが来日。3月18日(金)に東京・渋谷WOMBにて開催される『Bump_ 4th ANNIVERSARY』に出演する。
Xique-Xiqueは音楽プロデューサー・DunwichとBiba Graeffによるプロジェクト。ブラジルのアンダーグラウンドなDIYパーティ/アート・コレクティブ『Voodoohop』に影響を受け、スローなBPMとオーガニックなサウンドを主体とした作品で注目を集めている。
なお、今回の来日はDunwich単独での出演となる。貴重な日本でのプレイ直前、彼に話を訊いた。
Interview by Fled Tokyo(Tune ouT Tokyo)、
Translation by Aoi Kurihara
Xique-Xique(https://soundcloud.com/djdunwich) · Karrusel Festival – Closing of Tribunen Stage – 27/08/2022 – Copenhagen(https://soundcloud.com/djdunwich/karrussel_tribunen_closingset)
『Voodoohop』を経て、Xique-Xiqueが誕生した
――Xique-Xiqueはその地域で見られるサボテンの名前ですが、どのような経緯でそう名付けたのでしょうか。
Dunwich:単に、音が気に入っただけなんです。パーカッションのような音だと思いました。ブラジルには発音と音を使ったある種の駄洒落やゲームがあって、発音が似ている単語を異なるスペルで書いたりするんです。「Xique」の発音は「CHIC(シック)」に近いなと思って。また、プレイしていた場所の近くのバーが、Xで始まる名前だったのですが、ポルトガル語なのでCHと音が異なることを知って、それがおもしろいなと。
――2月にはブラジルのヘリオドラにある自然保護区・Cachoeira do Pedrão(ペドランの滝)で『Festival Xaxoeira』の第1回を開催し、演奏しました。初めてのフェスティバルの感想を教えてください。
Dunwich:とてもよかったです。私たちは、かつて『Voodoohop』を開催していた、遊びに来ていた全ての人々を、また同じ場所に集めたかったんです。確か最後は2018年で、その後はパンデミックになってしまいました。それが緩和してきて、再度あの雰囲気と音を活かし続けるために、楽しい時間を過ごすときがきたと感じました。それで友人と一緒に開催することにしたんです。
みんながこの場所に戻って来てくれて、とても感動的な瞬間でした。この場所と音との繋がりには間違いなく特別な何かがあり、全て完全に調和していると感じました。近いうちに第2回目の開催を計画しています。
――あなたはブラジルのサンパウロに拠点を置き、森の奥深くに住んでいます。先住民、色とりどりの動物、滝、古代の木々といった風景が周りにあることかと想像しますが、そういった環境はあなたの音楽にどのような影響を与えていますか?
Dunwich:この場所での『Voodoohop』を経て、Xique-Xiqueが誕生したのです。サンパウロの森から戻ってきた(Xique-Xiqueのもうひとりのメンバーである)Bibiana Graeffに魔法のようなものを感じて、この3日間で見た全ての美しさと魔法を合成するひとつの音楽を作る必要があるように感じました。それでできたのが「Xaxoeira」です。これもはスペル違いで、本来は滝を意味する「Chachoeira(カショエイラ)」という言葉なんです。
Dunwich:私たちは生き続けるひとつのトラックを作ろうとしました。つまり、フェスティバルの美しさをシンセサイズ(合成)しようとしたのです。実際に私は周囲のたくさんの鳥や虫のyニークな鳴き声などを録音し、それらを自身の楽曲に取り入れているので、大きく影響を受けていると言えます。私はこういった音をパーカッションとして、または音楽への介入として使用しています。パーカッションというほどでなくても、まるでゲスト参加してくれたような感覚になります。
アジア・ツアー実現の裏側と、彼らの行き先
――少し前に、南米からダウンテンポのダンス・ミュージックの波が巻き起こり、“Voodoohop Collective”が世界的に発生しました。Xique-Xiqueはこれにどのように関係していますか?
