つばきファクトリー、メジャー6周年
ライブでみせた新体制での進化とその
先にある希望【オフィシャルレポート

つばきファクトリー メジャーデビュー6 周年記念ライブ ~Moment~

2023.02.23(thu) RaiBoC Hall(市民会館おおみや) 大ホール(埼玉)
2月22日、メジャーデビュー6周年を迎えたつばきファクトリーが、埼玉のRaiBoC Hall(市民会館おおみや) 大ホールで6周年記念ライブを行った(メジャーデビューは2017年2月22日/結成は2015年4月29日)。
6周年記念ライブの前日となる2月22日は、通算10枚目のシングルで浅倉樹々のラスト曲となる『間違いじゃない 泣いたりしない/スキップ・スキップ・スキップ/君と僕の絆feat.KIKI』の発売日。オリコンデイリーチャートで3位という順調な滑り出しを見せている新曲の勢いそのまま、つばきファクトリーの新しい魅力が凝縮されたライブが展開された。
新曲の「間違いじゃない 泣いたりしない」はミュージックビデオの再生回数が約1ヶ月で120万回再生を突破。ラジオ局パワープレイも多数獲得している。つばきファクトリーが得意とする恋愛をテーマにした楽曲で、聴きどころは切なさを演出するピアノとストリングスにトラップを採り入れた緩急のついたビートメイクの組み合わせ。また、海外在住経験もあり、英語が堪能な福田真琳の流暢な英語詩も大きなアクセントとなっている。
「スキップ・スキップ・スキップ」は、つばきファクトリーらしい爽やかなポップス。軽快なメロディと春を思わせる世界観が、これらかの季節にぴったりの曲といえる。最後の「君と僕の絆 feat.KIKI」は、4月2日にグループ及び、ハロー!プロジェクトを卒業する浅倉をフィーチャーした、ドラマチックなバラード。メンバー全員でキャンプをするミュージックビデオも、グループの歴史や一体感が見てとれる内容で話題だ。
「つばきファクトリー メジャーデビュー6周年記念ライブ~Moment~」と冠された今回のライブは、昼と夜公演あわせて約2500人動員。公演名に“Moment(=瞬間)”とある通り、メンバーは記念ライブの一瞬一瞬の喜びを噛み締め、会場に訪れたファンも、その瞬間でしか垣間見ることのできないメンバーのパフォーマンを目に焼き付けていた。
また今回は“6周年=ロック周年”とかけ、バンドスタイルでのライブが展開された。ハロー!プロジェクトとしては珍しいバンド編成でのライブは、今春卒業を控える浅倉の「バンド編成で歌いたい」という強い希望から実現したという。結成時からグループのセンターを務めてきた浅倉の念願のひとつがかなった公演となった。
つばきファクトリー
つばきファクトリー
2枚目のアルバム「2nd STEP」に収録されている「マサユメ」でライブはスタート。白い幕が下りると、ステージの上にはロックスタイルの衣装を着たメンバーが登場し、会場のボルテージは一気に上昇。メンバーがロックスタイルの衣装を着た写真を前日にブログでアップするなど、匂わせ(!?)的な告知はしていたものの、サプライズとなった生バンドを引っさげたライブ演出に、ファンからは大きな拍手が巻き起こる。
その後も「可能性のコンチェルト」「アドレナリン・ダメ」といったアップテンポな曲を、生バンドの演奏をバックに披露。清楚で可憐なパフォーマンスに定評あるつばきファクトリーだが、今日ばかりはロックアイドルグループにアップデート。ステージの上で激しいパフォーマンスを展開していく。4曲目となる「ふわり、恋時計」では、春のうららかな陽だまりに漂うようなセツナイミディアムナンバーをキーボードの演奏に合わせて歌い上げ、いつもと少し違う楽曲の表情を魅せていた。
MCで、「私たち、つばきファクトリー、メジャーデビュー“ロック”周年を迎えました!」と挨拶すると、会場からは大きな拍手が。また各メンバーが私のここを見て!というテーマの一言とともに自己紹介。「目力が強めの私」(山岸理子)、「ロックな希空」(新沼希空)、「優雅でエレガントな私に注目」(谷本安美)、「ハンサムな私」(岸本ゆめの)、「ロックな髪さばき」(浅倉樹々)、「キラキラな私」(小野瑞歩)、「かわいいだけじゃない紗栞」(小野田紗栞)、「カッコいいダンス、カッコいい歌」(秋山眞緒)、「正統ロックな私」(河西結心)、「私のさまざまな歌声に」(八木栞)、「強気でロック」(福田真琳)、「ロックな音楽を楽しみます」(豫風瑠乃)と挨拶し、それぞれの今日のアピールポイントをPRしていた。