Dunwich:Xique-Xiqueは、(Voodoohop主宰の)Thomashのような伝統的なブラジルのトラックにいくつかの電子ドラムを配置するサウンドのアイデアを持つ、Voodoohop Collectiveなしには存在できませんでした。私は南米から起こった大きな波に乗った、小さな水滴のような存在です。『Voodoohop』がなければ、Xique-Xiqueは生まれませんでした。なので、当然南米のシーンともリンクしていると思います。
――ダウンテンポのオーガニック・ミュージックの現状はどう考えていますか?
Dunwich:生まれてから何年も経った今でも進化し続け、人々に感動を与え続けているジャンルは、他には思いつきません。このサウンドのオリジネーターたちはすでに少し方向性を変えたり、別のジャンルに移行したりしていますが、オリジナルのサウンドはまだ新しい人々に影響を与えています。つまり、スタイルの最初の解釈がまだ生きていて、どこまでも広がっていると同時に、いくつかの新しい枝葉にも分岐しています。これは明らかな進化だと言えると思います。
――このジャンルで好きなアーティストは誰かいますか?
Dunwich:日本ではGroundとDJ Amigaが大好きです。ロシアではとても才能のあるZoe Reijueがおもしろいですね。アムステルダムではTrippin Jaguar、ドイツではPaul Traeumerが気に入っています。彼のレーベル〈Kontrapost〉もとても優れています。イスタンブールではOceanvs OrientalisとBatu Ozerがいいですね。フランスでは〈Crepite〉というレーベルが非常に興味深いです。ブラジルにはエレクトロニック・ミュージックのベテランであり、常に自分自身を更新し続けているPsilosamplesがいます。新世代のDJといえばCauanaと Kika Deekeですね。東京を含め、世界中での生活はより速く、より激しく、より容赦なく進んでいます。また音楽も同様です。
――ゆっくりとリラックスできるBPM、トライバル・グルーヴ、鳥の鳴き声に加えて、あなたのサウンドにはより深いスピリチュアリティが感じられます。
Dunwich:おそらく最初は無意識だったと思います。私のアイデアは自然に繋がるものでした。どういうわけか、マイクを森の中に置いて、鳥や木々からの深い表現を聴くようになり、それが曲のアイデアとなって、後からそれが何らかの精神的な影響を持っていることを理解しました。もちろん、音楽に関連するスピリチュアルな行いについて、マーケティングの使用には注意を払っています。しかし、それは興味深いことです。
――3月18日(土)には『Bump_ 4th ANNIVERSARY』に出演されますね。そしてSUNSET PARK CLUBでのアフター・パーティもあり、先週末は韓国でも3回ギグを行っています。今回のアジア・ツアーはどのように実現されたのですか?
Dunwich:それは、マジックでした。タイでのギグから始まり、また西パプアのインドネシアで行われるパーティにも出演予定でした。その2つのギグが決まった時点では、アジア・ツアーについてのヴィジョンはまだありませんでした。
Dunwich:後日、私のエージェントから東京のWOMBで開催される『Bump_』のパーティへの出演の話をもらったので、私が主催したブラジルのフェスティバルに出演してくれたQue Sakamotoに東京に行くことを伝えたところ、彼のサポートで韓国でのギグが3つ決定しました。全てがリンクした結果、ツアーになったのです。不可能を可能にするためのいい例です。ツアーができる、いくつかのギグができると信じなければ、私は引っ越して、どこか別の場所に行っていたでしょう。このマジックが起こるのに十分な余地を残しておいてよかったです。
――このアジア・ツアーの後、Xique-Xiqueの旅はどこへ向かうのでしょうか?
Dunwich:正直、わかりません。私は歩く限り、道は悟りを開いていると信じています。だから遠くについては見えません。今いる場所に集中しています。今年の計画では、ギグの大部分をブラジルにいるBibana Graeffとライブをする予定です。Bibana Graeffとのライブ・アクトは完璧な形式なので、彼女と一緒にもっとライブをやりたいです。今年の最初のギグはベルリンのKater Blauで7月に行われる予定で、とても楽しみにしています。
【イベント情報】
■ イベント詳細(https://www.womb.co.jp/event/2023/03/18/bump_-4th-anniversary/)
ブラジル、サンパウロ出身のデュオ、Xique-Xiqueが来日。3月18日(金)に東京・渋谷WOMBにて開催される『Bump_ 4th ANNIVERSARY』に出演する。
Xique-Xiqueは音楽プロデューサー・DunwichとBiba Graeffによるプロジェクト。ブラジルのアンダーグラウンドなDIYパーティ/アート・コレクティブ『Voodoohop』に影響を受け、スローなBPMとオーガニックなサウンドを主体とした作品で注目を集めている。
なお、今回の来日はDunwich単独での出演となる。貴重な日本でのプレイ直前、彼に話を訊いた。
Interview by Fled Tokyo(Tune ouT Tokyo)、
Translation by Aoi Kurihara
Xique-Xique(https://soundcloud.com/djdunwich) · Karrusel Festival – Closing of Tribunen Stage – 27/08/2022 – Copenhagen(https://soundcloud.com/djdunwich/karrussel_tribunen_closingset)
『Voodoohop』を経て、Xique-Xiqueが誕生した
――Xique-Xiqueはその地域で見られるサボテンの名前ですが、どのような経緯でそう名付けたのでしょうか。
Dunwich:単に、音が気に入っただけなんです。パーカッションのような音だと思いました。ブラジルには発音と音を使ったある種の駄洒落やゲームがあって、発音が似ている単語を異なるスペルで書いたりするんです。「Xique」の発音は「CHIC(シック)」に近いなと思って。また、プレイしていた場所の近くのバーが、Xで始まる名前だったのですが、ポルトガル語なのでCHと音が異なることを知って、それがおもしろいなと。
――2月にはブラジルのヘリオドラにある自然保護区・Cachoeira do Pedrão(ペドランの滝)で『Festival Xaxoeira』の第1回を開催し、演奏しました。初めてのフェスティバルの感想を教えてください。
Dunwich:とてもよかったです。私たちは、かつて『Voodoohop』を開催していた、遊びに来ていた全ての人々を、また同じ場所に集めたかったんです。確か最後は2018年で、その後はパンデミックになってしまいました。それが緩和してきて、再度あの雰囲気と音を活かし続けるために、楽しい時間を過ごすときがきたと感じました。それで友人と一緒に開催することにしたんです。
みんながこの場所に戻って来てくれて、とても感動的な瞬間でした。この場所と音との繋がりには間違いなく特別な何かがあり、全て完全に調和していると感じました。近いうちに第2回目の開催を計画しています。
――あなたはブラジルのサンパウロに拠点を置き、森の奥深くに住んでいます。先住民、色とりどりの動物、滝、古代の木々といった風景が周りにあることかと想像しますが、そういった環境はあなたの音楽にどのような影響を与えていますか?
Dunwich:この場所での『Voodoohop』を経て、Xique-Xiqueが誕生したのです。サンパウロの森から戻ってきた(Xique-Xiqueのもうひとりのメンバーである)Bibiana Graeffに魔法のようなものを感じて、この3日間で見た全ての美しさと魔法を合成するひとつの音楽を作る必要があるように感じました。それでできたのが「Xaxoeira」です。これもはスペル違いで、本来は滝を意味する「Chachoeira(カショエイラ)」という言葉なんです。
Dunwich:私たちは生き続けるひとつのトラックを作ろうとしました。つまり、フェスティバルの美しさをシンセサイズ(合成)しようとしたのです。実際に私は周囲のたくさんの鳥や虫のyニークな鳴き声などを録音し、それらを自身の楽曲に取り入れているので、大きく影響を受けていると言えます。私はこういった音をパーカッションとして、または音楽への介入として使用しています。パーカッションというほどでなくても、まるでゲスト参加してくれたような感覚になります。
アジア・ツアー実現の裏側と、彼らの行き先
――少し前に、南米からダウンテンポのダンス・ミュージックの波が巻き起こり、“Voodoohop Collective”が世界的に発生しました。Xique-Xiqueはこれにどのように関係していますか?