つばきファクトリー
つばきファクトリー
MC終了後は、バンドメンバーが一旦退場。つばきファクトリーだけでのライブタイムに。新曲の「スキップ・スキップ・スキップ」にはじまり、「春恋歌」「弱さじゃないよ、恋は」「間違いじゃない 泣いたりしない」「意識高い乙女のジレンマ」と続けてパフォーマンス。恋愛をテーマにした楽曲などで、それぞれが主人公となって一つ一つの曲を壮大な物語として演じることに長けている彼女たちの個性が発揮されるターンとなった。「光のカーテン」では、再びバンドメンバーが登壇。1番はピアノとアコースティックギターに合わせて、浅倉がソロパフォーマンスを披露する。そして、2番からは各メンバーが次々と登場していくという、浅倉の卒業を意識したような演出となっていた。
バンドメンバーの紹介を経て、ライブは後半戦へ。メンバーの「みんなクラップ!」の掛け声に合わせて、ドラムのフィルインとともにファンも手拍子。いつもと違う生演奏による楽曲アレンジに会場は一体感で包まれ、さらなる盛り上がりを見せるなか「表面張力~SurfaceTension~」「My Darling ~Do you love me?~」「三回目のデート神話」と立て続けにパフォーマンス。最後に「今夜だけ浮かれたかった」を歌い、本編は終了となった。
その後アンコールを経て、メンバーは再びステージ上へ。「笑って」を披露し、メンバーがファンへ向けた感謝の気持ちとイベントの感想を述べていく。「このライブは私の人生でベスト5以上に入る楽しさ。この一瞬一瞬を今回のライブで心に刻んでいただけたなら」(豫風瑠乃)、「魅力のある唯一無二のグループで、活動ができて誇りと幸せを感じています」(福田真琳)、「高揚感があって、テンション爆上がりでした」(八木栞)、「この空間を皆さんと一緒に味わえて、本当に楽しかったです」(河西結心)、「つばきのいろいろな一面を魅せられたと思う」(秋山眞緒)、「7年目は可愛いだけじゃない紗栞をお届けしたい」(小野田紗栞)、「メンバーは家族みたい。空気みたいに必要な存在」(小野瑞歩)、「(バンド演奏という)夢がいました。幕が下りた瞬間、嬉しすぎて震えが止まらなかった」(浅倉樹々)、「ここにいる皆さん、7年目のつばきファクトリーにもついて来い!」(岸本ゆめの)、「こんな恵まれた環境でライブができて嬉しい。ファンの皆さんもいつも以上に笑っていた」(谷本安美)、「7年目はもっともっと頑張って、次はもっと大きい会場で(ライブ)ができたらいいなと思います」(新沼希空)、「今日は来たくても来られなかったという声をたくさん聞いた。私たち愛されているなと思いました」(山岸理子)とコメント。メンバー一人一人の挨拶に、会場は温かい拍手に包まれていた。
最後に『帰ろう レッツゴー!』を歌い、ライブは終了。元々の武器である良い意味でハロー!プロジェクトらしからぬ清楚さと可憐さに、ハロー!プロジェクトらしい力強いパフォーマンスが加わった近年のつばきファクトリー。岸本ゆめの、浅倉樹々、小野瑞歩、秋山眞緒のボーカルを中心に、歌とダンスで安定感のあるパフォーマンスを見せる先輩メンバー。そして、先輩メンバーに勝るとも劣らない表現力や、歌唱力で魅せる2021年7月に加入した河西結心、八木栞、福田真琳、豫風瑠乃のリトルキャメリアンと呼ばれる4人の化学反応は、現体制での完成形と呼ぶにふさわしいパフォーマンスを見せてくれた。コロナ禍で活動が制限されていたなかでも、新メンバーの増員を皮切りに、初となる単独での日本武道館公演(2021年)、初のホールツアー(2022年)と着実にステップアップをしてきたつばきファクトリー。25周年イヤーで、ますます盛り上がりを見せるハロー!プロジェクトの中心で、ツバキ(椿)の花が満開に咲き誇ることを期待せずにはいられないライブとなった。
メジャーデビュー当初、さまざまなメディアで「アイドル界の主役になる。ハロー!プロジェクトだけじゃなく、ほかのアイドルグループにも負けないように一番を目指していきます!」と目標を語っていたつばきファクトリー。7年目となる本年も、センターの浅倉の卒業後に迎える11人の新体制で、アイドル界の主役となるべく、さらなる進化を遂げていくことだろう。
つばきファクトリー

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