Dunwich:Xique-Xiqueは、(Voodoohop主宰の)Thomashのような伝統的なブラジルのトラックにいくつかの電子ドラムを配置するサウンドのアイデアを持つ、Voodoohop Collectiveなしには存在できませんでした。私は南米から起こった大きな波に乗った、小さな水滴のような存在です。『Voodoohop』がなければ、Xique-Xiqueは生まれませんでした。なので、当然南米のシーンともリンクしていると思います。
――ダウンテンポのオーガニック・ミュージックの現状はどう考えていますか?
Dunwich:生まれてから何年も経った今でも進化し続け、人々に感動を与え続けているジャンルは、他には思いつきません。このサウンドのオリジネーターたちはすでに少し方向性を変えたり、別のジャンルに移行したりしていますが、オリジナルのサウンドはまだ新しい人々に影響を与えています。つまり、スタイルの最初の解釈がまだ生きていて、どこまでも広がっていると同時に、いくつかの新しい枝葉にも分岐しています。これは明らかな進化だと言えると思います。
――このジャンルで好きなアーティストは誰かいますか?
Dunwich:日本ではGroundとDJ Amigaが大好きです。ロシアではとても才能のあるZoe Reijueがおもしろいですね。アムステルダムではTrippin Jaguar、ドイツではPaul Traeumerが気に入っています。彼のレーベル〈Kontrapost〉もとても優れています。イスタンブールではOceanvs OrientalisとBatu Ozerがいいですね。フランスでは〈Crepite〉というレーベルが非常に興味深いです。ブラジルにはエレクトロニック・ミュージックのベテランであり、常に自分自身を更新し続けているPsilosamplesがいます。新世代のDJといえばCauanaと Kika Deekeですね。東京を含め、世界中での生活はより速く、より激しく、より容赦なく進んでいます。また音楽も同様です。
――ゆっくりとリラックスできるBPM、トライバル・グルーヴ、鳥の鳴き声に加えて、あなたのサウンドにはより深いスピリチュアリティが感じられます。
Dunwich:おそらく最初は無意識だったと思います。私のアイデアは自然に繋がるものでした。どういうわけか、マイクを森の中に置いて、鳥や木々からの深い表現を聴くようになり、それが曲のアイデアとなって、後からそれが何らかの精神的な影響を持っていることを理解しました。もちろん、音楽に関連するスピリチュアルな行いについて、マーケティングの使用には注意を払っています。しかし、それは興味深いことです。
――3月18日(土)には『Bump_ 4th ANNIVERSARY』に出演されますね。そしてSUNSET PARK CLUBでのアフター・パーティもあり、先週末は韓国でも3回ギグを行っています。今回のアジア・ツアーはどのように実現されたのですか?
Dunwich:それは、マジックでした。タイでのギグから始まり、また西パプアのインドネシアで行われるパーティにも出演予定でした。その2つのギグが決まった時点では、アジア・ツアーについてのヴィジョンはまだありませんでした。
Dunwich:後日、私のエージェントから東京のWOMBで開催される『Bump_』のパーティへの出演の話をもらったので、私が主催したブラジルのフェスティバルに出演してくれたQue Sakamotoに東京に行くことを伝えたところ、彼のサポートで韓国でのギグが3つ決定しました。全てがリンクした結果、ツアーになったのです。不可能を可能にするためのいい例です。ツアーができる、いくつかのギグができると信じなければ、私は引っ越して、どこか別の場所に行っていたでしょう。このマジックが起こるのに十分な余地を残しておいてよかったです。
――このアジア・ツアーの後、Xique-Xiqueの旅はどこへ向かうのでしょうか?
Dunwich:正直、わかりません。私は歩く限り、道は悟りを開いていると信じています。だから遠くについては見えません。今いる場所に集中しています。今年の計画では、ギグの大部分をブラジルにいるBibana Graeffとライブをする予定です。Bibana Graeffとのライブ・アクトは完璧な形式なので、彼女と一緒にもっとライブをやりたいです。今年の最初のギグはベルリンのKater Blauで7月に行われる予定で、とても楽しみにしています。
【イベント情報】

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『心が震える音楽との出逢いを』独自に厳選した国内外の新鋭MUSICを紹介。音楽ニュース、ここでしか読めないミュージシャンの音楽的ルーツやインタビュー、イベントのレポートも掲載。

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